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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和3年7月第2週

7月5日(月曜)

 16歳以上の人口の8割以上がPfizerとBioNTecの開発したワクチンの接種を済ませ、6月中旬までは1日の新規感染者数が1桁に収まる事も有った以色列(イスラエル)も、先月5日には507人と感染再拡大。同国の保健省が先月6日以降の感染状況を調べた結果、今年5月の時点では94.3%だったとされるワクチンに依る発症予防効果が「64%に低下した」との事。「此の低下はデルタ株の感染拡大と同時に観測された」とされる一方、重症化予防効果は93%と前回同様の高水準を保っているものと推定される由。イスラエルでは一旦解除された屋内でのマスク着用が先月下旬から再び義務付けられると共に、改めて空港での感染対策の徹底、12歳から15歳へのワクチン接種等の対策が推進されている模様。

 東京五輪の観客に関して「国立競技場で行われる開会(かいかい)(しき)や大規模会場を()観客(かんきゃく)」とする方針が「政府や大会組織委員会などの関係者」間で共有された旨を「複数の政府関係者」が公表。具体的には「21時以降の夜間競技」や「収容人数の50%が5千人以上の大規模会場」が無観客とされる一方、此れより小さい規模に届かない会場に限っては、「収容人数の50%までしか観客の入りが想定されておらず、改めて再抽選しなくとも感染対策がとれる競技」等を想定して「条件付きで観客を入れる方向」での調整が進行。開会式で1万人程度とされる国際五輪委員会(International Olympic Committee; IOC)等の関係者や出資者(スポンサー)の特別待遇は変わらず、「別枠として観戦を認める」との事だが、世間の批判を危惧した為か、開会式の出席者は「数百人規模まで絞り込みたい考え」との事。

 6月25日告示、7月4日投開票の東京(とうきょう)都議会(とぎかい)議員(ぎいん)選挙(せんきょ)が終了。自民(じみん)が25議席から33議席に増えて第一党を獲得し、都民(とみん)ファーストの会が45議席から31議席に後退するも、各種報道では「終盤で都民ファの終盤での追い上げは多くの識者の予測を覆した」「小池(こいけ)百合子(ゆりこ)都知事の影響力の大きさを再認識する結果」等の論調が目立った。曰く「先月30日に退院したばかりの小池都知事が、7月2日には急遽記者会見を都庁で開き、『倒れても本望』と語った」。曰く「劣勢と報じられた都民ファ及び病み上がりの都知事に対して負犬(アンダードッグ)効果、我が国で云う所の判官(ほうがん)贔屓(びいき)が働いた」等と(わけ)()(がお)に解説する者も居る様だが。我、以為(おも)へらく「感染対策や五輪強行等の度重なる失政」に「小池氏の療養を麻生(あそう)太郎(たろう)氏が『自分で()いた種』と嘲笑(ちょうしょう)した件」も加え、「基本的には自民の自滅」。流れる浮動票を他の野党が拾えなかっただけの話では無かろうか。


7月6日(火曜)

 運動(スポーツ)記者(ジャーナリスト)二宮(にのみや)清純(せいじゅん)氏が、一昨日にABEMA TVで橋下(はしもと)(とおる)氏の冠番組に出演。五輪(ごりん)貴族(きぞく)の存在に対し、橋本氏が「無観客でやったとして、()の人達だけが中継に映っていたとしたら、誰の為の五輪か」と批判すると、二宮氏も我が意を得たりとばかりに賛同。「私は1988年の漢城(ソウル)大会から取材をして来ている」が「昔のIOCは本当に貴族の集団」、「それが今や権力(パワー)選良(エリート)集団に」と変じて「Thomas Bach」「John Coates」「Dick Pound」の三氏を含めて弁護士出身が増加。「責任を持って仕切る為には、多少の権威は必要かも知れない」が「“衣の下の鎧”が少し見え過ぎているのが不快感を生んだ理由の一つじゃないか」等と語った。更に氏は「(しん)国立(こくりつ)競技(きょうぎ)(じょう)には貴賓(きひん)席も含めて、色々な部屋が有る」、其処(そこ)に五輪貴族を「隔離して、外からは見えない様にする事は出来る」と発言した様だが、仮に実行されたとしても姑息的手段に過ぎず、本質的解決とは言えまい。

 本日閣議後に丸川(まるかわ)珠代(たまよ)五輪相が会見。明後日に五者(ごしゃ)協議(きょうぎ)を控え、「国立競技場で行われる開閉会式や大規模会場は無観客」の方針となるも「一部でIOC関係者と出資者(スポンサー)は別枠で開会式観覧が認められる」が報じられた件に就いて問われると「報道は承知しているが、具体的な案が議論されている訳では無い」と語り、更に「五者協議に向けて其々(それぞれ)の考えの中で議論されると承知している」と抽象的な発言を残した模様。

 陸上男子短距離で1992年の巴塞羅那(バルセロナ)五輪に出場し、現在は法政大学経済学部教授を務めつつ、陸上に留まらず闘球(ラグビー)の社会人チームや蹴球(サッカー)岡崎(おかざき)慎司(しんじ)氏や堂安(どうあん)(りつ)氏と云った他競技の選手も指導している杉本(すぎもと)龍勇(たつお)氏が、某運動新聞の取材に応えてIOCや大会組織委員会を批判。2012年の倫敦(ロンドン)大会から続けた「遺産(レガシー)効果を最大限にする」との主張を、今回のみ「全く出さない」所にIOCの狡猾(こうかつ)さが露呈しているが、今回に五輪開催を強行しても「其の場(しの)ぎでしか」無く「開催しさえすれば良いと云う利害関係」しか見えない。「社会の中で運動(スポーツ」が影響を与えられる一助」となれども「社会を変えられる訳では無い」現実が厳然として在る以上、「社会の一部として如何(どう)()う役割が出来るか」が重要になる筈だが、現在のIOCは「運動以外の事に関心が無い」。「平和な時期なら其れでも良いかも知れない」が「人の生命や生活が危機に晒されている時期」の開催には「世の中全体の事を踏まえた上での行動や決断、発言」が必要で「今回は其処が欠けている」等と語り、重ねて「終わった後の事が考えられていない」現状に疑義(ぎぎ)を呈したとの事。

 茨城(いばらき)県内では、昨日が聖火中継(リレー)2日目。牛久市やつくば市の沿道では、「オリンピック廃止」と書かれた横断幕や「利権と差別と死の祭典」と書かれた手持(プラ)看板(カード)を手にした数人の男女が、拡声器で「聖火中継(リレー)止めろ」「感染症対策も出来ないのに五輪をするな」と抗議の声を上げた由。

 小池都知事と都民ファーストの会に関しては「都議会議員選挙で健闘し、更に注目が高まる」等の評価が有る反面、「体調不良のへ懸念は残る」「自民党や共産党が群雄割拠する中での議会運営は前途多難」との声も(かまびす)しい。何れが正しいのやら、都民ならざる田舎(いなか)(もの)には黒白(こくびゃく)を付ける事も容易では無いが、議会の承認を経ずに専決(せんけつ)処分(しょぶん)で予算を組み、条例を制定する等の独断(どくだん)専行(せんこう)従前(じゅうぜん)より()(づら)くなる事。コロナ禍の不況で法人税収入が落ち込む中で「潤沢だった貯金(財政調整基金)を使い果たし」たとも言われる状況で都の財政が厳しい事。五輪終了後は特筆すべき行事や式典の予定が無く、任期終了迄に「小池知事が目立つ機会はほとんどない」事等は事実の様だ。都知事の地位が野望の終着点とも思われず、自民党幹事長の二階(にかい)俊博(としひろ)氏との親密さから「遠からず国政復帰を目指すのでは」との声が聞かれるのも道理。


7月7日(水曜)

 南米の秘露(ペルー)では、2020年8月以降は減少していた感染が今春に再拡大。感染者数は200万人超、人口10万人当たりの死者数は世界最多の500人以上に達し、公共機関では「二重マスクとフェイスシールド着用」が義務化されて首都の利馬(リマ)では治療用酸素が不足。隣国ボリビアも同様の状態を呈しているが、(いず)れもペルーで最初に確認された変異株、即ち11番目の希臘(ギリシャ)文字を与えられた「ラムダ株」が優勢となっている由。

 ラムダ株に関しては「2倍の速度で重症化が進む」。(ある)いは「デルタ株と同程度の感染力」を持ち、感染者からは「従来株の10倍以上のウイルスが排出される」。()しくは「スパイク蛋白質の変異により、ワクチンが効き難くなる」等と云われている様だが、世界的大流行(パンデミック)が終わらぬ限り各所で懸念(けねん)すべき変異(へんい)(かぶ)が生まれるのも理の当然か。「(やが)てオメガ株の発生に至り、希臘文字を全て使い切ってしまうのではないか」との懸念も杞憂とは言い切れまい。

 日本国内で感染再拡大や水際対策徹底が叫ばれようとも、神聖なる五輪貴族は別枠。五輪の一年延期に伴い、幹部が宿泊する四つ星以上の高級旅舎(ホテル)の宿代こそIOC持ちとなるも「IOC関係者と家族は入国後14日間の待機が免除」「当日からコンビニや個室なら飲食店の利用も特例で許可」「無観客開催になろうとも競技場で生観戦」等の特権は不可(ふか)(しん)とされる。今回五輪の会場内では「五輪貴族用のVIPラウンジ」も含めて飲酒厳禁とされているが、「特権意識が強い」上に「VIPラウンジで酒を飲みながら五輪を見るのが何より楽しみ」と噂されるIOC幹部が従うか如何(どう)か。(おきて)(やぶ)りの飲酒有らば逃さぬ構えで、週刊誌の写真機(カメラ)が照準を合わせている模様。

 来月7日からの開催が予定されていた“ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021”に関し、本日に主催者側が中止を発表。「コロナ()に於ける安全なフェス実現の為」に「1年以上の長い時間をかけて」準備を進め、「会場である国営(こくえい)ひたち海浜(かいひん)公園(こうえん)、地元自治体の茨城(いばらき)県やひたちなか市と協議を重ねて」開催の承認を受け、「券売を始めて」いたが、7月2日に「茨城県医師会の代表」が「フェス主催者である茨城放送の本社」に訪れて「フェスに対する要望書」を提出。

 医師会からは「フェス開催に懸念と危機感」が有るとして「今後の感染拡大状況に応じて、開催の中止または延期を検討する」事と「仮に開催する場合であっても、更なる入場制限措置等を講ずるとともに、観客の会場外での行動を含む感染防止対策に万全を期す」事の二点が求められたが、「今、中止を決定しても億以上の支出」が直前になれば更に(ふく)らむ事。再抽選で人数を制限しようとすれば「参加者との信頼関係」が失われる上、時間的に不可能と思われる事。「感染防止対策に万全を期すること」と云う「包括的な要請」に対して、「何を以て万全とするのか」「どのような新たな対策を提示すれば良いのか」と「残された時間の少なさを前に途方に暮れてしまい」、「医師会からの要請に十全に応えることは今の私たちにはできません」「残念ですが中止以外の選択肢はありませんでした」と苦渋(くじゅう)の決断に至った旨が、総合プロデューサーの渋谷(しぶや)陽一(よういち)氏から語られた。此れを受けてTwitterでは「ロッキン中止」がTrends入り。「五輪はやるのにフェスはダメなの?」「それなら五輪も中止しろよ」と反発の声が高まった模様。

 IOCバッハ会長の来日が明日に迫るも、COVID感染者が再び急増する東京に対し、本日に政府が緊急事態宣言の再発令を決断したとの報道有り。何とか蔓延防止等重点措置の延長で五輪の会期中も御茶を濁そうと努力するも断念せざるを得なくなり、対策を強化する方針に切り替えた模様。繰り返される毎に国民の不満が募る緊急事態宣言も遂に四回目。期限は来月22日(まで)となる様だが、緊急事態でも五輪は開催と云う矛盾(むじゅん)撞着(どうちゃく)


7月8日(木曜)

 先月末に「Moderna製ワクチンを使う職域(しょくいき)接種(せっしゅ)や自治体の大規模接種の申請が想定を上回った」として新規受付が停止される中、行政(ぎょうせい)改革(かいかく)(およ)びワクチン接種の担当大臣たる河野(こうの)太郎(たろう)氏が、一昨日の閣議後に記者会見。「ワクチン接種が5000万回を超えた」との報告と共に、当初の契約で「第2四半期に4000万回分」とされていたモデルナ社製ワクチンの供給量が「モデルナ社との協議」を経て「調整」が行われた結果、「1370万回分」と半分以下に減らされた事が発表された。其の事実を把握した時期に関して「正確には覚えてませんけども」「ひょっとすると黄金(ゴールデン)週間(ウィーク)前ぐらいじゃないか」との発言も含めて、「辞任ものの隠蔽(いんぺい)工作」「仕事も出来ず謝罪も辞任もしない無責任大臣」との批判も出たが、モデルナ社との間で締結された秘密(ひみつ)保持(ほじ)契約(けいやく)に依り詳細は公表出来ぬ由。

 本日20時過ぎからIOC、国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee; IPC)、国、東京都、組織委員会の五者協議。引き続き開催された関連自治体との連絡協議会を経て、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本(はしもと)聖子(せいこ)会長と武藤(むとう)敏郎(としろう)事務総長が都内で記者会見。東京(とうきょう)神奈川(かながわ)埼玉(さいたま)千葉(ちば)の一都三県は「無観客」。そして蹴球(サッカー)茨城(いばらき)宮城(みやぎ)、自転車の静岡(しずおか)、野球と塁球(ソフトボール)福島(ふくしま)。以上、四県に設置された地方会場では「観客を入れる」事が決まった由。競技会場の(ほとん)どが無観客となるも、武藤氏は「IOC、IF(国際競技団体)の幹部、NOC(各国五輪委員会)の幹部とか、放映権者は観客では無い」「夫々(それぞれ)役割を持っており、()の方々は入る事が出来る」、「此の様な状況なので、必要な人数を絞って行く必要が有る」ものの「大会関係者は五輪憲章に基づき行動しているので、会場に入る事が出来る」と話した。パラリンピックの観客に就いては、今月16日までに上限を決定する予定なれども「感染状況等を踏まえ、五輪が閉会した時に判断される」予定。

 都内での無観客開催と決した件に関しては、本日に仏蘭西(フランス)の公共放送、Radio France電子版が「断頭台(ギロチン)の刃が落ちた」と同国らしい表現で報道。東京都知事の小池百合子氏も今夜に臨時記者会見。「会場で直接見るのを楽しみにしていた方々に対しては断腸の思い」だが「家族と自宅で存分に楽しんで欲しい」と述べた。大会開催の意義に就いては「新型コロナウイルス禍で世界中の方々が色々な思いをした中で、安全安心に大会を開く事が力になって行く」「運動(スポーツ)の力が世界に伝わる事が励みになる」と強調。ワクチンがgame changerと呼ばれるのを引き合いに「五輪も変化の一つのきっかけになっていくのを期待している」とした。

 改羅(カイロ)大学を首席で卒業したと語る小池氏ならば御存知かとも思われるが、英語版のWikipediaでは詳細に解説されているのに日本語版には掲載されていない記事の一つに“Sportswashing”が存在する。此れは運動(スポーツ)行事(イベント)の開催、競技団体の買収(ばいしゅう)資金(しきん)提供(ていきょう)、或いは競技参加等の手段に拠り、「個人や集団、企業又は国家が自身の評価を向上させる為に運動を利用する」試みを指す。国家の領域に於けるSportswashingは人権問題等から注意を逸らす為に、個人や企業の領域に於けるSportswashingは其の人物や会社の醜聞(スキャンダル)や犯罪を隠し、他に注意を向けさせる。本年3月に人権団体のrant Libertyが報告した所に依ると「沙特阿拉伯(サウジアラビア)一国がSportswashingに費やした資金は、少なくとも15億(ドル)」。

 蹴球の世界(ワールド)(カップ)で云えば、伊太利(イタリア)のMussoliniの支配下で開催された1934年大会、2018年の露西亜大会等。古い拳闘(ボクシング)愛好者(ファン)ならば、通称“The Rumble in the Jungle”、日本では「キンシャサの奇跡」として知られるMuhammad AliとGeorge Foremanの対決を挙げるかも知れぬ。1974年の世界重量(ヘビー)級選手権試合の背後には「阿弗利加(アフリカ)最凶の指導者」と呼ばれ、ザイールで独裁政権を築いたMobutu Sese Seko大統領が居た。翌1975年にアリと Joe Frazierがフィリピンで戦った試合も“Thrilla in Manila”として知られるが、自国に注目を集める為に試合を誘致したのはFerdinand Edralin Marcos大統領。第二次大戦後に「抗日ゲリラ活動での活躍」を主張し、下院議員から大統領へと昇り詰めた後は圧政や不正選挙、アキノ氏暗殺を経てEDSA革命で国を追われる事になる人物だ。

 古くは国家社会主義労働党(ナチス)独裁下の独逸(ドイツ)で開催された1936年夏季大会。近年ならば中国開催の2008年夏季大会や露西亜開催の2014年冬季大会と云う辺りが、五輪に於けるSportswashingの例として挙げられるが、「2020年東京五輪」や「中国で開催予定の2022年冬季五輪」も既にWikipedia英語版に掲載済。


7月9日(金曜)

 (すが)義偉(よしひで)首相が(こだわ)り続けた五輪の有観客開催を直前に断念した背景に関して、第一に「無観客が望ましい」と主張しつつ「天皇陛下に現下のコロナの厳しい状況に就いて、御進講を重ねて」、宮内庁長官の「拝察」を引き出すに至った新型コロナウイルス感染症対策分科会、尾身(おみ)(しげる)会長の存在。第二に、退院翌日の今月2日に開いた記者会見で「()観客(かんきゃく)も軸に」と踏み込んだ発言を行い、「無観客」を掲げる都民ファーストを善戦させた東京都知事、小池百合子氏。其の二人が今月7日に「電撃面会」。「話し合いは2時間近くにも及んだ」所で「コロナ対策への意識共有と、緊急事態宣言下での五輪開催のあり方に関する認識の調整がなされた」結果、最終局面で「菅首相、組織委、IOCを追い詰めた」事が第三の要因となった旨の報道有り。

 菅総理に対しては、野田(のだ)聖子(せいこ)幹事長代行が「菅政権になってから東京都議選も負けって事を認めれば、全部負けている」「知事選で推薦した方も参院補選も負けている」と批判。菅首相の後ろ盾と云われる二階幹事長は、7日の会食で菅総理の「ワクチン一本でいきたい」との決まり文句に「政治も政局もすべてワクチン」と応じる一方、翌8日のテレビ出演で「国会に戻って来られるならば、大いに歓迎だ」と小池氏との緊密さを誇示。元防衛大臣の中谷(なかたに)(げん)氏が派閥の会合で「政局安定の為には衆院選後に小池新党と保守合同を検討すべきだ」と発言する等と(きな)(くさ)い話題が目立ち、「東京五輪を前に政局は動きそうだ」と予想する声有り。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は「札幌円蓋(ドーム)に於ける蹴球(サッカー)競技は有観客」と発表していたが、一転して本日に「無観客とする」旨を発表。「東京都に緊急事態宣言が発令され、当該地域との往来を防ぐ事が困難」な状況を踏まえて、北海道側から「道内の競技全行程(セッション)を無観客とする」事に決したとの連絡が入った故に「札幌ドームで開催される予定の行程に就いては無観客となります」との事。札幌では持久走(マラソン)・競歩も沿道での観戦自粛が求められており、前日の五者協議で無観客が決定した1都3県に加え、此れで北海道も完全無観客。大会全体750行程のうち有観客は29行程、僅か4%となった模様。

 東京五輪では波乗(サーフィン)競技が初採用となり、7月25日から8月1日に至る4日間で実施予定。千葉県の釣ケ(つりがさき)海岸に設置される会場では「入場券を保有する観客は野外で飲酒しつつ音楽演奏を楽しめる五輪(オリンピック)波乗(サーフィン)(フェスティバル)に参加出来る」とされていた。主催者側は「国際大会ではサーフィンとフェスの融合は一般的」「サーフィンフェスティバルは単なるフェスでは無く、競技と一体のもの」と主張して来たが、此の五輪波乗祭も無観客決定と同時に企画中止。関係者は残念無念と訴えているとも云われるが、観客を入れたとしても場内で音楽を聴きながら飲食させる等は言語(ごんご)道断(どうだん)斯様(かよう)な企画が直前まで実行予定の(まま)で待機とされていた事も「安心安全な五輪」の有名無実を如実に示す好例と言えよう。

 4回目の緊急事態宣言が出される東京都では前回宣言時と同様、「飲食店に酒を提供しない様に要請する」方向で調整を開始。昨夜の会見で経済再生担当大臣の西村(にしむら)康稔(やすとし)氏が「応じて貰えない店舗の情報」を「関係省庁とも」「金融機関とも共有」した上で「金融機関からも応じて貰える様、働き掛けをして貰う」と云う「取り組みを進めたい」と発言。「金融機関に融資(ゆうし)()き揚げ等、資金面での圧力を掛けて欲しいと云う考えか」との質問に否定はせず、改めて「此れは法律に基づく要請、或いは命令ですから」「遵守(じゅんしゅ)して貰える様に金融機関からも働き掛けをして貰いたい」と語るも、飲食店や(さけ)小売(こうり)業を中心に反発が相次ぎ、早々に発言の撤回と謝罪に追い込まれた。

 本日午前に菅総理は「西村発言は法的根拠に基づかない権限の乱用」との指摘に「西村氏はそうした趣旨での発言は絶対しないと私は思っている」と述べる一方、「西村氏がどういう発言をしたか承知していない」と語り、酒類の提供停止は「飲食の皆さんに今回も大変、御迷惑を御掛けするもので在る」為に「政府とすれば支援金は先払いも辞さない形で御願いする」とも述べた。立憲民主党の安住(あずみ)(じゅん)国対委員長から「権限も無く強圧的な態度に出る事を考えているのであれば、即刻、辞任をした方が良い」と抗議を受ける等、野党からも批判。緊急事態宣言の発令が(たび)(かさ)なる毎に有名(ゆうめい)無実(むじつ)化が懸念される状況を鑑みれば「(たが)を締め直す様な政策も活用すべき」との意見が出るのも道理だが、支援策の準備も無しに言い出し、初志(しょし)貫徹(かんてつ)の心意気も無い様では論ずるに(あたい)しない。


7月10日(土曜)

 既報の如く今月7日にROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021中止が発表された事に対し、出演が予定されていた“RADWIMPS”の歌手(ボーカリスト)野田(のだ)洋次郎(ようじろう)氏が翌8日にtwitterに長文を投稿。五輪より後に開催予定だった音楽祭(フェスティバル)が中止されても、「五輪開催による感染者数の増加」が「専門家の意見でも明らか」にされても、依然として五輪が強行に突き進む状況に対して、「こういった国内の産業やイベントが犠牲を払う図式にやりきれない思い」と語り、「効果があったのか分からない3度目の緊急事態宣言」の「考察や成果や反省も見え」ぬままに「“自粛に疲れた若者たち”がどこか悪者になっている空気を最近感じ」て居る等と訴えた。

 個人的には「『ふざけんな』という気持ちです」と語気鋭く国政を批判した野田氏だったが、(くだん)の投稿から僅か四日前。今月4日に「芸能人ご用達の都内の焼肉店」に友人知人10名程が集合して、20時過ぎから貸切で翌日に誕生日を迎える野田氏を祝福。二次会、三次会でカラオケを梯子(はしご)した後、早朝5時過ぎに(ようや)く散会。目出度(めでた)く36歳となった野田氏は道路沿いで参加者の男性に背後から抱擁(ほうよう)された後、「泥酔(でいすい)した様子で転がり込むようにタクシーに乗り込み帰宅」していたとの事。

 蔓延(まんえん)防止(ぼうし)(とう)重点(じゅうてん)措置(そち)の最中に開催された「泥酔誕生会」の報道と前後の氏の発言を引き比べて、電網(ネット)上で「このブーメランはひどい」「カッコ悪すぎ」「もう何も言えない」と批判が相次ぐ一方、「ブーメランではなくない?」「一貫性がある気がする」と擁護(ようご)の声も上がった模様。

 当方としても「如何(いか)なる犠牲を払っても五輪だけは遂行すべし」と云う国策は大いに不満だが、4月にも「ここ1年間の考察や反省や説明が何もない状態で3回目の緊急事態宣言なんて聞く気になれねぇという気持ちにどこかなる」と述べた野田氏に対しては、基本的に()りたい事が出来なくて駄々(だだ)()ねている人物との印象有り。「世間の状況と関わり無く自分達は音楽を楽しみたいし、誕生会では(はしゃ)ぎたい」「其れを政治家や世間に邪魔されるのは我慢ならない」と云う行動原則は一貫して居り、自由意志で生きる人間としては自然なのかも知れぬが、三十代後半に差し掛かった社会人の態度としては首を傾げたくなる。

 5月29日の項で紹介した仏蘭西(フランス)巴里(パリ)で行われた「大型演奏会(コンサート)での感染リスクを分析する実験」の続報。18歳から45歳で基礎疾患が無い等の条件を満たした(およ)そ4500人の観客がマスクを着用し、立位(スタンディング)形式で参加した結果、5人がコンサート終了直後の検査で陽性。一週間後の検査では、先の5人を含む8人が陽性となった。抽選に外れて演奏会に参加出来なかった対照群の2200人に対しても追跡調査が行われ、3人が1週間後の検査で陽性。「参加者と対照群の陽性率が同程度に低かった」事、「演奏会後に判明した感染者の人数」等を考慮し、主催者側は「感染防止対策を徹底すれば、屋内の大規模演奏会を開催しても感染拡大には繋がらない」との結論を公表した由。現時点で信頼性の不明な情報では在るが、此の話を野田氏が知ったら何と言うのだろうか。


7月11日(日曜)

 阿弗利加(アフリカ)では、本年5月以降に第三波の感染拡大が遷延。阿弗利加連合(African Union:AU)に依ると、「累計の感染者数は大陸全体で凡そ580万人に上る由。WHO阿弗利加地域事務局の局長を務めるMatshidiso Moeti氏も、8日木曜の記者会見で「1週間当たりの新規感染者数が7週連続で前週を上回った」旨を公表。「先週は25万人以上が確認され、世界的大流行(パンデミック)が始まってから最悪の週となった」、「第3波の勢いは激しさを増している」と述べ、「今後も感染者は増え続けて頂点(ピーク)に達するのは数週間後になる」との見通しを示した。感染拡大の裏面にデルタ株が潜む事情は何処も同様で「感染者数が特に増えた塞内加爾(セネガル)等の16ヶ国のうち、10ヶ国でデルタ株が発見された」との事だが、同大陸に於いて「ワクチンの接種を終えた者は人口の2%にも達していない」との事。

 本日放送の「そこまで言って委員会NP」に、元総務相で経済学者の竹中(たけなか)平蔵(へいぞう)氏が再登場。先月6日放送分の出演で分科会会長の尾身氏を「明らかに越権」と批判し、東京五輪の中止を求める国民の声に「世論はしょっちゅう間違う」と放言した件に関して、世間からは非難の集中砲火を浴びるも「此の番組、盛り上げたでしょ」「番組的には大成功です」と()満悦(まんえつ)。「分科会の仕事というのは二つ」「感染を抑える事、もう1つは病床を確保する事」と自己流の定義を()(かざ)し、「病床を確保する事に関して」「後ろ向き」な厚生労働省に「気を使って」、「何も提言しない」。或いは「国会に呼ばれた時」に「個人の意見を述べておられる」所が「日本の国内の政治の一種の規則(ルール)というか、手順(プロトコル)から外れてる」等と再び尾身会長を批判するも、病床確保は識者の役割では無かろう。利益(りえき)相反(そうはん)の批判をものともせずに自身の商売を利する政策を実現させて来た氏の行動こそが、重大な規律違反と知るべきだ。

 第3次小泉(こいずみ)改造(かいぞう)内閣(ないかく)で竹中氏と共に入閣した経歴を持つ先の総理大臣、安倍(あべ)晋三(しんぞう)氏が本日に北海道(ほっかいどう)苫小牧(とまこまい)市で講演。不調だった東京都議選に触れて「自民党に対し、厳しい風が吹いている」、「都議選の結果も()うだった」「私達は謙虚に受け止めなければいけない」等と語るも、自身が()いた種が大半で在る事への謝罪は聞かれなかった模様。旧政権の亡霊(ぼうれい)(ども)跳梁(ちょうりょう)跋扈(ばっこ)し、更に政情は錯雑(さくざつ)混沌(こんとん)

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