令和3年7月第4週
7月19日(月曜)
東京五輪組織委員会は「選手村の選手に新型コロナ感染者2人が出た」事を発表した後も国名や競技名を伏せていたが、母国の五輪委員会から発表が為された事で隠し切れなくなり、漸く「件の感染者は、日本が22日のグループリーグ初戦で対戦する南阿弗利加の蹴球選手」との事実を認定。
其の一方で組織委の大会開催統括、中村英正氏が「陽性者が出る事を想定して、様々な模擬実験をしている」、事態を「制御出来ている」と感染防止策が機能している旨を強調。組織委に依ると同日迄に来日した海外選手・関係者、凡そ2万2千人のうち、空港検疫を含めて23人の感染が確認されていたそうだが、本日も新たに海外関係者2人の感染が判明。WHOの定める「懸念される変異株(variant of concern; VOC)」はアルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株の4型。此等よりは危険性が低いと思われる「注目すべき変異株」(variant of interest; VOI)は昨年12月に英国で確認されたイータ株。米国の紐育 で見つかったイオタ株。印度で発見され、デルタ株と同様にL452R変異を有するのがカッパ株。秘露で最初に報告され、拙作でも再々報告して来たラムダ株に関しては、拙作の中でも再々報じて来たが、東京医科大学の 渡航者医療センター特任教授、濱田篤郎氏は「猛威を振るうデルタ株への警戒が最重要」だが「多くの変異株が流入すれば其の分、危険性が高まる」、国内で感染者の母数が増える事に因り「新たな変異が生まれ、日本を起点に拡散する懸念も捨て切れない」と指摘した由。
過去の虐め自慢で批判が集中した小山田圭吾氏が本日に自ら辞任を申し出る形で、五輪開会式に於ける作曲担当から外れる事が決定した由。紛擾続きの東京五輪に関して、英国のFinancial Timesは“Tokyo Olympics hit by rising Covid cases and scandals days before opening“(開幕前から新型コロナと醜聞の増加に襲われる東京五輪)と報道。今年2月に組織委前会長の森喜朗氏が女性蔑視発言から辞任、3月は開閉会式の演出を統括していた広告制作者の佐々木宏氏が「オリンピッグ」発言から辞任。今月は五輪関連感染者が総計55名に上り、「汚職や性差別のスキャンダル、国立競技場の当初の計画の破棄、激しい夏の暑さ命を危険に晒す恐れ等、世界的大流行を超えた東京五輪の一連の失敗に続く問題が発生」と指摘。「報道陣向け料理店の臨時雇用者だった男性が出入りしていた五輪主要会場の国立競技場内で女性に性的暴行を加えたとして逮捕された」件に就いても「大会に対する反感が更に増幅した」と言及し、「大会職員として働いていた米国人と英国人の電気技師4名がコカイン使用で逮捕された」件や烏干達選手の失踪に就いても報じた。
南阿蹴球選手感染の一件に関し、英国の Guardian紙電子版や米国のWashington Post紙が「開幕前から選手村で初の感染確認」「東京大会では多くの競技者がウイルスに依って棄権に追い込まれるかも知れない」等と報道。事実、組織委員会は陽性者の隔離期間中に於ける競技参加は認めて居らず、濃厚接触者は「競技開始6時間前のPCR検査で陰性となった場合」に出場可能だが、「試合成立のために最低13人の選手登録が必要」との国際蹴球連盟(FIFA; Fédération Internationale de Football Association)規定も有り、残る登録選手20人のうち8人以上が濃厚接触者に指定されて6時間前のPCR検査で陰性反応を示さなかった場合は、日本の不戦勝となる可能性が有る由。また「英国代表の選手6名と職員2名が、東京へ向かう機内で一般市民の発症者と接触」「隔離を余儀無くされた」件や「開催地の東京で感染者が増加し、緊急事態宣言が発令された」件に就いても触れて「ウイルスの拡散を抑えるために、日本は東京と其の周辺で開催される五輪競技から全ての観客を締め出した」にも関わらず「国民の大会への支持は未だに低調」と指摘。嘗て橋本聖子氏のsexual harassmentを報じた、国際大会を取材する通信社のinside the gamesは「尼日利亞と捷克の大会関係者も新型コロナに感染」して「ナイジェリアの60代の大会関係者は、年齢と持病を考慮して入院中」とも報道。
蔡英文/Tsai Ing-wen政権に35歳の若さ、且つ性別越境者としては世界初の入閣。台湾のIT政策に貢献し、コロナ禍に於いても限られたマスクを均一に流通させる制度を開発。「天才IT大臣」として世界に注目された台湾のデジタル担当大臣、唐鳳/Audrey Tang氏は今月23日の五輪開会式に出席する予定だったが、昨日にTwitterへ「東京オリンピックの防疫対策に協力する」為に「私は総統および行政院長と話し合った結果、日本への訪問をキャンセルする」が「選手達を応援する気持ち」「オリンピックをサポートすること」「日本への感謝の心」は変わらず、「パンデミックの脅威の下で、数々の困難を乗り越え、世界に貢献して」来た日本国民に対して「このような共通の経験は、相互協力の重要性を改めて気付かせる」。「また日本を訪問し、台湾と日本の交流に貢献したい」と全て日本語で語りかけた由。斯様な逸材が我が国でも活躍して欲しいと願う反面、未だに「地盤」「看板」「鞄」。即ち組織化された支持と知名度、潤沢な資金が物を言い、「三バン」を兼ね備えた二世議員が幅を利かす日本政界では「SEXY担当大臣の小泉新次郎氏」程度しか生まれ得ぬ現状を改めて痛感せざるを得ない。
7月20日(火曜)
東京都内の感染状況に就いて、東京iCDC専門家委員会の座長を務める東北医科薬科大学の特任教授、賀来満夫氏は「緊急事態宣言が出ているのに人出が十分に減少していない」「マスク着用等の対策が十分では無い」「デルタ株が広がっている」「四連休、夏休み、東京五輪が始まり、人の動きが活発になる」と四つの問題を指摘。第三波での経験から「都内での入院患者数は2600人を超えると医療の逼迫が起きる」と推定されるが、既に2300人に達して「今、東京都は此れ迄で最大の危機を迎えている」。「1日の感染者数が3000人を超え」て「全国に波及する」可能性も有り、バブル方式で行われる大会自体から「外に感染拡大する可能性は其れ程、高くは無い」筈だが、「五輪を迎えて気分が高揚」「運動酒場や路上でマスクを外して酒を飲んで大声で応援」「知らない人も集まって応援」等の連鎖から感染が広がる事が懸念される旨の指摘有り。
国内経済に関しては「巣篭り需要で計数家電国内出荷好調、上半期3年ぶり増加」「6月のコンビニ売上が4ヶ月連続増もコロナ前水準に回復せず」「盆休みの新幹線予約は去年より微増も感染拡大前の2割余り」。世界経済に関しては「“Zoom”運営会社が米企業を1兆6000億円余で買収」「感染拡大で東南亜細亜の経済成長率下方修正」「世界的感染拡大の懸念からNYダウ平均株価が一時940ドル余の急落」「感染再拡大の懸念から欧州各地の株式市場で大幅値下がり」と一部以外は不調が続く状況下で、改めて感染制御が急務となるも、我が国では首都圏住民の相当数がワクチン接種に消極的との報告有り。
国際医療福祉大学の公衆衛生学教授、和田耕治氏達が今月13日からの三日間に於いて埼玉、千葉、東京、神奈川の一都三県に住む医療従事者ではない二十代から60代の男女3129人から電網上で得た回答を集計。「出来るだけ早く接種したい」若しくは「既に一回以上接種した」の回答は57.3%。世代別や男女別では六十代が最高で男性が84.4%、女性が74.0%だったが、世代が下がるにつれて減少し、二十代では男性45.9%、女性39.7%。逆に「もう少し様子を見たい」との回答は若年層で高く、男性は二十代が27.0%、三十代が26.2%で、女性は二十代38.7%、三十代39.0%だった。
「様子を見たい」若しくは「接種したいと思わない、したくない」と回答した者は副反応の心配を理由に挙げる事が多く、女性は二十代から六十代の各世代で7割を超えた。其の一方で「(連絡を取れる)知り合いが接種を済ませた」と回答した者に限ると、64.0%が「早く接種したい」「一回以上、接種した」と回答。接種済みの知り合いが居ない場合の35.8%を大幅に上回った。和田教授は「接種について日常の会話で話題にし、接種を迷っている人が居たら体験談を伝える等して欲しい」「様子見と思っている人をどれだけ接種に繋げられるかが、今後の接種拡大の鍵を握る」との見方を示した由。
五輪関連では「7人制闘球南阿弗利加代表、10人が濃厚接触者に」「陸上自衛隊の五輪パラ支援部隊の隊員が新型コロナ感染初確認」「選手村で捷克選手1人感染確認」「南阿の濃厚接触者18人に」「聖火中継、東京の運営職員1人の感染を確認」等の報道が相次ぐも、東京都には詳細な情報が齎されず、都に寄せられる医療機関からの情報と組織委員会からの限定された発表内容と照らし合わせて「毎日発表する感染者の中に大会関係者が含まれているか否か」を推測する状況が続いていた。組織委との交渉を経て、漸く本日から五輪関係の感染者に関する情報共有が可能となった模様。今後は「感染が確認された者の氏名や国籍、選手か関係者か」等の情報が、組織委から都へ提供されるそうだが、此の程度の連携が大会直前まで実現させられない惨状に驚く暇も無く、本日に都内でIOC総会。
凡そ90名の出席者を前にThomas Bach会長は「世界最高の選手たちにとって、五輪と云う夢が遂に実現する」「彼らの世界を輝かせる舞台は整った」「そして日本にとっても輝く時だ」と発言。総会後に組織委会長の橋本聖子氏は「此処に来て、支持率がまた少し落ちてしまっているという思いは有る」と述べたそうだが、当方に見えるのは悪夢。聞こえるのは五輪に対する怨嗟の声で、自分と両氏が同じ世界に存在しているのか如何かも分からなくなりそうだ。
感染対策の為に医学生が現場で実習を受けるのが難しい状況を考慮し、東京は文京区の順天堂大学がIT企業の株式会社JOLLY GOODと連携。「医師がCOVID-19の患者に見立てた模擬患者の採血を行う」「看護師が防護服を着脱する」等の治療手順を全方位を捉える事が可能な撮影機で記録し、保護眼鏡を着用した学生は仮想現実の中で「患者や医療機器の位置などを確認しながら、診察や処置などの動作や手順を学ぶ」事が出来る由。担当の主任教授、内藤俊夫氏は「教科書や通常の動画では学べない感染症の現場特有の緊張感を体験できる」「今後は飛行機等の検疫の様子を再現する教材も作りたい」と語ったそうだが、今後も世界規模で感染が収束と再拡大を繰り返すとすれば、寧ろ数年後の臨床現場に於ける即戦力育成に直結するかも知れぬ。
7月21日(水曜)
先週16日の項で「烏干達の五輪代表で重量挙げのJulius Sekitoleko選手が大阪の泉佐野市の合宿先から姿を消した」件に就いて記したが、其の後は宿泊先に「ウガンダの生活が苦しい」「日本で仕事をしたい」等の書き置きが遺されていた、名古屋駅で新幹線を降り改札を出る姿が防犯カメラの映像に映っていた等の続報有り。失踪から四日が経過した昨日15時17分頃、三重県四日市市内でセチトレコ氏が警察官に発見され、無事に保護。名古屋駅で下車した後の足取りに就いては「岐阜県に住む知人の所へ行き、更に其の知人が三重県四日市市に住む知人の所に連れて行った」との事。記者会見した泉佐野市市長の千代松大耕氏に依ると、東京都内の警察署で市職員が保護された人物をセチトレコ氏と確認。今朝の時点でも氏は日本に残る事を望んでいたが、選手団代表との面会等を経て帰国に同意。本日深夜、成田空港から帰国の途に就いた由。先ずは無事に発見されて良かったし、亡命先は良く吟味された方が氏の為かも知れない。
明後日に行われる予定の五輪開会式は、東京都に緊急事態宣言が発令されて無観客となり、出席者も数百人規模に減らす方向で調整。経済団体や出資者企業の間で出席を見送る動きも見られる状況を考慮し、大会組織委員会の名誉最高顧問を務める前総理大臣、自民党の安倍晋三氏も開会式への出席を見送る事になった由。現役総理だった8年前に国際五輪委員会の総会で演説する等と大会の招致に当たり、去年3月にはCOVID感染状況を踏まえ、大会の1年延期を提案した安倍氏には、総理辞任後の昨年11月に「五輪の普及や発展に貢献した」功績を讃えてIOCから五輪勲章の金章が授与されるも、開催国の元首には漏れ無く贈られるもので、2013年に中国の習近平/Xí Jìnpíng氏、2018年に韓国の文在寅氏も授章済。
昨日のIOC総会にてバッハ会長は、東京五輪に就いて「延期を決めてから15ヶ月間、非常に不確実な理由で日々の決定を下さなければならなかった」「私も未来がどうなるか分からなかった」、周囲には「どんな犠牲を払っても前進すると解釈もされた」が、若し発言すれば「我々の疑念は其の通りになっていたかも知れない」。即ち「五輪はバラバラになっていた可能性が有り」、「だからこそ、我々の胸の内に疑念を留めなければならなかった」等と語った。しかし、実際は4月に「緊急事態宣言と東京五輪は関係ない」、5月に「大会が可能になるのは日本人の特異的な粘り強さと云う精神、逆境に耐え抜く能力を持っているから」、今月に菅義偉首相との会談で「感染状況が改善したら観客を入れる事も考えて欲しい」等の発言を振り返ると、やはり強行開催派の筆頭と云うべき存在としか思えぬ。今日のIOC総会では再び「中止が選択肢に入った事は無かった」と述べたそうだが、昨日の発言は、ふと漏れ出た本音か。或いは五輪が世界的大流行の遷延、悪化を招いた場合にも責任を回避できる様に、責任逃れの一手を打ったのか。
本日に我が国の総理大臣たる菅義偉氏は、五輪に関して「国民の皆さんには自宅でテレビ等で声援を送って頂きたい」「テレワーク、交通量の抑制にも協力を頂きたい」と呼び掛け、無観客と云えども「大会を実現する事が矢張り大事」と語る反面、来月24日に開会式を迎えるパラリンピックに就いては「感染状況が変われば対応を考える」と述べて観客を入れた形での開催に意欲を示した由。
競泳女子の日本代表、女子400米中継と混成中継に出場予定の池江璃花子氏が、闘病で一度は諦めた出場権を掴む迄の道程を振り返って「五輪に出る事が、きっと決まっていたんだろうなって思う」、「与えられた使命と云うか、自分が此の東京五輪に出る事は必然だったかも知れない」等と取材で語った。今回の発言に対しては支持ばかりでは無く「この1年でたくさんの人が死んだり、たくさんの人が苦しんだ」が「それを自分が五輪に出るための運命だったなんて言える神経が凄い」、「五輪が延長されたのは、コロナで苦しんでいる人があったから」で「あなたの為では決してない」等の批判も浴びた由。何事も前向きなのが一番、とも限らぬ様だ。
7月22日(木曜)
著名な “Nazi hunter”の名を冠し、米国羅府に本部を置く猶太系団体。「大量虐殺の記録保存や反ユダヤ主義の監視を行う」として、日本に対しても「1995年にホロコーストを否認する記事を掲載したと抗議し、文芸春秋社はマルコポーロ誌を廃刊」「1999年にユダヤ陰謀論の記事が掲載されたとして抗議し、日本の大手企業に週刊ポスト誌への広告費を支払わない様に要求」「2016年に欅坂46、現櫻坂46がナチス制服に酷似の衣装を着用したとして、製作者の秋元康氏や音楽記録媒体会社に謝罪を求める」等の干渉を繰り返して来たSimon Wiesenthal Center。略称SWCが、昨日に“SWC Condemns Anti-Semitic Remarks by Director of Opening Ceremony of Tokyo Olympics”と題した「Japanese media の報じる所に拠ると、 1998年にKobayashi は、Nazisに依るthe mass murder of six million Jewsを 彼のcomedy actの脚本として用いた」「彼のactに於いて、彼は “Let’s play Holocaust.” の台詞を含む、malicious(悪意の有る) 且つ anti-Semitic(反ユダヤ主義的) な冗句を発した」等の声明を発表。
SWCから外圧が掛かり、五輪の開会式と閉会式で演出を務める小林賢太郎氏が糾弾された状況に慌てた大会組織委員会は、本日に小林氏を解任。組織委員会の橋本会長は「今朝、情報が入るまで過去の発言は知らなかったが、外交上の問題もあり早急に対応するため解任することになった」と語り、佐々木、小山田、のぶみ三氏の様に「本人に言い含めて辞任の形を取る」形を装う余裕も無かった模様。組織委の武藤事務総長は「場面毎の担当者は其々(それぞれ)に居て、其等を統一的な一貫性の有るものにするのが小林氏の役割だった」。橋本氏は明日に迫った開会式の演出に関して「全体を早急に見直している」と語った。
菅総理大臣が「言語道断で、全く受け入れる事は出来ない」、小池都知事が「とても驚いた」「今回の件は五輪憲章にも、また憲章で謳われる人権を尊重すると云う都の条例にも反するもの」で「組織委員会の判断は適切」。駐日以色列大使の Yaffa Ben-Ari氏も「大会組織委員会に対し、小林氏の非常に不快な行為を強く非難した」、解任に就いては「素早い対応を評価する」とtwitterに投稿。福島県白河市のアウシュヴィッツ平和博物館館長なる人物が「二十何年前の若かりし頃の過ちと言えども、根本的には許される事では無い」と非難する等、国内でもラーメンズ時代に於ける小林氏の活動も発言の文脈も知らぬ者達からの批判が轟く中で、氏が組織委員会を通じて声明を発表。
小林氏は「ご指摘のとおり、1998年に発売された若手芸人を紹介するビデオソフトの中で、私が書いたコントのセリフに極めて不謹慎な表現が含まれていました」「思うように人を笑わせられなくて、浅はかに人の気を引こうとしていたころだと思います」「その後、自分でもよくないと思い、考えを改め、人を傷つけない笑いを目指すようになっていきました」と釈明。其の上で「人を楽しませる仕事の自分が人に不快な思いをさせることは、あってはならないことです」「当時の自分の愚かなことば選びが間違いだったということを理解し、反省しています」「不快に思われた方々におわびを申し上げます」と謝罪した事で、事態は収束に向かいつつ在る模様。
しかし、寸劇に使われた実際の台詞は「ユダヤ人大量惨殺ごっこをやろうって言った時のな」で、悪意も反ユダヤ主義も感じられない。此れを“Let’s play Holocaust.”なる不適切発言と断定し、一方的に世界に発信したSWCの行為に関しては、「2ちゃんねる」開設者で通称「ひろゆき」の西村博之氏が「誤訳ではないか」とTwitterで指摘する等の批判有り。西村氏はSWC公式Twitterに対しても、英語で「正しく翻訳する必要があります」「デマゴーグはホロコーストで大きな役割を果たします」「あなたはそれを知っているはず」と呼び掛けたそうだが、SWCが反応した。
SWC側の問題とは別に、「小林氏の古い発言をSWCに通報した日本人」が存在した事も判明。しかも其の人物は自民党衆議院議員にして防衛副大臣を務める、中山泰秀氏で在る模様。時系列を追うと、本日午前1時過ぎに「Twitter上で一般人が中山氏に小林氏の問題発言の報告」。2時過ぎに中山氏が「早速サイモンウィーゼンタールセンターと連絡を取り合い、お話をしました」と投稿。3時過ぎに「同団体から得たというコメントを掲載」となるが、組織委の橋本会長は会見で「中山氏からの指摘か」と問われると「違います」と否定しつつ「情報の共有を図っていかなければいけない問題だったと思う」と述べて居り、中山氏が「五輪運営の最前線である組織委より前に、海外の人権団体に直接報告」していた事が明らかとなった。
此の所業に対しては「なぜ中山氏は防衛副大臣という国の要職にありながら、国を飛び越えてサイモン・ウィーゼンタール・センターに真っ先に報告したのか」、「与党の副大臣が海外の団体に通報ってどういう事だろ」、「日本政府高官としての振る舞いですか」「政府すっ飛ばして進めるって大丈夫なんでしょうか」、「こんなのが防衛副大臣とか怖すぎ」等の批判が殺到した。今年5月にも、中山氏は日本政府が中立の立場を取った以色列と巴勒斯旦の攻撃の応酬に関し、Twitter上に「私達の心はイスラエルと共にあります」等と記した内容を投稿し、物議を醸した前科有り。猶太資本に支えられたSWCに迎合して小林氏を全否定する前に、菅氏は一国の宰相として中山氏を罷免すべきだろう。
7月23日(金曜)
昨日に塁球は日本が豪州に勝ち、蹴球女子は加奈陀に引き分け。昨日に蹴球の男子1次リーグが始まって南阿弗利加との初戦に日本が勝ち、塁球は墨西哥戦にも勝利と一部競技の開始が先行したものの、本日午前に東京都新宿区の都庁前広場に到着。都内最終走者として歌舞伎俳優の中村勘九郎氏が登場。「日本人として五輪に初めて出場した持久走選手の金栗四三役」を演じた際と同じく丸刈り頭に「足袋シューズ」を着用した氏が会場を走り、聖火皿に点火する姿に、一昨年にNHK大河劇「いだてん」を観ていた層は感涙に咽んだそうだが。東京五輪を盛り上げたい意図が露骨な上に、古今亭志ん生役を演じたビートたけし氏が当時の噺家には有り得ぬ金髪でフガフガ喋る為体に嫌気が差し、早々に観るのを止めた当方にはピンと来なかった。
開会式が始まると、聖火は国立競技場内を嘗ての五輪金牌獲得者たる吉田沙保里と野村忠宏の両氏、日本職業的野球界の英雄にして森喜朗氏と親しい王貞治氏、長嶋茂雄氏、歩行の危うい長嶋氏を支える松井秀喜氏に渡った。更に本業以外の労働にも駆り出された医療従事者、一般の子供達からを経て、女子庭球の大坂なおみ氏が聖火台に点火。赤い髪を細かく編み込んだ髪型の大坂氏が最終走者の適任者だったか如何かに関し、国内では相応の異論が渦巻いたものの、本人が全米と全豪を二度ずつ制してWTA1位にも輝いた強豪として世界中に知られている事。更に「海地出身で米国人の父と日本人の母を持つ」「Black Lives Matter運動に参加し、大会出場時も黒人死者の名前を入れたマスクを着用」「今に至るも鬱病か抑鬱状態かは不明だが、depressionの告白」等の要素を併せ持つ氏の起用は「海外に男女平等や多様性尊重の姿勢を喧伝するのには絶好の人選」と言われれば納得。
1896年の近代五輪第1回大会は、希臘国王Geórgios一世に依る「我は雅典で開催する最初の国際五輪大会の開会を宣言する」「国よ、永遠なれ、ギリシャの人々よ、永遠なれ」の発声から始まった。1921年から国家元首が五輪の開会宣言を担当する旨が五輪憲章に定められ、開会宣言の文言が英語と仏語で記された。1958年には五輪憲章を改定し、国家元首を招待するのは大会組織委の会長ではなく、IOC会長となった。本日の式でも「天皇陛下の開会宣言」は行われたが「その隣に雅子さまのお姿はなかった」事に加えて「私は此処に、第32回近代オリンピアードを記念する、東京大会の開会を宣言します」の表現が話題となった。「オリンピアードを記念する」の部分は1964年の東京五輪では「オリンピアードを祝い」とされており、日本オリンピック委員会(JOC)が公開している「五輪憲章2020年版・英和対訳」でも同様だが、其の冒頭で「英文が原本となります」「本憲章の英文と和文に差異がある場合には、英文が優先されます」との注釈が有り、今回の宣言でも「同時に発表した英文では憲章を一字一句変えておらず、ここで憲章の規程を守った」との事。原文の“celebrating”が「記念する」と訳された件に関してJOCは「論評出来ない」と沈黙したが、宮内庁長官の「拝察」発言と併せて「象徴天皇としての国際儀礼を果たしつつ、国内への配慮を見せたもの」と推察する声有り。
小山田氏の曲が使えなくなって開会式は鳴物停止、葬式も同然の惨状を呈するかと思いきや、各国選手団が無観客の会場を入場行進するに際しては「現代の日本文化を表現するもの」としてドラゴンクエストから「序曲 : ロトのテーマ」、 ファイナルファンタジーから「勝利のファンファーレ」等。遊戯音楽の管弦楽演奏が行進曲を用いる事で、何とか面目を施した。また元総務大臣で実業家の竹中平蔵氏が「経済3団体のトップが五輪開会式に出ないのは納得できない」「経済界を代表して、世界に歓迎の意を表するべきだ」「騒がしいネット世論を気にした日和見主義ではないか」等の怒りをTwitterに投稿するも、氏が取締役会長を務めるパソナグループの経営幹部や東京五輪組織委員会の名誉最高顧問にして前首相の安倍晋三氏の不参加と云う事実も有り、即座に反論された模様。開会式に併せて都内では複数の市民団体が大会中止を求める街頭活動を行い、JR原宿駅から国立競技場周辺に至る1.5キロを行進。「五輪より命」「五輪中止まだ間に合います」等と書かれた横断幕や看板を掲げつつ感染対策を優先すべきだと訴えたそうだが、兎にも角にも五輪は始まり、二百を超える国や地域と難民選手団の1万1000人余に依って 33競技339種目の熱戦が繰り広げられる予定。
7月24日(土曜)
1918年に発刊され、現在は英文ONLINE版も発行されている以色列の新聞。Haaretz紙が、小林賢太郎氏の解任に関して“An Old Holocaust Joke Is No Reason to Fire the Opening Ceremony Director”、即ち「古いホロコースト・ジョークは、開会式ディレクターを解任する理由にはならない」と題した記事を掲載。
筆者のCarolina Landsmann氏は歴史修正主義者でもneo-Nazi活動家でも無く、イスラエルに住む一介の猶太人記者だが「彼らが冗談を言った日本人男性を、怒らせたユダヤ人の名の下に解雇する時」には「ユダヤ人だけが彼の弁護を許される」、「 彼を擁護する他の全ての人も同じ様に告発される」し「擁護した彼らは非難され、解雇される危険が有る」状況を見抜いた模様。其れ故に「まともなユダヤ人は、日本から遠く離れた場所で聞こえる叫び声を上げなければならない」と考えて、記事を書く事で実行。「私達は傷ついていない」「1998年に言われた冗談は気にしない」と語り、橋本会長に「小林を連れ戻して屋上から降りよう」と呼び掛けた由。またLandsmann氏は、行き過ぎた“cancel cuture”への懸念に関しても言及。此の問題が「日本だけの狂気では無い事は明らか」で在り、「cancel cutureが報道に与える影響」を鑑みるに「此の狂気はコロナウイルスも羨む速度で世界中に広がっている」と語った。
小林氏解任は不当でcancel cutureこそが問題と考えるのはLandsmann氏の独自見解では無く、米国のNBC newsが解任の一件を報じた際も、公式YouTubeの声明欄やtwitterには「20年前に言った事を文脈から外して解雇するなんて、此の世界は奇怪しい」、「刑事事件にも時効が有ると云うのに、此のcancel cutureは何とも馬鹿げている」、「20年前の事で解雇するのは行き過ぎたキャンセル・カルチャーでしかない」、「1998年の喜劇で解雇?」「今は1999年なのか?」、「此れ系の冗句を言った事が有る人全員が今日解雇された場合、世界の失業率は98%になるね」等の見解が溢れた。当方の私見に最も近かった投稿は「ホロコーストを扱った事は確かに駄目だが、過去の軽い冗談が今の仕事から降ろされる理由になる筈が無い」と云う辺り。日本国内ではSWCの一方的主張に屈し、或いは無批判に受け入れて同胞を罵倒する者が多い事に口惜しい想いをして来たが、猶太人や欧米人にも正義を解する者が居た事に救われた。
コロナ禍での五輪開催には一貫して反対して来た自分だが、負わされる危険性や費用は賛成派と同様。正しく批判する為の材料を得る必要も有るので、テレビの前で暇が有れば五輪を観る事にする。開会式で言えば、50種類の競技を示すPictogramを無言劇で演じる様が、仮装大賞の様で面白かった。倫敦五輪の三段跳び金牌獲得者にして哈薩克斯坦選手団の女性旗手、民族衣装を纏ったOlga Rypakova 氏の姿に「まるで幻想世界の御姫様の様だ」と瞠目。我ながら平々凡々たる感想で、少々気恥ずかしい。
7月25日(日曜)
本日は全国で5020人、東京都内で1763人の新規感染を確認。先週日曜に比してより755人多くなり、日曜日としては最多。1000人超は6日連続。神奈川県内でも531人の感染が確認され、5日連続で500人を超える等、首都圏全体で感染の再拡大が進んでいる模様。IT関連企業のAgoopが集めた携帯電話の位置情報を解析した所に依ると「四回目の緊急事態宣言発令後の東京に於ける昨日の人出」を「三回目の宣言期間中だった4月25日から先月20日迄の土日祝日の平均」と比較した場合、渋谷スクランブル交差点付近では日中は48%、夜間は62%の増加。東京駅付近でも日中は7%増加、夜間は18%増加していた由。また1週間前との比較では、渋谷スクランブル交差点付近では日中が1%の減少、夜間は11%の増加。東京駅付近では日中は13%の減少、夜間は7%の増加となり、「何れも五輪開催後に夜間の人流増加を認める」との結果。
本日午後に小池都知事が総理大臣公邸を訪れ、凡そ1時間に渡って菅総理大臣と会談。犬猿の仲と報じられる二人が此の重大事態に対面して、余程重要な話をしたのかと思えば、事後の記者会見で小池氏が述べた限りでは「より実効性の高い対策の展開が必要」なので「感染の拡大を防ぎながら社会生活を取り戻す方向性で様々(さまざま)工夫しながら進めて行こう」と「情報交換と意見交換をした」と毒にも薬にもならぬ発言しか出なかった由。
始まったばかりの五輪に於いては、西班牙の五輪委員会が本日に「Jon Rahm選手が東京大会を欠場する」と発表。世界1位にして先月の全米選手権で初優勝を果たし、今大会でも優勝候補の一角と目されていたラーム氏だったが、来日後のPCR検査で陽性反応を示して今大会から去る事になり、世界6位のBryson DeChambeau選手に関しても「米国を離れる前の検査で陽性が確認された」との発表有り。組織委発表に依ると、本日には「阿蘭陀(オランダ」の競艇男子選手」や「独逸の自転車男子選手」を含む国内外の五輪関係者10人が新たに感染。組織委員会が発表を始めた今月1日から25日までの感染者の累計は132人に達したそうだが、此の程度で済むとも思えぬ。




