令和3年7月最終週~8月第1週
7月26日(月曜)
一昨日の五輪開会式、NHK総合の生中継。ビデオリサーチ社の調査に依ると、関東地区の平均世帯視聴率は56.4%に及んだ由。午前中の放送となった2016年のリオデジャネイロ五輪の23.6%や、同じく19時から22時で放送が開始した2008年北京五輪の37.3%を大きく上回り、1964年の前回東京五輪の61.2%に迫る驚異的な数字。瞬間最高視聴率61.0%を記録したのはMISIA氏の国歌斉唱が終わり、森山未來氏が追悼の舞踏を見せた20時25分から26分、及び各国選手団が入場し始めた20時47分。昨今、世帯視聴率よりも重視されつつ在る個人視聴率も40.0%と高かったそうだが、観る者に依って感想は異なる。
旧名及び日本名は根本七保子で、印度尼西亜初代大統領Sukarno氏の第三夫人。芸名「デヴィ夫人」で知られるRatna Sari Dewi Sukarno氏が、本日に銀座で某三鞭酒直売店舗の開店式典及び新商品発表会に出席した序に、五輪開会式に関して発言。「地味で質素で怒りが爆発しました」「165億円も掛けて、此れっぽっちって」「7年間も準備する時間が有って、五輪組織委員会は何やっているんですか」等と不満を訴えたそうだが、一昨日に北野武/ビートたけし氏もテレビ出演時に開会式を批判。「昨日の開会式、面白かったですね」との皮肉から「随分、寝ちゃいましたよ」、「税金から幾らか出しているでしょ」「金返せよ」、「困ったね」「外国も恥ずかしくて行けないよ」、後年になって「如何に馬鹿だったか分かるでしょうね、日本は」等と酷評したそうだ。何れも当方とは対極に位置する見解だが、高齢者には理解し難い演出や構成だったのか。或いは神聖化された前回東京五輪の記憶が正当な評価を妨げるのか。
無観客の東京五輪が中盤戦に差し掛かるも「招致を推進し、里約日内路ではマリオに扮した」上に、「人類が新型コロナウイルスとの戦いに打ち勝った証」として「五輪の1年延期」を主張した前首相の安倍晋三氏は、名誉最高顧問の立場で在るにも関わらず「開会式への出席を見送り、いっさい姿を見せなかった」由。6月18日に静岡県知事選への支援を呼び掛けたのを最後に「月に3回ほどは書き込んでいた」Twitterも投稿が途絶え、五輪関連は4月5日に「池江選手、本当におめでとうございます」「白血病から復帰し、オリンピックの代表へ」「ここまで重ねてこられた努力は本当に並大抵のものではなかったと思います」等と絶賛したのが最後。「反日と呼ばれる人が東京五輪に反対している」とも発言した氏の態度に対し、SNSでは「安倍晋三も逃げ出すほどのオリンピックって、すごいなあ」の様な皮肉や「開会式に天皇陛下を出席させておいて、安倍晋三が欠席したのは本当に許せない」等の批判が続出したそうだが感染対策上、観客は一人でも少ない方が望ましい。批判されると分かり切っている投稿をしないのも合理的では在り、当方は其の辺りを批判する心算も無い。彼に関しては「疾うの昔に謝罪して辞めるべき人間が伸う伸うと国会議員を続けている」現状こそが許すべからざる問題で、後は些事に過ぎぬ。
五輪の各会場でも連日、猛暑が続く。一昨日には、洋弓女子の予選で露西亜のSvetlana Gomboeva氏が熱中症の為に失神。昨日は、庭球の男子個人戦世界1位のNovak Djokovic氏が試合時間の変更を求めた。斯様な状況に対し、本日付で米国のyahoo! sportsに“Japan's Olympic organizers lied about its weather, and now athletes are paying the price”。即ち「JOCは天候に就いて嘘を吐き、選手達は今、代償を支払わされている」と批判する記事が掲載された由。執筆者のDan Wetzel氏は本日午前中に行われた鉄人三種競技の決勝線付近が「丸で戦場の様だった」と描写。「何人もの選手が大の字になり、指導者が過熱した選手達を介助し、中には肩を借りねばならぬ者も居た」と綴った上で、記事は日本が開催地に立候補した際に「此の時期の東京は穏やかで晴れた日が多く、運動選手が最高の力を発揮する上で理想的な天候で在る」と主張していた事を指摘。「穏やか?」「理想的?」「7月の此の東京が?」と強烈に皮肉った上で、「日本は其れが嘘だと知っていた」「東京に住んでいる人間なら、真夏の気候が穏やかでも理想的でも無い事は誰でも知っている」と続けた。また記事では、米国での放映権を持つNBCがNFLやCollege footballの活動時期と重ならない7月中旬から8月下旬の開催を希望している事にも言及。日本の組織委員会が其れに合わせて「牧歌的な夏という馬鹿げたイメージ」を作り上げて立候補地として売り込み、IOCは承知の上で黙認したとも指摘している。
今年2月に性差別発言で辞任した後、3月にも政治資金遊宴でも「大変なおばちゃんが居る」「女性と言うには、余りにも御年ですが」と再び性差別発言を繰り出した東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の元会長、森喜朗氏に関し、一昨日の定例会見で組織委の広報担当者を務める高谷正哲氏が言及。「組織委が彼を名誉最高顧問に就任させる可能性」に関する質問が出ると、高谷氏は「大会開催に貢献された方々への役職等に就いては、必要に応じて対応する」が「個別の人事に就いて御答えする事は差し控えたい」だけ答え、報道陣が食い下がっても「先程の回答が全て」と繰り返すだけで明言を避けた。「組織委設立に東京都は1億5000万円」「五輪の大会経費は1兆6440億円で、そのうち9230億円は国と東京都の負担」との情報も有り、森氏を今更、名誉採用顧問に選出するのは無論の事、無言で押し通そうとする態度も都民や国民に対する裏切りとなるか。
7月27日(火曜)
東京都の新型コロナウイルス新規感染者が2848人で過去最多となり、総理大臣の菅義偉氏は27日、首相官邸で開いた関係閣僚会合の後で記者団に「30代以下が約7割を占めて」おり「40代、50代の中で入院が増え、デルタ株の割合も急速に増加」、「先ずは4連休含め現状分析をして行く」が「更に各自治体と連携しながら強い警戒感を持って感染防止に当たって行く」等と述べた。更に「不要不急の外出は避け、五輪やパラリンピックはテレビ等で観戦をして欲しい」と語る一方、東京五輪とパラリンピックの中止に関しては「人流も減っていますし、有りません」と否定した由。
総務省消防庁が本日に発表した所に依ると、患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が、今月19日から25日の1週間に全国52の消防で2202件あったと発表した。前週より43%多く、3週連続の増加。このうち「37度以上の発熱や呼吸困難等の症状が有り、新型コロナウイルス感染」が疑われる事案は698件で、前週の1.6倍と大幅に増えた。東京、大阪、横浜、札幌を含む地域が目立って増加しており、新型コロナの感染再拡大による病床逼迫などの影響と見られる由。
NTT DOCOMOでi-mode事業の立ち上げに携わり、昨年4月に総理特命の「新型コロナ感染症対策に関する特命タスクフォース」に任命される一方、議論を主導して印鑑廃止の流れを決定付けたと云われる実業家の夏野剛氏。本月21日付で株式会社KADOKAWAの代表取締役社長に就任して丁度1ヶ月後に AbemaTVの番組に出演。東京五輪が無観客開催となったのは「子供の運動会や発表会が無観客なのに五輪だけ観客を入れたら不公平感が出てしまう」事への配慮では無いかと云う別の出演者の見解に対し、夏野氏は「糞なピアノの発表会なんて如何でも良いでしょ」「五輪に比べれば」、「なのに其れを一緒にする阿呆な国民感情に今年、選挙が有るから乗らざるを得ないんですよ」、「Jリーグだってプロ野球だって(観客を)入れている」のに「五輪を無観客にしなければいけないのは「やっぱり選挙が有るから」で、「其処に対して余り国民感情を刺激するのは良くない」と云う「政治的な判断に尽きる」が「そのうち誰かが金メダルを取ったら雰囲気変わると思いますよ」等と暴言を吐いた。
当然の如く批判を浴び、23日の時点で「アホとかクソという言葉を使ったのは、番組の雰囲気に甘えた極めて不適切な発言でした」とツイッターで謝罪。本日になってKADOKAWAが「個人の立場として番組に参加」なれども「当社代表取締役社長 として大変不適切な」発言が為された事に対し、「当人から報酬の一部返上の申し出」を受けて此れを受理し、来月からの3ヶ月間は役員報酬の20%が自主返上されると発表。「此の夏野氏が東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の参与も務めている」等と云う話は、悪い夢だと信じたい。
7月28日(水曜)
本日に国内で9583人の新規感染が確認され、過去最多を更新。首都圏1都3県で六割近くを占め、デルタ株が首都圏を中心に猛威を振るい、緊急事態宣言後も感染拡大が止まらぬ状況との指摘有り。東京都の感染拡大に関し、政府対策分科会の尾身茂会長が本日の衆院内閣委員会で「人流や接触機会は宣言が出て徐々には減っているが、期待される水準には至っていない」儘に「医療の逼迫が既に起き始めている」由。
先月18日に発熱を認め、20日に新型コロナウイルス感染を発表した俳優の田中圭氏に関して「7月10日夜に、20人超が参加する田中の誕生日会が開かれていた」旨を週刊文春が報道。主催は田中氏と同じ事務所に所属する眞島秀和氏と鈴之助氏。「37歳の誕生日」を迎える田中氏のために「毎年恒例の誕生日会を開きたい」とLINEで関係者に通知が回るも、「本人には伝えていないのでサプライズ形式」と言いつつ、会場は田中氏本人が居住する都内の自宅マンションと感染対策も秘密保持も緩かった模様。「当日は夜9時半ごろから入れ代わり立ち代わり、計20人超が集まり」、夜半まで続いた祝宴の写真も文春は入手済。「誕生日ケーキを持ってピースをする」田中氏の周りに「男女がノーマスクで顔を寄せ合って」「まさに“密”状態そのもの」との事だが、文春が田中氏達の所属事務所に事実関係を尋ねるも回答無し。報道を受けて、眞島氏が公式ツイッターに「このような時期に、良識のない行動を取りましたことを深く反省しております」等と謝罪した由。
伊太利では、「料理店や酒場、映画館に劇場等の入場に於ける所謂ワクチンパスポート、接種証明書の提示」を、政府が8月から義務付けようとしている由。此れに反対して「政府の接種強要と接種証明書の提示義務化は独裁的」「恰もナチスドイツの様だ」と主張し、「ナチスドイツ時代に猶太人が強制的に着用させられた黄色い星」を着用して街頭活動を行った由。従前から欧米では「都市封鎖で外出制限」「マスク着用の義務化」等の政策に対して、「嘗てユダヤ人がゲットーに閉じ込められて迫害された」事や「ナチスドイツの全体主義」を連想する者が多かったらしく、「ホロコーストに例えることは犠牲になったユダヤ人に失礼だ」「ワクチン未接種の人をホロコースト時代のユダヤ人に例えるのはおかしい」等の反論が出て電網上で論争が繰り返されて来た由。アウシュビッツ絶滅収容所から生存したユダヤ人で伊太利の終身上院議員でも在るLiliana Segre氏が「ホロコースト時代のユダヤ人の置かれた立場と現在の新型コロナウィルスのワクチン接種の状況は大きく異なります」、「ワクチン接種に反対するのであれば、家にいて外に出なければよい」「そうすれば、誰も傷つけません。お願いですから外に出て、誰かを傷つけないでください」と語り掛けるも、英国では別の問題が発生。
今月21日に英国の団体Holocaust Educational Trustの職員が、ワクチン接種会場で落書きを発見。ツイッターでの報告には、“Covid 19 Vaccinacion Center”の看板から“19”を消して“911 LIES”、即ち「911は嘘」。更に“Vaccinacion Center”を“EXTERMINATION Center”、「絶滅収容所」と書き換えて、ナチスの象徴、鍵十字が三つ書き添えられている画像も添付されている。「2001年9月11日に発生した米国の同時多発テロ」に対し、回教過激派集団Al-Qaedaが行った主張こそ「911は嘘」だったが、欧米では「911はイスラム過激派ではなくてユダヤによる陰謀だ」というユダヤ陰謀論もSNSに多く投稿される由。Holocaust Educational Trust職員は落書きに対して「明らかに悪意があって、攻撃的で反ユダヤ主義」「大量虐殺で犠牲になった方々を思い出して頂きたい」と批判しつつ「事実に基づいていない」「単なる誤謬だ」とも指摘。
7月29日(木曜)
早稲田大学大学院への留学やHarvard法科大学院の修了後に、米国の専門誌が「世界で最も恐れられる法律事務所」と評したQuinn Emanuel Urquhart & Sullivanに入所。2010年から東京事務所の代表を務め、「同志社大学の非常勤講師として比較国際法を日本語で講義」「複雑な訴訟に関連する種々の論点に関して講演」「実務経験に基づいた企業間訴訟の最新情報を日本経済新聞や産経新聞、日経ビジネス誌に提供」、更には「BS朝日の番組『CNNサタデーナイト』の常任解説者として米国の政治、経済、文化等の情報を語る」等と多岐に渡る活動をしているRyan Goldstein氏が先週23日、HuffPost日本版に「小林賢太郎氏の解任、ユダヤ系アメリカ人の私は妥当な措置と考える」と題した一文を寄稿。
冒頭で「私はユダヤ系アメリカ人として、今回の東京オリンピック組織委員会の措置は妥当だと考える」「大量虐殺はいかなる状況においても冗談では済まされない」と断定しつつ、「ただ、この問題は日本人にとっては遠い話かもしれず、私の憤りを理解するのは難しいのかもしれない」と日本国民の気持ちを慮る。専門家らしく「世界的なイベントである以上、契約が交わされているだろう」と指摘し、米国の契約ならば「これは契約者の行為が企業の印象を悪くした場合に、契約解除できる」と云う「モラル条項」が盛り込まれるが「今回の人権を尊重しない行為は、それにあたるという解釈もできるのではないだろうか」、「東京オリンピックにおけるアーティスト等の契約にはその条項が盛り込まれていたのだろうか」と読む者に問い掛ける。「なぜモラル条項が契約書に盛り込まれているか」と問うならば、其れが「重要」で「モラルに反するようなことがあってはならないから」で在り「それを明文化することが契約書の意義なのだ」と説く。最後に「しかし、私はその人を生涯罰し続けるのはどうかと思う」「人は日々成長するからだ」と救いの手を差し伸べる様な事も言い、「批判を浴びたその発言や行為の重大さを知り、猛省し、自らを律する機会は重要」で「そのように成長した者を罰し続けることが、終局、どんな意味をもたらすかも考えておきたい」と語って、最後は「いま私たちに求められているのは世界基準の人権意識ではないだろうか」と締める。情理兼ね備え、一見すると論旨明快な文章から氏の弁護士としての有能さが垣間見える反面、複数の納得が行かぬ点有り。
先ず第一に、今回解任の原因はSimon Wiesenthal Centerからの外圧で在り、私の知る限り組織委は契約違反に就いて一切言及していない筈だ。「契約上の倫理条項に違反したから解任も已む無し」との印象に誘導する過程で、ゴールドスティン氏は仮定を幾つも重ねているが、曖昧な根拠で人を断罪するのは不合理且つ非道。次に疑問を覚えるのは「しかし、私はその人を生涯罰し続けるのはどうか」の件。此の部分だけ読めば全くの正論に聞こえるが、「解任の根拠とされた小林氏の発言は1990年代になされたもの」と云う事実を鑑みると、話は違って来る。「日々成長」を重ねて来た小林氏の仕事が、昔の唯一言を理由として唐突に奪われる事が、何故「妥当な措置と考え」られるのか。二十数年では反省の時間が短いと言うのか、三十年か四十年ならば良いのか。自家撞着も甚だしいと言わざるを得ない。他に「小林氏の発言として拡散された英文が誤訳」との問題に触れる事もゴ氏は避けているが、此れ以上の追及は止めて置く。小林氏側の依頼で解任不当を訴える裁判を引き受けた訳でも無ければ「ユダヤ人弁護士がSWCを批判する」状況に陥りたくは無い筈で、彼が真に「憤り」を抱いているのかどうかすらも少々疑問に感じる。
小山田圭吾氏の辞任と小林氏の解任は併せて報道される事も多かったが、前者も1990年代の発言が原因。しかし、「いじめ紀行」と題した記事で「障害を持つ持つ同級生への凄惨な虐めを武勇伝の如くに語る」も「『僕って、いじめてる方なのかなあ?』と自覚無し」、「被害者と対談するならば何を話すかと尋ねられると『別に、話す事ないッスけどねぇ』と笑って返す」「虐めた相手とされる同級生から届いた年賀状も晒す」等の言行は批判に値するもので繰り返し批判されて来たが、先日の辞任迄に過去を悔いて居たとの情報は見付からない模様。小林氏に関しては概ね先週22日の項に記した通りだが、「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」と云う語の選択が不用意だったのは間違いないとしても、きちんと検証すれば前後の文脈にユダヤ人侮辱やホロコースト揶揄の内容は含まれて居らず、日常生活では聞かない特別な言葉として使用されたのは明白だ。解任後に出された声明だが、小林氏は発言当時を振り返って「思うように人を笑わせられない時期に、浅はかに人の気を惹こうと」した事を恥じて「人を傷つけない笑いを目指すようになっていきました」と語っている。海外でも舞台公演を行い、2015年に「僕のshowを楽しむのに予備知識は要りません」「国籍も性別も年齢も関係ないので、面白そうだなと思ったら、ぜひ劇場に足をお運びください」と呼び掛け、2017年以降はラーメンズの映像化されたラーメンズ公演をYouTubeで配信して、動画の広告収入を災害復興支援のため寄付し続けた。此の小林氏が何故、謝罪以前の電撃解任と云う形でネオナチの如くに公職から追放されねばならぬのか。
また別の論点として、一連の報道で日本の報道機関が皆「サイモン・ウィーゼンタール・センターは人権団体」と紹介した事への疑念も指摘されている。SWCはホロコーストに関する啓蒙活動や「反ユダヤ」的な言動や活動について、監視・抗議を行っている団体であり、“Jewish global human rights organization”の自己紹介を信じれば、人権団体が誤訳と云う訳では無い。しかし、実際のSWCは「ユダヤ人に対する差別や暴力」には強く抗議する一方でイスラエルが行う国際人道法違反は擁護し、特にパレスチナ占領への批判は「反ユダヤ」と断じられる事が多い。彼等の活動はZionismに基づいて居り、守護されるのは主として猶太人の権利だ。小林氏解任に就いて日本の報道機関に声明を出したにコメントしたSWC副代表のAbraham Cooper氏は2014年7月に来日した際、激化する以色列軍によるGaza攻撃に関して「多くの人々の血が流れている事への責任はHamasに在る」と主張するばかりで、現に起きている「市民への無差別攻撃」には一切言及しなかった。ホロコーストの肯定や揶揄を批判するのは当然だが、更に批判されるべきは現在進行中の虐殺だろう。
そして本日は全国で過去最多の1万699人の感染が確認され、遂に一日当たりの感染者数が万の単位に及んだ旨の発表有り。人による虐殺、差別や偏見も恐ろしいが、意思無きウイルスの蔓延も矢張り恐ろしいと再確認。
7月30日(金曜)
今夕に総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部が会合。菅義偉総理大臣、西村康稔経済再生担当大臣や田村 憲久厚生労働大臣が居並ぶ中で「東京都と沖縄県に出されている緊急事態宣言の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加」「北海、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県には蔓延防止等重点措置を適用」と決した由。期間は全て来月2日から31日迄となり、来月22日が期限とされていた東京や沖縄への宣言も此れに合わせて延長。五輪に続き、来月24日からの東京パラリンピックも緊急事態宣言下で開幕を迎える事に為るか。
更に対策本部からは「重点措置の適用地域では原則、飲食店に酒の提供停止を要請」「提供出来る条件を厳しくする」等の方針も併せて発表されたが、英国の公共放送British Broadcasting Corporation(BBC)は「五輪開催の一方で日常生活の制限を求める事は混乱を招くのでは無いか」と専門家が懸念して居り「新しい対策がどれ程、効果が有るかは疑問」と報道。米国のNew York Times紙は「日本の感染状況は嘗て無い程、悪化して」いて「五輪が中盤に差し掛かった今、安全安心な大会という約束が守られるか試されている」が、五輪開催が市民の気の緩みに繋がったとの分析も有り「緊急事態宣言の拡大や延長が有効か否かは定かではない」と指摘。Reuter通信も「日本の緊急事態宣言は、他国の都市封鎖の様に厳格な措置を課すものではなく、国民に自粛を求めるもの」に過ぎず「多くの人が自宅待機の要請に嫌気が差し、居酒屋の中には要請を拒否する店も有る」と伝えており、海外にも実情を見透かされてしまった模様。
中東の以色列では16歳以上の8割以上が2回の接種を終えたにも関わらず、先月下旬以降にデルタ株の感染が拡大。一時は新規感染者が1桁に減り、規制緩和も進んでいた同国だが、感染拡大後は政府が屋内でのマスク着用を再び義務付けて水際対策も強化。一日当たりの新規感染者が二千人を超え、ワクチン接種を終えた高齢者が重症化する例も増えて来るに至って、昨日に同国政府が「Pfizer製ワクチンを2回接種済の60歳以上の者に対し、来月1日から3回目の接種を行う」方針を決定した由。Naftali Bennett首相は記者会見で「2回目の接種から5ヶ月以上が経過した者が対象」と発表。英国政府も「70歳以上の高齢者や医療従事者等、感染の高リスク者を対象に今年9月から3回目の接種を始める計画を公表済。
対して我が国では、加藤勝信官房長官が本日閣議後の会見で「3回目の接種の必要性に就いてはワクチンの効果がどの程度の期間、持続するのか等の情報を踏まえ、引き続き良く検討する必要が有る」と発言した程度。ワクチン担当兼任の河野太郎規制改革担当大臣にしても「X JAPANのYOSHIKI氏とtwitterの音声機能を活用して対談」する中で「何処かで3回目を打つ事になるのでは無いか」「多分、来年だと思う」等の曖昧な発言に終始したが、未だ初回接種すら受けていない国民が多い現状では仕方有るまい。
検査で陽性が確認された五輪関係者で、都が確保した宿泊療養施設に入所していたうちの2名が、昨日にPCR再検を主張して強引に外出した事が判明。彼等は「医療機関に行く為の車の手配を自ら行い」、「昨日中に宿泊療養施設に戻って来た」と東京都が公表して「重ねて説得したが、納得して貰えなかったので、止むを得ず認めた」、「通常の対応とは違うが、現場で出来る限りの事はした」「今後同じ様な例が有った場合は認めない」等と主張。
此の件に関し、大会組織委員会も「新型コロナウイルスに感染した大会関係者」が「療養していた旅舎から外出する」事案が発生したと発表。広報担当者の高谷氏が、彼らは「陽性判定に不満を持ち」、「再度検査を受ける」目的で旅舎に「患者搬送の専用車両」、即ち「ウイルスが拡散しない様に内部の気圧を低く出来る」「陰圧式の車」を呼び、「医療機関に向かう為に外出した」が「施設を抜け出した訳では無い」と説明。「自らの判断で再検査を受けて結果が変わったとしても、確定した陽性判定を覆す事は無い」が「本人には厳しく注意をした」「今は深く反省していると聞いている」と語るも、「今大会のPlaybook規定への違反行為に該当するか」の認識は示されなかった由。「競艇関係者と見られる」旨の情報が有るも二人の所属等は未公表で、五輪からの追放等の重い措置が下される様子も無い模様。
7月31日(土曜)
比律賓各地で一年以上に渡って外出制限の措置が続けられるも、今月は感染が再び拡大傾向に転じ、昨日に一日当たりの新規感染者が8562人に上ってデルタ株も検出。同国政府は昨日、特に感染が拡大している首都の馬尼剌に対して「来月6日から20日迄、外出制限を4段階のうち最も厳しいものに引き上げる」と発表。食料品を含む生活必需品を購入する場合を除いて「外出は原則禁止」、企業も「出勤する従業員を必要最低限にする」等が求められる事態に際して、大統領府は「非常に痛みの伴う決断だが、デルタ株の感染拡大を此の時点で食い止めねばならない」との声明を出した由。
東京都内に於いて新型コロナウイルス感染に因り入院している患者は、昨日時点で3135人で、都が確保している5967床に占める割合は52.5%。未だ2800余りの空床が有る事になるも、実際は「入院が必要な人でも自宅での待機を余儀無くされる」事が相次いでいるとの報道有り。患者は一人ずつ症状も異なり「病床が有れば誰でも直ぐに受け入れられる」訳では無い為に調整を擁するが、嘗て無い程に速い感染増加で其の調整が追いつかなくなって居る模様。入院調整に当たる都の担当者も「医療機関に毎朝、問い合わせている」が「新たな入院患者を受け入れる為の人員を確保出来ないとして断られる事例が有る」「何ヶ所も問い合わせて、やっと見つけている」と語り、都内の保健所でも対象者急増で自宅療養者の健康観察や入院調整等の業務が逼迫。緊急事態宣言下で都は「酒やカラオケ設備を提供する飲食店に休業」「提供しない店には20時迄の時短営業」を要請して来たが、度重なる要請に応じない店も「一定数確認されて」居る由。此の状況に対し、都は来月上旬から新宿、渋谷、新橋、上野、池袋を中心に「応じていない店を幹部職員が個別に回って、店主等に直接働き掛ける」事になったが、対象は500店舗以上在ると見込まれる由。
加利比海の島国、特立尼達和多巴哥の五輪委員会が訪日中の陸上競技代表選手2名と指導者1名が選手村で行われた検査で陽性反応を示したと発表。彼等は隔離の為に旅舎へ移され、選手名は本日に行われる予選を欠場する由。そんな報道を知ってか知らずか、不要不急の外出の自粛が呼びかけられる中でも国立競技場前に置かれた五輪の記念碑には「午前8時半時点で100人以上」が記念写真の列を為し、臨海部に設置された聖火台の付近にも見物客多し。斯様な場合にテレビの集音機が向けられると、人口過密地帯に集った者達は皆、一様に「人が多くて驚きました」が「折角の機会だから」の呪文を唱えるが、アマビエの絵姿と同じく感染防御策としての科学的根拠は乏しい。政府の無策と国民の油断、盛り上がりを欠くと言えども五輪の御祭り騒ぎも重なり、感染収束の兆しは見えぬ。
ワクチン接種から2週間以上が過ぎ、免疫が形成された筈の時期に感染が確認される、所謂「ブレイクスルー感染」に関し、国立感染症研究所が自治体や医療機関からの報告を基に初の調査を敢行。結果は6月末迄の3か月間に67人の感染が確認され、8割近くが20代から40代で重症者は無し。ウイルス遺伝子が解析可能な14例のうち、12例がアルファ株、2例がデルタ株。一部の検体からは未だ感染力を持つウイルスも検出され、国立感染症研究所は「ワクチンの有効性の高さを否定する結果ではないが、二次感染を起こす危険性も有り、接種後も感染対策を続ける事が重要」「症状等から感染が疑われる場合は積極的に検査を行う必要が有る」と発表した由。
8月2日から千葉県に緊急事態宣言が出される事を受け、Tokyo Disney Resortを運営するオリエンタルランドは「東京ディズニーランドと東京ディズニーシーに於いて午前10時から午後7時迄の営業時間短縮を来月末まで継続する」と発表。1日5000人以下の入園者数制限や園内の酒類提供休止も続けるらしく、感染再拡大の余波は夢の国にも及んでいる模様。
8月1日(日曜)
国際五輪委員会(International Olympic Committee; IOC)のThomas Bach氏が一昨日に報道各社の取材に応じて「関係者の検査件数は既に約35万回を数えたが、陽性率は僅か0.02%に過ぎない」と述べ、五輪の安全性を強調。また日本に於けるテレビでの五輪視聴率が高い事に触れて「日本人は大会の開催を非常に受け入れている」と発言。五輪開催の強行が間接的影響として現在の感染再拡大を招いているのは明白で在り、今後に選手村等の五輪関連施設で大規模集団感染が生じる可能性も否定されていない状況。バッハ氏の見解には同意出来ぬが、競技の中継や報道は当方も其れなりに観ている。
本日で東京五輪は十日目。競泳女子400米 混合継泳決勝を8位で終えた池江璃花子氏は「無事に五輪が開催出来て、また戻って来る事が出来て本当に嬉しい」と語って落涙。今大会では他にも400米継泳、新種目の男女混合400米混合継泳に出場した池江氏は「此の5年間、本当に色んな事が有って、一度は諦め掛けた東京五輪だった」が、再び「決勝の舞台で泳ぐ事が出来て、すごく幸せだと思います」と語った。今回五輪が無事に開催出来たとは個人的には全く思えないが、若い選手が試合後の興奮状態で口走った内容を責めるべきでは無かろう。白血病と診断されて治療も受けた選手が、斯様な短期間のうちに五輪競技の第一線に戻って来たのは驚異の一語に尽き、彼女の活躍に励まされた癌患者も多かったのでは無いかと思う。
白露西亜の陸上選手、Kristina Timanovskaya氏は東京五輪で100m走に出場。予選で敗退するも、更に東京五輪の女子200米走出場する予定だったが、指導者陣から相談も無く、練習した事も無い400米継走に登録された。8月5日の予選出場を強要されるに及んで、7月30日にInstagramを更新して「女子1600m(4×400m)リレーに出場予定の一部選手が十分な不正薬物使用検査を受けなかった為に日本に来る事が出来なかった」「其の為に自分が継走の走者に入れられた」と指導者陣の不手際を批判する動画を投稿。指導者や本国関係者らは投稿の削除をツィマノウスカヤ氏に要求すると共に、明日に女子200米走出場を待たずに強制帰国させようとしたが、羽田空港に着いた彼女は、搭乗予約の有った斯当歩児行きの便に乗らずに済む様に空港警察に保護を求める、との事件が発生した由。
ツィマノウスカヤ氏は「ベラルーシに戻れば身の危険があると感じた」と訴えているが、同国では「欧州最後の独裁者」と呼ばれるAlexander Lukashenko氏が2020年の大統領選挙で6選を果たしたと主張するも、不正選挙だとして未曾有の大規模抗議行動が起きた」、「抗議行動に参加した多くの者達が嫌がらせを受け、投獄された」のに対し、ツィマノウスカヤ氏もInstagramで「私達は傍観者で居られず、市民や友人、同僚、親族への暴力に我慢出来ない」「治安機関の行動は違法で受け入れられない」と批判。ルカシェンカ大統領の子息が委員長を務める国内五輪委員会は、以前から彼女を要注意選手として警戒していたとの指摘も有る。「結局の所、五輪も政治と不可分」との事実が改めて示された形だが、平穏無事に五輪を終わらせたい日本政府にとっては有り難くない展開が一つ増えたか。




