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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和3年6月最終週~7月第1週

6月28日(月曜)

 本日は全国で1002人の感染と38人の死亡が報告され、国内の感染者総計は1万4713人、クルーズ船の乗船者13人を合わせると1万4726人に到達。東京(とうきょう)都が蔓延(まんえん)防止(ぼうし)(とう)重点(じゅうてん)措置(そち)へと移行してから1週間が経つも、今月20日以降は前週の同じ曜日より感染者数が増す状態が続き、特に26日に至る4日間は前週に比して100人以上と増加の幅も顕著。昨日の7日間平均も477.4人と、重点措置移行後に90人近く増加。過去の数値と比較するならば「4月12日の476人」に近いが、当時の7日間平均は上昇し続け、4月25日に727.1まで上昇した挙句に3回目の緊急(きんきゅう)事態(じたい)宣言(せんげん)発令に至った経緯あり。

 都内に()ける感染者の入院も増加の一途を辿(たど)り、昨日時点で1449人と重点措置に入る直前より179人増加。重症患者は先月12日の86人が第4波のピークで、以降は増減を繰り返しながらも減少して行き、昨日に37人迄減少。重症者用病床の使用率は9.9%と10%を切っているものの、都の専門家は「重症患者の数は新規陽性者数の増加から少し遅れて増える」故に「厳重に警戒する必要がある」と指摘している由。自民党所属の元財務大臣、額賀(ぬかが)福志郎(ふくしろう)氏も倦怠感や微熱を訴え、本日午後にPCR陽性が確認されて入院。議員会館の事務所等の消毒が行われるも、国会議員の感染確認も()れで15人目となる模様。

 政府が東京と大阪(おおさか)に設置した大規模(だいきぼ)接種(せっしゅ)センターでは「自治体から届いた接種券を持つ全国の18歳以上」を対象に接種が行われ、本日から2回目の接種が本格化。今週から1日当たりの予約枠が東京会場で300人、大阪会場で75人拡大されるも今週分は既に予約が埋まり、来月も殆ど空きが無い模様。本日に規制改革担当大臣でワクチン担当の河野(こうの)太郎(たろう)氏が吉本(よしもと)興業(こうぎょう)の東京本社を訪れ、所属芸能人(タレント)や社員、家族を対象とした職域(しょくいき)接種(せっしゅ)を視察。接種を終えたペナルティのヒデ氏、サバンナの高橋(たかはし)茂雄(しげお)氏等と共に取材に応えて「若いから軽症で済むし接種が面倒だ、と思っている方」も多いようだが「家族や仲間を守る視点からも接種が大事だとしっかり浸透させたい」と語る一方、「職域接種の申請受付が一時休止中」との状況に関しては「1日の配送可能量を精査しており、終わり次第、出来れば今週中に状況を発表したい」と述べるに留まった由。京都(きょうと)では「観光事業者を対象にしたワクチンの職域接種」が行われ、(はな)(まち)の一角たる宮川(みやがわ)(ちょう)芸妓(げいこ)舞妓(まいこ)も接種を受けたとの事。

 欧州連合(European Union; EU)の各国はCOVID-19対策として義務付けて来た屋外でのマスクの着用に関する規制を緩和する一方、デルタ株の感染拡大を警戒して空港等での水際対策を強化。南阿弗利加(アフリカ)の感染第3波ではデルタ株が主流となり、政府が集会禁止や移動制限等の感染対策を発表。(タイ)国でもデルタ株が広がり、感染が特に深刻な首都の盤谷(バンコク)及び周辺地域に於いて、一旦は条件付きで許可された「飲食店内での食事」が本日から「少なくとも30日間は禁じられる」との事だが、日本国首都で知事を務める小池(こいけ)百合子(ゆりこ)氏は今日も静養を継続。


6月29日(火曜)

 東京大学医科学研究所、システムウイルス学分野准教授の佐藤(さとう)(けい)氏が主宰する研究共同事業体(コンソーシアム)の「G2P-Japan」が 「SARS-CoV-2のスパイク蛋白質の一部は、HLA-A24の細胞性免疫に依って極めて強く認識される」事を実証。次に「75万配列以上のSARS-CoV-2流行株の大規模な配列解析」を行い、「スパイク蛋白質のHLA-A24で認識される部位に幾つかの重要な変異が有る」事を発見。「重要な変異」とは、昨年に丁抹(デンマーク)で流行したB.1.1.298系統で見つかったY453F変異。そして現在、世界中で流行が拡大しているB.1.617系統(旧印度株、現デルタ株)とB.1.427/429系統(通称「カリフォルニア株」)のL452R変異を指す。更に免疫学実験に依り、「此等(これら)の変異は(いず)れもHLA-A24に依る細胞性免疫から逃避する」事も確認され、「如何(いか)にして『懸念すべき変異株』は細胞性免疫から逃避するのか」という疑問を解く世界初の成果を挙げた由。

 彼等(かれら)の研究に於いて「L452R変異がウイルスの膜融合活性を高め、感染力を増強させる」事も判明。前述のHLA-A24は細胞性免疫を担うヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen)の一種だが、凡そ6割の日本人が持っているされるもの。此の「HLA-A24による細胞免疫から逃避する」上に「ウイルスの感染力を増強しうる」L452R変異を持つデルタ株が、日本人や日本社会にとって「他の変異株よりも危険な変異株」で在る可能性が示唆されたとの事。

 東亜細亜(アジア)に於いては昨年迄、COVID-19に因る人口当たりの死者数が、欧米諸国と比べて有意に少なかった。京都大学教授にしてiPS細胞研究所所長、ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中(やまなか)伸弥(しんや)氏は、我が国の対策が「他の国と比べると緩やか」だったにも関わらず感染者や死亡者の増加を抑えた正体不明の要因を「ファクターX」と命名し、「ファクターXを明らかにできれば、今後の対策戦略に活かすことが出来るはず」と説いた。其の後、一部では「ファクターX有るが故に新型コロナも恐るるに足らず」との過信が生じる中で、様々なファクターX候補が挙げられるも「重症化リスクとの関連について科学的な裏付けは立証され」ず。「公衆衛生も含めた複合的要因」かとも考えられるものの、前述の佐藤氏も含めて、昨今は「遺伝的要因に由来するファクターXは幻想だった」との見解が現在は大勢(たいせい)()める模様。

 国際オリンピック委員会(International Olympic Committee; IOC)を通じて提供されたPfizer製のワクチンに加えて、「東京都の協力でModerna社製のワクチンを確保」した事に依り、東京五輪・パラリンピックの無償協力者(ボランティア)、凡そ7万人へのワクチン接種に関して「接種を希望する人全てに対してワクチン確保の目途(めど)が立った」と組織委員会が発表。しかし、「追加で確保された分」の接種は初回が「今月30日から来月3日」は良いとして、2回目は「来月31日から8月11日」に行われるとの事。「此れでは大会開始迄までに接種が完了しない」との指摘に対し、本日の閣議後会見で丸川珠代五輪相が「ワクチン接種を前提としない、でも安心安全な大会運営が出来る様、準備を進めて来た」が「より安心安全な状況を作っていく趣旨」から「ワクチン確保及び接種体制の整備を都、組織委と調整してきた」。更に「1回目の接種でまず一次的な免疫を付けて頂く」と発言したが、初回接種だけでも感染制御に有用との科学的根拠(エビデンス)は無く、またもや処方面から批判を浴びた。

 英国のGuardian紙が「東京で“COVID-19 cases”が急増」して居り、デルタ変異株の感染拡大も考慮すると「五輪開催の1ヶ月以上前に“fifth wave”が襲来する恐れ有り」と報道。我が国の状況に関し、記事には「世界的大流行(パンデミック)の開始以来、約80万件の症例と死亡事故14700人の死者が報告されており」「此の地域で最も犠牲者数が多い国の一つだ」とも書かれているが、事実なので是非(ぜひ)も無し。


6月30日(水曜)

 東京都内では、新規感染者や入院患者に占める65歳以上の割合が減少。高齢者に対するワクチン接種が進展した事の効果と思われる一方、30代以下の感染は4.8%から21.7%に、40代から50代は29.3%から53.6%に増加。重症者も30代以下は0.3%から4.5%に、40代から50代は19.9%から32.6%に増加しているのに対し、都は「ワクチンが行き渡っていない若者や中高年世代では感染が広がっている」として「繁華街での見回りや飲食店への働き掛けを強化」「テレワークの推進を更に呼び掛ける」等を実施。

 高齢者の7割以上が初回接種を済ませ、64歳以下の区民への接種が開始された墨田(すみだ)区では「働く世代の接種」を加速させる為、「平日18時から20時の時間帯」に接種が受けられる会場を駅の附近に3箇所新設。東京地下鉄道(メトロ)押上(おしあげ)駅の近くにある東京スカイツリー・イーストタワー会場は児童(キッズ)遊場(スペース)も備え、7月13日から保育士が常駐予定。東武ホテルレバント東京と第一ホテル両国の2会場でも同様に夜間接種が行われ、此等3会場では土曜日と日曜日、祝日の13時から153時にも接種が受けられる由。静養を続けていた小池都知事が今朝に退院。「大切な時期に公務を離れ」た事を詫びつつ「体調も幾分(いくぶん」か回復」したとの声明を出した小池氏は「医師の判断」に従い、明日以降も「当面は登庁せず、テレワークで公務を行う」模様。

 東京五輪の感染対策に関し、政府が「事前合宿や住民との交流事業で海外の選手らを受け入れる自治体(じちたい)向けの手引(てび)き」を改訂。来日する選手等に「入国14日前から行動と健康の管理」を呼びかけ、空港(くうこう)検疫(けんえき)で感染が確認された場合は「政府が航空機の座席情報をもとに濃厚(のうこう)接触(せっしょく)の疑いがある人を区分し、専用のバスで一時滞在施設などに移動させる」。事前合宿などで感染者が出た場合には「一緒に合宿している全員をそれぞれ個室で待機させ練習などを停止する」等と定める一方、「陰性が確認された選手等は活動を再開できる」。他に「乗合自動車(バス)移動時は換気に努めて、運転手と選手が同じ便所を使わない」、「宿泊先は個室を基本とし、大部屋に大人数を泊めることは認めない」等が記載された手引きが、本日に関連の自治体に提示されると共に、感染対策の徹底が要請された模様。

 日本国内では昨年5月に抗ウイルス薬のレムデシビルが特例承認され、7月にステロイド剤のデキサメタゾンも承認。今年4月には関節リウマチ等の炎症を抑える目的で使用されて来たバリシチニブもが治療薬として承認されたが、此の3剤に加えて中外(ちゅうがい)製薬(せいやく)がカシリビマブとイムデビマブの承認を厚生労働省に申請。米国では昨年11月に緊急使用許可が出されるより早く、10月のTrump前大統領入院時に投与された経緯有り。人工的に作った2種類の抗体を同時投与する「抗体(こうたい)カクテル療法(りょうほう)」に用いられ、ウイルス表面のスパイク蛋白質に結合する事で、ウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ。海外の治験では「入院や死亡の危険性(リスク)(およ)そ70%減らす効果が確認された」らしく、変異株にも有効との声有り。承認された場合は今年の国内供給分は日本政府が確保する事で合意済との事で、中外製薬は「変異ウイルスの感染拡大等、流行が長期化して新たな治療の選択肢が必要とされている」「1日も早く患者に届けられる様、規制当局と緊密に協働して行く」との声明を発表。

 その他に今日は、烏干達(ウガンダ)選手団の一件を踏まえ、立憲(りっけん)民主(みんしゅ)党、共産(きょうさん)党、国民(こくみん)民主(みんしゅ)党の国会対策委員長が会談して、「政府等に依る水際対策や感染対策の現状を検証する」事を目的とした野党合同の作業チームの設置を計画。露西亜(ロシア)第2の都市、聖彼得堡(サンクトペテルブルク)では、蹴球(サッカー)欧州(ヨーロッパ)選手権が始まった先月中旬から感染再拡大が進み、29日には一日当たりの死者が最多。試合後に「若者がマスクを着けずに街へ繰り出し、喫茶店(カフェ)等に押し寄せる」一方、「政権を批判する言説(メッセージ)を街頭で掲げた女性が感染防止に関する規則に違反したとして拘束された」と報じられる。若者の接種率の向上が課題とされる米国西部の(カリフォルニア)州で「保健当局がMcDonald'sと連携」。「70以上の店舗で希望する人には予約無しで接種出来る」取り組みを始め、「接種者には hamburgerと飲物(ドリンク)を無料で提供」等の報道有り。世界的大流行(パンデミック)の収まる気配は見えずとも、迫り来る五輪の足音。


7月1日(木曜)

 愛知県名古屋市の商社、医薬事業部門も有する興和(こうわ)株式会社が「北里大学と共同でCOVID-19患者にイベルメクチンを投与する臨床試験を始める」と発表。北里大学に依る医師主導での臨床試験が先行していたが国内企業としては初の治験となり、「北里大、愛知医科大学、東京都医師会の協力」を得て「東京、大阪、名古屋等」で「陽性判明から3日以内程度の患者約1千人」を対象に二重盲検法で行われる予定。イベルメクチンはノーベル医学生理学賞を受賞した北里大学の特別栄誉教授、大村智が開発に貢献した抗寄生虫薬で、我が国に於ける商品名をストロメクトールと云う。COVID治療に於いても「印度やペルーでイベルメクチン投与が新規感染者数と死亡者数を減らした」等と有効性を伝える報告が相次ぐ一方、WHOは「有効性を示す根拠が非常に不確実」として、治験以外では「如何なる患者にも使用すべきではない」との声明を出し、開発元のメルク社は対COVID治療への使用には消極的等の状況あり。

 同胞が開発に携わりノーベル賞を獲っている事、用途は異なれども以前から人体にも投与されて来て比較的安全性が高い薬剤と思われる事等が影響してか、イベルメクチンに期待する日本人は比較的多い模様。「医師や薬局を介さずに個人輸入で入手して自分や家族に投与した」等の体験談も電網上では散見。「イベルメクチンさえ有ればワクチンは不要」との極論や「ワクチンを売りたい製薬会社が国と組んで治験や承認申請を妨害している」との陰謀論も存在する様だが、単に「遥か以前に開発されて特許権も失われた薬剤に新たな適応が付いた所で利益は少ない」「敢えて時間も手間も掛かる治験を始めたくは無い」と云うのがメルク社の現実的判断かと思われる。

 今回の治験は「大村氏が興和に直接依頼し実現した」、「実用化後の治療薬は興和が製造を担う」との事。大村氏の直談判先に同社が選ばれた理由も不明だが、果たして採算の目途は立っているのか。或いは製造販売の利益自体では無く、「新型コロナの特効薬を日本に(もたら)した会社」との評価を狙っているのかも知れぬが、其れで治験が進むなら問題は無い。既に厚生労働省は「日本国内で入手できる薬剤」の一つとしてイベルメクチンを紹介し、適応外使用も認めている為、我が国で使用が禁じられている訳でも無いのだが、今回の治験を通して有効性が確認出来れば嘉すべき事だろう。

 今月23日の五輪開会が迫り、海外選手団や大会関係者が続々入国。内閣官房の発表に依れば、本日に成田と羽田の両空港から10の国や地域の選手団、総計159人が入国して東北や関西、九州の事前合宿地へ向かうが、今月中旬には更に増加し、パラリンピックも含めた大会期間中に「海外から選手や関係者約6万8千人」が入国する模様。「到着後の入国手続き迄の動線は五輪関係者と一般利用者で分かれていた」が、関係者の手続きは煩雑となり「自分はワクチンを打っている、と職員と揉めている人も居た」との目撃情報有り。五輪に備えて民放各局は「大会前後の関連番組を合わせ、総放送時間は過去最大の450時間超を予定」する一方、中止も危ぶまれる状況を考慮して「今年の五輪中継は、民放各局が日替わりで放送権を持つ」。仮に大会中止の憂き目を見ても、其の日の放送は録画済みの番組を通常編成に戻すだけで対応可能と云う事で「全局一致で決定した番組日替わり編成という秘策」が講じられたと聞いた。南洋の撒摩阿(サモア)に関し、本日に「暫定政府が東京五輪不参加を決めた」との報道が流れるも、続報に依れば不参加は代表選手11人中、同国内在住の重量挙げ選手3名のみで、海外に滞在している8人は参加する意向との事。


7月2日(金曜)

 東京五輪に来日する関係者の人数を制限する目的で「子供を含む家族の同伴」が禁じられるも、「授乳が必要な乳児を連れて来日出来ない」事に一部の選手から抗議の声が上がった件に関して、「6月30日、主催者が一転して帯同を認めた」「参加選手が子どもを同行させることが可能になった」と米国NBCの情報番組が報じ、其の後に国内外で続報も出た。「授乳中の子供を持つ選手が直面する状況」が「慎重に検討」された結果、「必要に応じて子どもを日本に同行出来る」様に組織委員会とIOCが方針を転換する一方、子供と其の世話係以外の家族同行は認めず、子供が選手村の居住区に滞在する事も認めない方針で「授乳中の子供は承認された旅舎(ホテル)に滞在する必要が有る」との事。

 此の問題を巡っては、妊娠中の水着写真で雑誌を飾った後で昨年5月に長女を出産した蹴球(サッカー)米国代表のAlex Morganが「母親が競技中に子供と一緒に居られる選択肢を持てる事は重要」。同じく米国の持久走(マラソン)代表で本年1月に第1子が誕生したばかりのAliphine Tuliamukが「半日離れる事さえ想像が付かない」「同行出来ないと知ってから沢山(たくさん)泣いた」等と訴え、児の帯同を許可する様に要求。乳児帯同が出来ぬ事を理由に参加を中止する女子選手が増える事も危惧された為か、IOCは直前まで「乳幼児や世話係を含む選手の家族並びに関係者の日本入国が認められる可能性は非常に低い」「選手は家族の同行を諦める事が基本」との態度を崩して居なかったにも関わらず、急転直下の決定に至った次第。今回の方針転換で「10人の米国代表選手が子供を日本に同行する」と報じられる一方、「乳児が感染した場合は誰が責任を取るのか」「他国に訴えられて裁判に発展する恐れも有る」、「未就学児の子供も認めて欲しいとの要求も出るのでは」等の懸念も発生。

 要求を認めさせた選手側は万々歳かと思えば、()(あら)ず。前述のモーガン氏はtwitterで「必要に応じて、授乳中の子供を日本へ同行出来る」との組織委方針に対して「『必要に応じて』が何を意味するのか分からない」が「其れを母親が決めるのか、国際五輪委員会が決めるのか」、「私達、五輪に出る母親は其れが『必要』なのだ」「7日後に出発なのに、娘を一緒に日本に連れて行けるのか連絡は無い」等と不満を訴えた由。東京都内では本日に660人の新規感染を確認。先週金曜より98人増えて13日連続で前の週の同じ曜日を上回り、政府分科会の一員で東邦大学教授の舘田(たてだ)一博(かずひろ)氏は「1都3県では感染の第5波の入り口に差しかかっている」と評した。通常の五輪に於ける母親の権利は別として、現在の東京に幼い我が子を是が非でも連れ込もうという思考は理解出来ないが、其れを拒めない主催者側の弱腰(よわごし)も論外。中止すべき五輪を強行するが故に、斯様(かよう)醜態(しゅうたい)も生じる。


7月3日(土曜)

 日本国の前首相にして、現在も自由民主党所属の衆議院議員。安倍(あべ)晋三(しんぞう)氏の公式twitterが、森友(もりとも)学園(がくえん)への国有(こくゆう)()売却(ばいきゃく)を巡る財務省の決裁文書改竄問題に関して言及。此の件に関連して自殺した近畿(きんき)財務(ざいむ)(きょく)職員、赤木(あかぎ)俊夫(としお)氏が残した「赤木ファイル」の記述を取り上げて「現場として(森友学園を)厚遇した事実はない」と「赤木氏は明確に記している」が「この証言が所謂『報道しない自由』によって握り潰されています」と主張。6月24日18時9分の投稿に対し、28日正午迄に約2万1000件のretweetと約5万2000件の「いいね」が付くも、当該の内容は「少なくとも25社の新聞社と通信社が報道しており」、安倍氏側主張の根拠は不明。

 6月25日に発売された「月刊 Hanada 」の8月号 。2020年9月の内閣退陣に際して「ありがとう!安倍晋三総理」特集が掲載された事も有る同誌にて、安倍氏が記者(ジャーナリスト)の桜井よしこ氏と対談。「安倍晋三前内閣総理大臣×櫻井よしこ 東京五輪・菅総理・ワクチン接種・習近平・自衛隊・台湾・次期総理総裁・総選挙――全てを語ろう」の題で90分に渡って熱弁を揮った安倍氏は、東京五輪に関して「歴史認識などで一部から反日(はんにち)(てき)ではないかと批判されている人たち」が「今回の開催に強く反対している」と批判し、具体例として共産(きょうさん)(とう)朝日(あさひ)新聞(しんぶん)を挙げた由。また氏は、五輪を通して「感動を共有することは日本人同士の絆を確かめ合うことになる」、「自由と民主主義を奉じる日本がオリンピックを成功させることは歴史的な意味があり、日本にはその責任がある」と語り、野党の批判に関して「日本でオリンピックが成功することに不快感を持っているのではないか」と主張。立憲民主党の枝野(えだの)幸男(ゆきお)代表に対しては「非常に自己愛が強い」ので「批判されることに耐えられないのではないか」と「見る人もいる」、首相時代の安倍氏に対して「一方的な批判に終始する」等と「インタラクティブ(双方向)な議論を避ける特徴がある」とも批判した由。

 類似の言辞(げんじ)(ろう)しつつも「長期(ちょうき)安定(あんてい)政権(せいけん)」を維持し続けた成功体験を持ち、本拠(ホーム)(グラウンド)も同然の誌面にて熱烈な支持者との対談で在ったが故に出た言葉だろうが。昨年から今年の感染状況を見ていれば五輪開催に危機感を抱くのが当然で、反日と結び付けるのには無理が有るだろう。「自己愛が強く、批判に耐えられずに議論を避ける」政治家と言えば、真っ先に安倍氏本人が思い浮かぶが、自覚は無いのだろう。「月刊 Hanada 」8月号の「総力大特集」も「東京五輪はコロナに負けない!」で、猪瀬(いのせ)直樹(なおき)氏や二階(にかい)俊博(としひろ)氏に高橋(たかはし)洋一(よういち)氏等と見慣れた名前が並ぶ。「東京五輪開催は最大のチャンスだ」、「東京五輪が『コロナ(うつ)』を救う」等の記事が全て実現すれば、日本の将来も安泰(あんたい)。信じたい気持ちは分からぬでも無い。


7月4日(日曜)

 東京五輪に出場する烏干達(ウガンダ)選手団のうち、先月19日に成田空港の検疫で陽性が確認された男性指導者(コーチ)に関して「再びPCR検査で陽性が確認された」と(いずみ)佐野(さの)市が公表。(くだん)の男性は療養施設での待機を経て、今月1日に国の療養解除の基準を満たし、他の選手達が宿泊する大阪府泉佐野市の宿舎に移動した後も個室内で待機。PCR検査を毎日受けていて今月2日までは陰性だったが、昨日採取の検体が再び陽性と判定された模様。別に選手1人の感染も確認済のウガンダ選手団に対しては、全員が今月6日迄は個室内で待機する事が求められており、当該の男性指導者は泉佐野市に到着してからも他の選手達との接触は皆無。諸状況から判断して「恐らくは体内に残存したウイルス遺伝子の一部がPCRで増幅されて陽性と判定されただけで再感染では無く、感染を広げる恐れも伴わない」と云うのが専門家達の見解の様だ。

 先月中旬から開催されている蹴球の欧州選手権、“UEFA EURO 2020”。欧州各地の会場で熱戦が繰り広げられる一方、同大会を発端に複数の開催地で新型コロナウイルスの感染が拡大。露西亜の聖彼得堡で試合後に1日の死者が過去最高を記録した件に就いては今週水曜の項に記したが、英国北部に於いても蘇格蘭(スコットランド)の保健当局が「開催から2週間でEURO 2020関連の感染と確認された者は2000人近くに及ぶ」と発表。世界保健機関の欧州地域事務所上級緊急担当官を務めるCatherine Smallwood氏は「球場(スタジアム)内で観戦した観客による集団(クラスター)感染」のみならず、「試合会場への移動」や「酒場(バー)居酒屋(パブ)に大勢の支持者(ファン)達が密集して集まって騒ぐ事」を通じて「他の場所でも多くの感染が起きている」と警告。WHOは同大会が感染拡大に繋がった事を認め、「東京五輪がCOVID感染拡大に繋がらぬ様に慎重な対応が必要だ」と呼び掛けたとの事。

 今週は仕事の合間を縫って、ワクチン接種(せっしゅ)にも協力。当地の医師(いし)(かい)を通じて勤務先の公立病院に依頼が届き、内科外科から派遣されるも数ヶ月経つと当方へも順番が巡って来た形。「精神科医等に頼る様で大丈夫か」と(たん)じたくなるも、「海外では薬剤師のみならず一般の無償協力者(ボランティア)も参加している」と聞けば文句も言えず。市から渡された資料を熟読して接種会場に(おもむ)いた所、接種自体は看護師に任せ、合計4名の医師は只管(ひたすら)問診に専念しなければ、会場全体が円滑に回らぬ仕組み。障壁(パーティション)を隔て、短時間ながらも接種対象者の方々と問答(もんどう)する業務は精神科臨床と関連が無い事も無かった。65歳以上対象の優先接種は(おおむ)ね済んだのか、接種を求めて来場される年齢層は61歳から64歳が多かったが、何十人やら数百人やらも知れぬ大勢(おおぜい)と4時間に渡って同じ話をし続けると(いささか)疲弊(ひへい)。其れでも業務を終えて外に出れば、「多少なりとも世間の役に立てたか」との達成感有り。

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