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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和3年7月第3週

7月12日(月曜)

 電網上に「#プラグを抜こう」との投稿が出回るのと時を同じくして「保管用冷蔵庫のプラグが抜けている」状況が相次ぎ、大阪(おおさか)寝屋川(ねやがわ)市で510回分、兵庫(ひょうご)神戸(こうべ)市で215回分のワクチンが廃棄を余儀(よぎ)()くされた由。呼び掛けに応じた者の犯行か否かは不明だが、本件の法的問題に関するテレビ局の取材に弁護士の菊地(きくち)幸夫(ゆきお)氏が答えて(いわ)く「実際に抜くと」、低温保管を中断してワクチンを使用不能に陥らせる行為は「器物(きぶつ)損壊(そんかい)罪(財)となります」。そして「ワクチン接種業務に混乱を来す」様に「こっそり抜いて妨害した」場合は「偽計(ぎけい)業務(ぎょうむ)妨害(ぼうがい)(ざい)となる可能性が有ります」。「()っちゃおうか、如何しようか」と考えている者を、SNSを用いて「()()う事を(みんな)で遣ろう」と扇動した場合も幇助(ほうじょ)に該当し、retweetだけでも「共犯に問われる可能性が有りますから気を付けて下さい」「本当はそういうつもりじゃなかった、って云うのは(あま)り弁解としては有効では無いですね」との事。

 東京都で4度目の緊急事態宣言が発令され、大会組織委員会は首都圏1都3県に加えて札幌市と福島市も無観客開催と決定。大会組織委員会事務総長の武藤(むとう)敏郎(としろう)事務総長が「多くの主要(キー)顧客(クライアント)が来場出来なくなる」と発言し、トヨタ自動車は会場周辺で予定していた行事(イベント)や展示を全て中止する旨を発表。取引先などを接待する“hospitality program”も実施しないとの動きに、NECや「ブリヂストン、富士通も同調したが、批判を恐れて取引先の接待や自社製品の宣伝を止めれば「()(まで)に多額を投じて来た経済的支援も水の泡」との声有り。

 (ほとん)どの会場で無観客となる東京五輪を尻目に、英国では6万人を超える支持者(サポーター)が蹴球の欧州選手権決勝、英蘭土(イングランド)伊太利(イタリア)戦を観戦。入場にはワクチン接種等の条件を満たす事が要求される一方、マスク着用の義務は課されず、観客の一人は「一生に一度の事だから、此の後、十日間隔離になっても構わない」と語り、各地で公共(パブリック)観覧(ビューイング)も実施。イングランド代表がPK戦で敗れた後も多くの市民が街に繰り出して選手を(たた)えたが、英国政府は今回の試合を「大規模行事の再開に向けた実験」と位置付け、以降は更に大幅な外出制限の緩和に踏み切る方針との事。ワクチン接種の進んだ他国の事はさて置き、4度目の緊急事態宣言に突入した東京から「18日投開票の兵庫県知事選で自民(じみん)(とう)の推薦候補を応援する」名目で神戸へ出向き、街頭演説を行った西村(にしむら)康稔(やすとし)経済再生担当相と丸川(まるかわ)珠代(たまよ)五輪相の行動に疑問と批判が集中。そもそも二氏の演説が応援の役に立つのだろうか、と素朴な疑問も湧く。

 7月7日時点で、1回目のワクチン接種を終えた米国人は1億8354万2871人で、人口の55.3%に相当。2回目を終えた者は1億5862万9431人で47.8%。日本より遥かに高い数値とは言え、世界的には28位に留まっており、Washington Post紙上の囲記事(コラム)でMax Boot氏を「米国の天才達が(いち)(はや)く、安全度が高く効力の有るワクチンを製造しているにも関わらず、接種率が此の程度なのは何故だ」と嘆かせた由。同紙とABCテレビの合同世論調査に依ると「ワクチン接種を済ませた」と答えた民主党支持者が86%だったのに対して共和党支持者は45%で、「ワクチンは接種しない」と答えた共和党支持者は55%も存在。

 州別に見てみると、ワクチン接種率の少ないMississippi、Alabama、Arkansas、Louisiana、Wyomingの5州は、すべて2020年の大統領選でDonald Trump氏が勝った州で、医療関連頭脳集団(シンクタンク)のKaiser Family財団が7月6日に公表した調査結果でも同様の傾向が判明。同財団によれば、全米2415郡でのワクチン接種状況で次のような傾向が判明。ワクチンを積極的に受ける州は民主党支持のblue states、消極的な州は共和党支持のred states と色分けされている由。前大統領のトランプ氏が「COVID軽視、ワクチン接種に消極的」な態度を示し続けた結果、「トランプ支持派、反バイデン派が其の儘、反ワクチン派に移行した」と思われる側面が有るも、ワクチン否定論者のトランプ氏や一族は可成(かな)り早期にワクチン接種済との皮肉な事実も判明している。

 ワクチン接種の賛否に関しては、上述の如き党派的要因に加えて、1932年から72年の40年間に渡ってアラバマ州で梅毒(ばいどく)に感染した黒人男性を集めて未治療のまま経過観察し続けた、悪名高き「Tuskegee梅毒実験」の記憶から、現在も黒人の間では国が主導する医療行為に対する不信感が根強く残っている。南部や中西部の非人口密集地に住む低学歴の住民には電算機(コンピューター)や携帯電話の所有者が少なく、手元のラジオを介して地元局の保守派解説者(コメンテイター)が語る無責任なワクチン危険説を聞かされる上に、接種会場に行く交通手段も時間的余裕も無い。若者の間には「世界的大流行(パンデミック)疲れ」と共に「自分に限っては感染しない」との思い込みが有り、また母乳育児や布の襁褓(むつき)(こだわ)って“Crunch Mom”と呼ばれる(たぐい)の母親が「ワクチン接種が母体に悪影響を与え、副作用を及ぼす」との思い込みを持ち、接種を拒否している等の要因が想定されているそうだが、我が国にも共通する問題は多いと感じた。


7月13日(火曜)

 昨日に加奈陀(カナダ)政府が「会場に観客を入れないと云う最近の決定を受け、Justin Trudeau首相は五輪に出席しない」と発表し、今月23日の開会式に欠席する意向を示した。米国のJoe Biden大統領も開会式の欠席を表明しているが、夫人の Jill Biden氏は代表団の1人として出席する予定との事。本日に東京は晴海(はるみ)選手(せんしゅ)(むら)にて各国選手団の受入(うけいれ)準備が完了するも、緊急事態宣言発令や各地で会場の大半が無観客となる状況を踏まえ、式典無しの静かな開村となった。其の中で例外的に観客での開催を表明している宮城(みやぎ)県と静岡(しずおか)県に、非難の声が集中。

 男女蹴球(サッカー)10試合を行う宮城球場(スタジアム)を抱える利府(りふ)町役場からは「電話は朝から鳴り止まない状況で、休日も守衛の方に抗議の電話が来ていました」「大会中止を求める御意見も合わせ、mailを含めると此れ迄に200件を超えています」「御意見の中身は『無観客開催を要望すべきだ』と云うものが殆どです」と担当者談。スタジアムの収容人数4万9000人を観客数は「50%以下で上限1万人」の規定に基づいて1試合1万人に制限しても、10試合で約10万人が利府町を訪れる計算になるが、県を跨いで移動して来る観客も含まれるものと考えるのが妥当だろう。自転車競技の行われる伊豆(いず)市の伊豆MTB走路(コース)と伊豆Velodrome)は、何れも山中に所在。入場券を所有する者も修善寺駅か伊東駅から、或いは自家用車を指定の駐車場に止めてから往復便(シャトル)乗合自動車(バス)に搭乗して会場に向かう事と定められた。入場券を持たぬ者は交通規制で止められ、興味本位で会場周辺に行く事は難しいが、それでも市に苦情の電話が数件掛かって来た由。

 現場の苦労を知ってか知らずか、僅か3日間のみの隔離を終えて昨日から活動を再開した国際五輪委員会(International Olympic Committee; IOC)のThomas Bach会長が、本日に東京五輪・パラリンピック組織委員会を表敬訪問。出迎えた会長の橋本(はしもと)聖子(せいこ)氏や事務総長の武藤敏郎氏を前に"For everybody – for the athletes, for all the delegations, and most importantly also for the Chinese people … Japanese people."と発言。「日本人の安全が最重要」と訴える所を「中国人の」と間違えた事が早速(さっそく)、世界中に報道された上に、今回は「五輪史上最も準備が整った大会」と負けず劣らずの妄言も飛び出した。最早(もはや)苦笑するしか無い。

 丸川珠代五輪相が本日閣議後に会見。東京五輪のスタッフとして来日した米国や英国の4人が「港区六本木のバーで飲酒した後、1名が近隣の住居に侵入」「現場に急行した警察官が薬物検査を行い、コカイン使用を疑われた」麻薬(まやく)取締(とりしまり)(ほう)容疑で逮捕されるも、全員容疑を否認している」件に関して「法令に反する行為を行った事が事実だとすると、在ってはならない」「東京大会を傷つけるもので大変遺憾」、4人の容疑者は「いずれも14日の完全隔離の後で仕事をしている」が「不要不急の夜間の外出は許されない」と至極(しごく)当然(とうぜん)の事を述べた由。


7月14日(水曜)

 東京都では本日に新規感染者が1149人となり、2ヶ月振りの千人超。第3波では千人超が1月28日迄続いた後、2月下旬には感染者数が100人台~300人台まで下がり、3月に感染者数は増加に転じるも、再び千人の大台を超えた超えたのは4月29日で、千人超えの再出現に約3ヶ月の間隔有り。しかし第4波では、5月13日の1010人を最後に千人を下回る日が続いた後、6月21日の緊急事態宣言解除より以前から既に反動(リバウンド)の兆候は見え始めており、二ヶ月程度で大台を超えたのも(むべ)なるかな。感染者数が急増したのはデルタ株の流行に加え、繁華街での人出が一因と見られるが、今回は緊急事態宣言発令後も休業要請を守らぬ居酒屋が相次いでいる模様。

 酒類の提供停止に応じない飲食店に対して「金融機関からも働き掛けをして貰う」事を要請するとの政府方針を経済再生担当大臣の西村氏が発表するも諸方面から批判され、早々に政府が撤回した経緯に関しては7月9日の項に記したが、此の件に関して野党側が本日の国会で金融(きんゆう)(ちょう)へ「事前にどの様な検討を行ったのか」と確認した所、同庁の総合政策局審議官から「一般的な感染症対策を呼び掛けて頂くと云う趣旨」で「特定の飲食店への融資に影響を来す様な趣旨では無い」との認識を「新型コロナウイルス感染症対策推進室と共有して」居り、「従って優越的地位の乱用に当たらないものと考えていた所で御座います」と如何(いか)にも役人らしい勿体(もったい)ぶった言い回しで回答。

 翻訳すると「働き掛けの要請に就いて金融庁は事前に了承していた」事になるようだが、内閣法制局は「事前の相談はなかった」と主張。西村担当大臣は「今回の事は反省しなければいけないと思っている」、「法的な観点からどういった事が出来るのか」「法制局とも良く相談して進めて行きたい」と言いつつ、新たに「酒類の提供停止に応じない飲食店の広告の扱い」に関して報道機関に「何らかの対応を促す」事を検討すると発言。「報道の自由や表現の自由に介入すると云う事では無い」「何か出来ないか検討する」と注釈を加えるも、新たな火種にならぬか心配。国政、特に緊急時の対応は巧遅(こうち)では間に合わぬが、拙速(せっそく)ならば良しとも言い切れず、難しい所では在る。

 ラムダ株に関しては、7月7日の項にも少し記したが、続報に依ると南米に留まらず世界各地の少なくとも29の国と地域に感染を広げている由。世界保健機関(World Health Organization; WHO)は6月15日、智利(チリ)厄瓜多(エクアドル)亜爾然丁(アルゼンチン)を含む南米諸国でラムダ株の感染者の割合が増加している事を報告。英国の英蘭土(イングランド)公衆衛生局(Public Health England; PHE)によると、ラムダ株の感染は6月24日の時点で北米、欧州、中東、阿弗利加(アフリカ)亜細亜(アジア)豪州(オーストラリア)の各国で確認済との事。対COVID用のmRNAワクチンや抗体カクテル療法は現時点で有効とされているが、世界各国で集団免疫が成立して感染拡大を真に抑え込めぬ限りは新たな「懸念すべき変異株」が生まれる。先進国の各所でも未だに感染再拡大が懸念される現状を考えると、五輪開催が近づくのを喜ぶ気には為れない。


7月15日(木曜)

 昨日に開かれた厚生労働省の会合で京都大学の西浦(にしうら)(ひろし)教授が報告。昨年11月から本年6月へ至る期間に於いて「医療従事者へのワクチン接種」が「5人以上の集団(クラスター)感染の発生件数にどう影響したか」を試算した結果、「医療従事者へのワクチン接種が無かった場合」は医療機関で1060件、高齢者施設で1631件のクラスターが発生したと見られるのに対し、接種した場合は医療機関で896件、高齢者施設で1476件。総計319件を減少させたと推定される由。今回試算には高齢者への優先接種や職域接種と云うその後の施策に因る効果は含まれておらず、西浦氏は「高齢者や一般の人への接種が進むとクラスターの件数は今後、更に減っていく筈」で「ワクチンの効果の賜物(たまもの)」と語ったとの事。

 我が国で流通を担当する武田(たけだ)薬品(やくひん)工業を通じて提出された「米国で12歳から17歳の(およ)そ3700人を対象に行った治験で有効性と安全性を確認した」との追加情報を踏まえて、厚生(こうせい)労働(ろうどう)(しょう)が「週明けにもModerna製ワクチンの接種可能年齢を現在の18歳以上から12歳以上に引き下げる」方針を固めたとの報道有り。Pfizer製は5月の時点で16歳以上から12歳以上に変更(へんこう)(ずみ)。十代前半への接種拡大に道が(ひら)かれる一方、子供への接種に強い抵抗感を覚える人々が多い事等の懸念も残る。

 酒類提供停止に応じない飲食店に対し、酒類販売業界に取引(とりひき)停止(ていし)を、金融機関に遵守(じゅんしゅ)(はたら)()けを求めた二つの要請が今月7日の関係閣僚会合で首相にも説明され、翌8日に西村経済再生担当相が公表するも、昨日に首相は「要請の具体的な内容に就いて議論した事は有りません」と繰り返し、野党が「説明を受けて異論が出なかったと云う事は、首相が責任を持って要請を発出したと云う事」だろうと追及するも西村氏も「私の責任で行った」と言い張ったが、「首相の傷口が広がるのを回避すべく、西村大臣の独断との印象付けに躍起になっている」との声有り。売上の減少した酒類販売業者が支援金を申請する際に「休業要請などに応じない飲食店との取り引きを行わないよう努める」旨の書面を提出させるとの事務連絡を国が撤回した事に伴い、東京都は当該の書面提出を求めない事とし、大阪府は該当項目を削除した由。

 英国では感染再拡大に伴い、昨日に一日の感染者が4万2302人を記録。死者は49人。英蘭土では今月19日から感染対策の規制が殆ど撤廃される予定だが、倫敦(ロンドン)市長が「公共交通機関でのマスク着用義務化を継続する」事を表明し、政府と首都で対応が分かれる事態となった由。豪州ではデルタ株感染が広がり、各地で外出が制限されたが、今月13日の時点で9%余りとワクチン接種完了者が少ない事が影響している模様。デルタ株は印度尼西亜(インドネシア)でも猛威を振るい、昨日の新規感染者は過去最多の5万4517人。死者も991人に及び、先月26日から今月12日までの間に現地滞在中の日本人も9人が感染死。帰国希望の邦人を対象に、日本の航空各社が特別便運航を計画し、現地の日本大使館が搭乗希望者の取り纏めを始めるも、国に依る貸切(チャーター)機手配の予定は無い模様。印度(インド)太平洋に向けて航行中の英国最新鋭空母Queen Elizabethを中心とする空母打撃群の中でも、百人程度の感染者が発生。同国海軍は「対策を講じており今後の航行に影響無し」と主張するも、今月に索謀利(ソマリア)沖で日本の海上自衛隊の護衛艦などと共同訓練を実施し、今後は日本にも寄港する予定との事。

 東京都のモニタリング会議では、都内の感染状況と医療提供体制を4段階のうち最高の警戒域で維持。新規陽性者の7日間平均は昨日に凡そ817人となり、新規陽性者数の増加比は上昇を継続。専門家は「感染が急速に拡大している」、現在の増加比が続けば「2週間後の7月28日には、7日間平均が今の1.72倍のおよそ1402人」「4週間後の8月11日には、今の2.94倍のおよそ2406人になる」と分析。其の東京で、本日に都知事の小池(こいけ)百合子(ゆりこ)氏がIOCのバッハ会長と会談。バッハ氏は「諸有(あらゆる)危険性(リスク)を避けて東京や日本の皆さんの安全に貢献したい」、「競技選手(アスリート)は全員、日本到着時に検査を受けている」「陽性者はすぐに隔離されて、濃厚接触者も手順に従って管理されているので、日本の人達に対する危険性は(ゼロ)だ」と述べたそうだが、額面(がくめん)(どお)りに受け取る楽天家は少なかろう。


7月16日(金曜)

 五輪開幕を控え、今月6日に宮内(くない)(ちょう)は「天皇(てんのう)陛下(へいか)が新型コロナウイルス用ワクチンを接種された」旨を公表。既に「上皇(じょうこう)御夫妻(ごふさい)を始め65才以上の皇族方の(ほとん)どは、接種を済まされた」旨が明らかにされた反面、「雅子(まさこ)(さま)に関しては接種に関する情報が伝えられていない」。また「陛下がワクチンを接種されたのは7月6日」で、2回目の接種間隔が短いとされるファイザー社製のワクチンでも20日の間隔を置くことが推奨されるため、2回目の接種は最速で26日となるが「これでは、23日の東京五輪の開会式に間に合わない」し、免疫が出来るのには更に時間が必要となる。斯様な日程が選択されたのは「国民の接種の歩調に合わせられた」意味と同時に、敢えて「接種はしたけれども五輪開催を祝う事には事実上、消極的で在ると云う姿勢を示されたのでは無いか」と推論する識者も居る模様。

 大阪で事前合宿中の烏干達(ウガンダ)選手団内で先月19日と23日に合計2名の感染が確認されたが、市は選手団へ無断で外出しない事を求めている中で、本日に選手1名が失踪(しっそう)。選手団9人は毎日、PCR検査を受けるべく検体を移出して来たが、16日正午に重量挙げのJulius Sekitoleko氏の検体が無いと判明。市の職員が部屋を確認した所、不在が判明。市は警察に行方不明者届を提出し、行方(ゆくえ)を捜している由。氏の無事を祈る一方、感染対策としては杜撰(ずさん)さに呆れるばかり。

 国立競技場に近い代々(よよぎ)公園(こうえん)の上空に「謎の巨大な顔が出現する」事態に、SNS上で「巨人がいる」等の投稿が相次ぐも、正体は「一週間後に迫った東京五輪を文化の面から盛り上げようと企画されたもの」。現代芸術に取り組む集団「目」の作品で題は「まさゆめ」と云い、「年齢や性別、国籍を問わず、世界中から広く募集した『実在するひとりの顔』を東京の空に浮かび上がらせた」が「どうやって浮かんでいるかは非公表」。動画を見た率直な感想は「薄気味(うすきみ)(わる)い」の一語だが、技術的には凄い。

 活動休止中の人気YouTuber、(みず)(たま)りボンドのトミー氏が本日にtwitter投稿。緊急事態宣言下に他のYouTuber達と祝宴を催していた会場は彼自身が経営する飲食店だったらしく、当該店舗の「閉店を決定」して「廃業届を提出し、受理されております」と報告。同店に関する感染拡大防止協力金の受給に就いては「会食開催当日である6月18日を含む6月分を申請する予定は当初よりございませんでした」、5月以前に関する申請も全て辞退したとの事。「感染拡大のために尽力する人々をはじめ、多くの人に迷惑をかけた」事等に関して「心より謝罪させていただきたい」「本当に申し訳ございません」と謝罪した由。謝らないよりは謝った方が()いのは無論で在る。


7月17日(土曜)

 5月16日頃の入梅(にゅうばい)から昨日迄が62日。近畿(きんき)東海(とうかい)で統計開始以来、最長と言われる梅雨(つゆ)が続くも、本日に気象庁が「梅雨明けしたと見られる」と発表。梅雨は終われどもコロナ()は続き、五輪・パラリンピック組織委員会が本日に「東京・晴海の選手村に滞在する大会関係者1人が新型コロナウイルスの検査で陽性が判明」と発表。陽性者は各国・地域の国内五輪委員会(National Olympic Committee; NOC)の関係者との事で、村外に設けられた療養施設で隔離措置を受けているが、個人情報保護を理由に国籍や年齢、入国日や活動計画を含む詳細は非公表とされた。

 此の方針に関し、国際医療福祉大学教授で公衆衛生学を専門とする和田(わだ)耕治(こうじ)氏は「感染者の状況を周知する事は二次感染を防ぐ為に重要」「五輪に対する不信感は高まっており、実態を明らかにしなければ無用な疑念を抱かせる」と指摘。香港のSouth China Morning Post紙/南華早報は「東京五輪選手村での最初の新型コロナウイルス症例が、大会に先駆けて感染の恐れを搔き立てる」、「1万1000人の競争相手の大多数が留まる44獘屈跢列(ヘクタール)の施設に於ける事件で在り、特に懸念される」と村内で感染爆発が起きる事への懸念を報道し、国内でも電網上で「日本だけでなく競技で対戦する他の国にとっても重要な情報」「嘘と隠蔽で乗り切れると思ったら大きな間違いだ」等の批判有り。

 IOC会長のバッハ氏の歓迎会が明夜に東京の迎賓(げいひん)(かん)赤坂(あかさか)離宮(りきゅう)で催され、組織委員会の橋本会長、菅総理や小池知事、女性蔑視発言で辞任した組織委前会長の森喜朗を含む40人余りが参加する模様。感染予防の為に食事や酒の提供は無く、参加者が挨拶するだけとなる予定で、1964年の東京大会で組織委員会が置かれた五輪に(ゆかり)の有る会場を以前から組織委員会が押さえていたとの事だが、本日午後になるとtwitterのTREND1位に「バッハ歓迎パーティー」が浮上。「日本国民に自粛を強いてるのに舐めてんのか」「オンラインでやれ」、「3人以下でやれ」、「暴動起きてもおかしくないレベル」、「東京は緊急事態宣言中だろ!」等の批判が投稿された由。

 歓迎されるバッハ氏は今月8日に来日、16日には広島市を訪れて平和記念公園で原爆犠牲者に献花。壮年期には1976年門度例(モントリオール)五輪の撃剣(フェンシング)、男子花剣(フルーレ)団体で(ゴールド)(メダル)を獲得。世界選手権でも金2個、銀1個、銅1個を獲得する一方、名門と呼ばれるJulius-Maximilians-Universität Würzburg、通称ヴュルツブルク大学の法学部へ進学して勉学に励み、剣を置いた後は司法試験に合格。博士号も取得して弁護士として働き、AdidasやSiemens AGと云った独逸(ドイツ)発の世界的企業と関わった後、1991年にIOC委員、1996年に理事になり、2013年に第9代IOC会長に選出されたが、五輪牌獲得者(メダリスト)出身としては初の就任と云う人生を送って来たが、「実家は小さな織物店」で「父親は体が悪くてほとんど働けず」バッハ氏15歳時に死去、「親が一家の大黒柱を務め」るも「家計は厳しかった」との幼少期も経験している由。

 7月12日付のLos Angeles TimesにMajor League Baseballの大谷(おおたに)翔平(しょうへい)庭球(テニス)大坂(おおさか)なおみ、孔球(ゴルフ)松山(まつやま)英樹(ひでき)、National Basketball Associationの八村(はちむら)(るい)蹴球(サッカー)久保(くぼ)建英(たけふさ)の諸氏が並び、“From Shohei Ohtani to Naomi Osaka, Japanese athletes dominate during golden era”。即ち「ショーヘイ・オオタニからナオミ・オオサカまで日本人アスリートが黄金時代を独占」と、大谷を主軸に据えつつも若い日本人選手達の世界的活躍を称賛。“Japanese athletes have drawn global attention recently, and with the upcoming Olympics Japan is at the dawn of a golden age in sports. ”と五輪に繋げる様な一文も見られた。我が国の生んだ不世出(ふせいしゅつ)拳闘(ボクシング)王者(チャンピオン)井上(いのうえ)尚弥(なおや)の扱いが小さいのは不満だが、米国では東京五輪への関心が盛り上がって来た模様。其の一方で同国の医学者達は東京五輪に対する懸念を強めて居り、7月1日付のThe New England Journal of Medicine誌が、五輪参加者達をSARS-CoV-2感染から守る為の危機管理に関する論文を掲載。

 寄稿した米国公衆衛生学会の権威達が訴える所に依ると、デルタ株の脅威に加えて「ファイザーとビオンテックはワクチン提供を申し出たが、東京五輪前に全選手にワクチンが行き渡る保証とはならず、身体の支障や倫理道徳上の理由から接種を拒否する者も居り、低年齢の為に接種が受けられない十代選手も居る」「ワクチン接種に関しての共通した基準が無い事から、東京五輪参加選手の中からウイルスに感染する者が出るも知れぬし、感染した選手達が200ヶ国に上る故郷へに帰る際にウイルスを持ち帰る危険性は避けられない」等の状況有り。感染の可能性は競技種目や競技場所、競技時間に依っても異なるが、屋外競技で危険性が低いのは「ヨット、アーチェリー、近代五種」等で、其れに次ぐが「ラグビー、ホッケー、サッカー」等の団体競技。逆に危険性が高いのは屋内で行われる「ボクシング、レスリング、体操」等との警告と共に、IOCが緊急に「労働安全衛生」「医療施設エンジニア」「空調・換気装置エンジニア」「流行病・疫病学」の専門家と選手代表からなる感染防止対策検討機関を設置する事が勧告された。

 IOCは無反応だったが、米国の一般向け科学雑誌Scientific Americanも当該論文を紹介。誌面には「不幸にして東京五輪で感染者が出た時には、ウイルスは『ワクチン後進国』には対応不可能なほどの規模で襲い掛かる」し「世界中から選手達が集う五輪と云う状況を考慮に入れると、考えられない程に特異的(ユニーク)な感染拡大に為り得る」、「五輪に於いては、如何(いか)なる国から来た選手も対等な立場で競い合い、メダルを獲得する事も可能」だが「世界的大流行(パンデミック)に於いては、ワクチンを持っているか持っていないかで感染率は天国と地獄の差が付く」と云う加州(カリフォルニア)大学桑港(サンフランシスコ)校のPeter Chin-Hong博士の見解も引用された由。


7月18日(日曜)

 本日に協会強化本部長の西口(にしぐち)茂樹(しげき)氏が取材に応えて、競技1日目を終えた後は「外部の旅舎(ホテル)に泊まります」と語り、レスリング日本代表は「選手村を1度も利用せずに東京五輪に臨む」事が判明。練習相手を会場に帯同する事が許可されない一方、組織委員会が認めた施設には宿泊が可能との事情が有り、都内の味の素国立(ナショナル)鍛錬(トレーニング)(センター)で調整して其の(まま)、会場入りする予定。選手達が「コンドーム支給が無く、試合後の乱交も楽しめないのに選手村に入っても面白くない」と不満を訴えた訳では無い様だ。

 其の東京五輪選手村で村長を務める川淵(かわぶち)三郎(さぶろう)氏が17日放送のテレビ番組に出演。緊急事態宣言が再び東京に発令される中で無観客での開催が決まった本大会について「運動(スポーツ)行事(イベント)で一番必要なのは優秀な選手と環境」「そして何と言っても観客」。「火事場の馬鹿力みたいな事は、お客さんが居て初めて起こる」のだから「観客が居ない位なら日本で遣る必要が無かった」等と私見を語ったそうだが、御老体(ごろうたい)の愚痴はさて置き、本来は中止すべき五輪を強行すれば様々な無理も生じようと云うもの。

 政治と大衆(ポップ)文化(カルチャー)を取り扱う米国の情報(ニュース)公開場(サイト)、Daily Beastは、IOCトーマス・バッハ会長の広島訪問が日本国民の反発を招いた件に始まり、同じくバッハ氏の「チャイニーズ」発言や感染対策を糾弾。バッハ氏や組織委員会が安心安全等と豪語するバブル方式に就いても「バブルは既に崩壊している」と感染者多発の惨状を報道。「バブルはサガミコンドーム並みに薄い」が「本物の様に頑丈で信頼出来る場所は何処にも無い」「made in Japanの解決策も惨めに失敗する事が有る」等と「薄くても頑丈な日本の名品」を引き合いに出しつつ批判した由。

 今月14日に「東京五輪・パラリンピック開会式の作曲担当」として小山田(おやまだ)圭吾(けいご)氏の名が上がるも、「雑誌で障害者への(いじ)めを自慢していた」過去が改めて問題視され、電網(ネット)で炎上。特に贔屓(ファン)と云う訳では無いものの、Flipper's Guitarの「恋とマシンガン」が主題歌となったテレビ(ドラマ)を観て「真夜中のマシンガンで君のハートも撃ち抜けるさ」と口遊(くちずさ)んだ記憶は有る。Cornelius名義に於ける近年の作曲活動の方がNHK教育テレビジョンで耳にする事が多く、氏の音楽的才能は個人的に高く評価している。然れども、1994年1月発行の「ロッキング・オン・ジャパン」誌や1995年8月発行の「クイック・ジャパン」誌で自ら語ったとされる内容を読む限り、多様性を重んじる五輪や障害者が活躍するパラリンピックに氏が関わる事は許されまい。

 拡大する一方の批判に耐え兼ねたのか、16日の時点で小山田氏がtwitterで「多くの方々を大変不快なお気持ちにさせることになり、誠に申し訳ございません」「深い後悔と責任を感じております」等と謝罪。17日に組織委員会の武藤敏郎事務総長は「彼は今、現時点において十分に謝罪をして反省をして、倫理観を持って行動したいと言っている」、「我々は当初、知らなかったのは事実」だが「弁明も伺って引き続き、此の時機(タイミング)なので彼には支えて行って貰いたい」「貢献して貰いたいと考えている」と擁護。ロッキング・オン・ジャパン誌を刊行するロッキング・オン社も本日に声明を発表。編集長名義で謝罪を行ったが、批判の声は未だ止まず。

 本件に関しては、2005年に「問題の事が電網で取り上げられた事からコーネリアスのファン向け掲示板が炎上」「ファン同士の交流が果たせなくなったとして閉鎖」、翌2006年にも「個人のblogで取り上げられる」、2012年に「NAVERまとめに記事が作成される」、、2017年に「子育てコミュニティサイト『ママスタ』の掲示板で炎上」と過去に批判や炎上が続くも現在に至る迄、小山田氏が謝罪する事が無かったとの批判有り。当時の同級生からは「バンドをやっていて、実家もお金持ち」、「いつもオシャレな私服を着て」「絵や歌も上手くて下級生の女子生徒からは人気があった」小山田君は「 自分は特別な存在だ、と云う感じで」周囲を馬鹿にして居り、「障害の有る(クラス)(メイト)に対して、気持ち悪いとか言って揶揄(からか)っている」場面も目撃される一方、「記事に在る程、酷い虐めの現場は見た事は無い」「あれ程の虐めが()し本当に在ったとしたら、もっと学校全体で問題になっていた」との証言も得られ、氏が偽悪(ぎあく)(てき)に「話を盛った」可能性も指摘されている。(いず)れにしても愚かしい話だ。

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