令和3年6月第3週
6月14日(月曜)
本日に国内で936人の新規感染を確認。1日当たりの新規感染者が1000人を下回ったのは3月22日以来で死者は60人、重症者数は849人で前日から3人減った由。東京都内の感染者数も209人と前週月曜より26人少なく、直近1週間平均は380.4人で前週比90%。大阪府も57人で前週比15人減と、我が国の感染状況は小康状態の様に見えるが、日本海及び鄂霍次克海を隔てた露西亜では、独自の変異株が数多く流行。首都莫斯科を中心に感染者数が再び急上昇して、Sergey Sobyanin市長が料理店の深夜営業を禁じ、一部の職種を除いて19日まで非労働日とする緊急措置を発動した由。
世界五大医学誌の一角、倫敦と紐育に編集部を持つLancet誌が「東京五輪やパラリンピックの開催を巡る議論について、世界保健機関(World Health Organization; WHO)等が沈黙しているのは責任逃れだ」と批判する論説を公表。国際五輪委員会(International Olympic Committee; IOC)や日本政府だけでは無く「今すぐ世界規模で議論するべきだ」と訴えると共に「五輪では世界中から選手や報道関係者、職員が参加するのに、ワクチン接種が義務化されていない」事から、日本の感染状況への影響のみならず「それぞれ自国に戻った際に新たな流行を生み出す危険性が有る」との懸念が示された。
しかし、日本政府は「G7の首脳声明に五輪開催への支持が盛り込まれた」事から「国際公約になった」「中止や延期はもう無い」との方向で、開催準備を本格化させる模様。大会期間中は東京都に蔓延防止等重点措置を適用する調整が始まり、緊急事態宣言の解除を機に「観客数制限を緩和する案」も浮上している等の報道有り。
6月15日(火曜)
日本政府が五輪開催を推進する一つの根拠がG7共同声明で在る事は昨日の項にも記した通りで、菅義偉総理大臣は「全首脳から大変力強い支持を頂いた」とも語っているが、某紙電子版の報じる所に依ると、当該の文言が入ったのは英語で全25頁、約1万4000語に及ぶ共同声明の結語。しかし、五輪に触れた箇所は最終段落の末尾から3行足らず、僅か30語句に過ぎず、2月に有線接続の首脳会談で採択された「日本の決意を支持する」との声明を再確認したに過ぎないとの報道有り。
そもそも菅首相と独逸のAngela Merkel首相との会談では五輪の話題が出ていない上に、伊太利のMario Draghi首相とは会談すらしていない。各国政府の公式発表を見ても、英国「東京五輪への支持を表明し、安全な大会実施に向けた日本の努力を歓迎した」、米国「選手やスタッフ、観客を守るために必要な公衆衛生対策を講じた上で、開催に向けた動きへの支持を確認した」、加奈陀「安心・安全な大会の開催に向けた日本の努力に支持を表明した」程度。菅首相と会談して「開会式への出席を楽しみにしている」と明言したのは、2024年の巴里五輪を控えた仏蘭西のEmmanuel Macron大統領のみ。
主要国首脳会議は余程の事が無い限り各国の利益に配慮して進められるのが慣例で、五輪開催は今回の主たる議題でも無し。共同通信社にも籍を置いた国際記者の春名幹男氏は「支持の文言は言ってみれば飾りみたいなもの」で「力強いかどうかは菅首相の主観に過ぎず、胸を張れるほどの内容では無い」と断じた由。
僅か一週間前に丸川珠代五輪大臣が「まだ調整中」「今の所、来ると聞いていない」と困惑し、前日に東京五輪・パラ開催に反対する街宣活動が激化する中、『はったり男爵』の異名を取るIOC副会長、John Coates氏が本日に来日。統括部長や副調整委員長も同行して大会期間中まで滞在する予定だが、彼等は何れも来日から三日間のみ宿泊先で隔離生活を行った後、四日目以降は「決められた用務先に限り活動が認められている」由。「全ての国または地域を出発し、日本に到着する航空機及び日本の港に入港する船舶に乗って来られた方」は「検疫法に基づく隔離(入院)・停留が必要となる場合」が有る上に「検疫所長が指定する場所(自宅等)において14日間の待機をお願いする」と定めた厚生労働省通達に真っ向から違反している筈だが、或いは此れも日本の誇る“O, MO, TE, NA, SHI”かも知れぬ。
国際オリンピック委員会に総額1兆円を超える巨額な放映権料を払う契約を結んでいる米国の放送系列、National Broadcasting Company。略称NBCを含むNBCUniversal Mediaで最高経営責任者(chief executive officer; CEO)を務めるJeff Shell氏が、世界最大規模の金融複合企業体Credit Suisseの投資家に向けた回線接続会議で発言した内容を、昨日付のLos Angeles Times紙電子版が報道。”Will the Tokyo Olympics happen? NBC is banking on it”と題された記事に依ると、東京五輪に関して「開幕まで数週間」となり「我々は開催されるだろうとの自信を更に深めている」と語ったシェルCEOは「全ての五輪で開幕に向けて人々が不安を抱える問題が有る」、2012年の倫敦五輪では「交通問題に諸有人が不安を抱えていた」し、前回の里約日内路五輪では「ジカ熱の問題が有った」が「開会式が始まると、全ての人々が其の問題を忘れて17日間を楽しんだ」「今回も同じようになる」と楽観的観測を語り、未だに収束せぬCOVID-19の世界的大流行を矮小化して見せた由。
同紙曰く、NBCユニバーサルは5年前のリオ五輪で16億弗の収益を上げ、12億弗の広告収入を得た。IOCとの業務提携を2032年迄延長する為に、同社が誓った代価は総額120億弗、約1兆3200億円。莫大な放映権料と引き換えに、同社は2年毎に17日間の五輪報道を利用して主要な広告主や何百万人もの視聴者との関係を構築し、視聴率争いの相手を粉砕して来たそうだが、シェルCEOは、東京五輪は「此れ迄の我が社の五輪報道で最も利益を齎すかも知れない」と予測。
NBC五輪報道の命運は「米国選手の活躍に依って左右される」が、東京五輪では第一週にimone Bilesが出場する予定。前回五輪で女子団体、個人総合、跳馬、床で合わせて4個の金牌を得た体操王者の登場が「視聴者の関心を五輪に集めるために役立つ筈」。一年以上の期間を「人々は自宅に籠って過ごして来た」が、五輪の後には「運動選手の成功と彼等の物語を祝う為に世界が一つになるだろう」と自信有り気に語るシェル氏に対し、記者は「パンデミックの真っ只中」での五輪開催は「何千人もの世界の運動選手と群衆を集めても安全か」との懸念が有り、医療の専門家は「感染者数が再び急増した場合やウイルス変異に対応出来ぬかも知れぬ」と警告し、日本国民のワクチン接種は進まず、世論調査で「80%以上が中止か再延期を望む」と回答する情勢に於いても「NBCユニバーサルにとって五輪の放送は、系列局と莫大な金儲けの為の大看板を打ち立てる好機なのだ」と書いた。IOCは金を、NBCは視聴率を、菅政権は票を手に入れるとして、国民には何が残るのだろうか。
6月16日(水曜)
本日に政権幹部が明らかにした所に依ると、10都道府県に発令中の緊急事態宣言を「沖縄を除く9都道府県で20日の期限を以て解除する」方向で政府が調整に入った由。このうち北海、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の7都道府県は蔓延防止等重点措置に移行するが、沖縄の宣言延長と7都道府県の重点措置は7月11日迄継続。19時迄の酒類提供が容認され、岡山と広島は重点措置への移行を経ずに解除となる模様。正式決定は明日の政府対策本部となるが「変異株の影響による再拡大が懸念される中、7月23日開幕の東京五輪を意識しての宣言解除か」との世評有り。
本日に政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が会合。来月や再来月の催事に関して「緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置解除後、約1ヶ月の経過措置として、定員50%以内なら観客上限を1万人」とする政府案を了承する一方、尾身茂会長は「五輪とは関係ない話として了承しました」と語り、五輪では規制を更に厳しくすべきかとの質問には「近日中に意見を纏めて出すので、其処で申し上げたい」と明言を避けた。尾身氏は国会で東京五輪の危険性に関する提言を行う意向を表明して居り、「国や組織委員会が決める前、つまり20日迄に意見を発表する」「最後の詰めを行っている」と状況を説明。無観客の提言の可能性に就いて「然う云う事も含め、近日中に御話しする」と述べたそうだが、観客を入れての開催に拘る菅総理の反応や如何に。
東京都の新規感染者数は前週土曜に436人だったのが、今週12日は467人となり、30日ぶりに増加。翌13日は304人で前週の351人より少なかったものの、厚労省の諮問委員会も、東京都の感染状況に関して「緊急事態宣言下にも関わらず人出の増加が見られ、今後、感染者の反跳が懸念される」と分析。脇田隆字座長が「東京は、滞留人口が5週間連続で増加している」「20代で既に反跳して来ている状況」と語り、今月20日以降の宣言解除に際しては「対策の緩和を段階的に進める事が求められる」との考えを示した。また会合では「感染力の強いデルタ株の影響を受けて、来月からの東京オリンピック・パラリンピックの開催中に東京で一日当たりの感染者数が千人を超え、緊急事態宣言が再び必要になる可能性がある」との試算結果も公表されたそうだが、五輪開催が止まらぬ以上、多少の対策を打った所で焼け石に水か。
高齢者向けのワクチン接種に関する政府の調査で、菅総理の方針通り7月末までに完了する見通しを示したのは当初「全国1741市区町村のうち、凡そ1000の自治体」のみだったが、其の後に政府は接種の加速化に向けて対策を強化。総務省も4月末に地方支援本部を設置する等で援護射撃を行った頃、直近の調査では「全自治体が7月末までに終える見通しだと回答した」模様。防衛省も本日に「今週中の大規模接種センター予約枠が全て埋まった」と発表。遅きに失した感も有るが、国内の接種が進展して行く事自体は喜ばしい。
6月17日(木曜)
新型コロナウイルス感染拡大防止の為に「大会中は抱擁や性交渉を含む選手同士の身体接触が禁じられる一方、16万個もの避妊具を配布する矛盾に関してRoiterに質問された東京五輪組織委員会が「選手村で使用されるものではなく、HIVとAIDSの問題に対する意識を高める為、選手に母国へ持ち帰って貰う目的」と回答。此の件に関して、米国の四大運動を主に扱うSB Nation(旧名SportsBlogs Nation)が「五輪選手に選手村で性交渉をしない様に」等と頼むのは恰も「犬の前に火腿を置く」が如し。「私は後ろを向くがハムを食べてはならない」と命じた所で「犬はハムを食べるに違いない」と痛烈に批判。他にも“Instead of there being Olympic bed talk, they want a TED Talk.”や“Instead of getting their Tokyo bone on, they want pro-condom songs.”、“Instead of Tinder hookups, they want locals to lookup how to practice safe sex.”等の記述有り。皮肉や下根多を織り交ぜた文章の様で、一つ目がTED Conferenceに於ける演説と閨の睦言を掛けている事は現代米国の文化や俗語に疎い当方でも気づいたが、後は調べても“bone on”が勃起を指す事、“Tinder”は有名なdating app、日本で言う所のマッチングアプリで在る事位しか分からなかった。
5月25日付でNew England Journal of Medicine誌に掲載された“Protecting Olympic Participants from Covid-19 — The Urgent Need for a Risk-Management Approach” なる論文。第一著者のAnnie K. Sparrow氏は紐育の医科大学、Icahn School of Medicine at Mount Sinaiの助教授で専門は人口健康科学及び政策。共著者のLisa M. Brosseau氏は産業衛生や微液滴透過性感染症、呼吸保護を専攻する、Illinois大学Chicago校の元教授。
スパロー氏達の指摘に依ると、PfizerとBioNTechが「全ての五輪選手にワクチンを寄付する」事を申し出たが、百ヶ国以上でワクチンが認可されていない為に全選手が大会前に接種を受けられる事が保証された訳では無いし、一部の選手が接種を受けない事を選択する可能性も有る。また殆どの国では15歳から17歳迄の年代は予防接種を許可されて居らず、15歳未満が接種を得られる国が更に少ない事から「10代選手の大半は予防接種を受けないだろう」と考えられる。National Football League (NFL), National Basketball Association(NBA)を含む米国の職業的運動連盟の活動が厳しい感染対策の上で実施された事等の教訓から、IOCは学んで居ない。五輪のplaybookは選手を自己責任で参加させる域を出ず、選手以外の訓練指導者、無償協力者や職員、交通機関や旅舎の従業員等、何千人もの人々を十分に保護していない。「2016年にジカウイルス感染症が国際的に公衆衛生上の懸案事項念となった際、伯剌西爾での五輪開催に先んじてWHOが緊急委員会を招集した」先例を踏まえ、今回もWHOは労働安全衛生、建築・換気工学、感染症疫学の専門家、及び選手代表を含む緊急委員会を直ちに招集すべき等々。
其の後、改訂された五輪playbookの最新版を読んだSparrow氏とBrosseau氏が本日、米国のHILL誌に寄稿。両氏が先のNEJM論文で「IOCが思慮深く細やかな感染を実行し、活動や場所に合わせて微液滴吸入を防ぐ事に焦点を当てる様に」と両氏が推奨した事は実現せず。最新版でも「パンデミック初期に感染の主要経路と考えられていた飛沫感染と接触感染のみに焦点を当てて」微液滴や変異株の存在や影響を考慮していない事を嘆いて、現状では「五輪の2-4週間後、ちょうどパラリンピックが開始する頃に、日本だけでなく世界中で感染急増」「最悪の場合、既知と未知の変異株が東京で共有かつ混合されて世界中に広がり」、「五輪が世界規模で新型コロナウイルス感染を拡大させる」催事となる恐れ有りと改めて指摘。WHOが直ちに緊急委員会を招集することを強く勧める」と再び訴えた。
日本の感染対策が危ぶまれる中、今夜に菅義偉首相が記者会見。五輪開催に関して、外国人記者から「感染拡大リスクが有っても何故、大丈夫だと思うのか」「NOと言えないのか」「自尊心か、または経済の理由か」と問われて「NOでもプライドでも経済でも無い」「日本に於いては、外国から来られた方の感染対策をしっかり講じる事が出来るからだ」と反駁。また菅首相は17日の記者会見で、2019年参院選広島選挙区の買収事件で有罪が確定し、当選無効となった河井案里氏陣営に対する1億5千万円の自民党資金投入を巡り「当時の総裁と幹事長で行われたのは事実だ」と述べた。しかし、当時の党総裁で元首相たる安倍晋三氏に説明を求めるか問われても、具体的な言及を避けた由。感染対策は万全には程遠く、買収事件の真相も判然とせぬが、菅総理は多くを語らぬ。
6月18日(金曜)
人呼んで「8割おじさん」。保健学博士で京都大学の 社会健康医学系専攻教授、コロナ禍に於いて「流行拡大を防ぐには人との接触を8割削減する事が必要で在る」と説いた事で知られる西浦博氏が、昨日に某誌へ寄稿。「政府vs専門家」と云う対立構造は、大衆伝達が作り出したもので実在しないと語る反面、我が国で「リスク評価」と「リスク管理」の関係に齟齬が生じている事を激白した由。
西浦氏曰く「リスク分析」は本来、科学者が行う「リスク評価」と政治が判断して行政が執行する「リスク管理」、関係者全員が相互に情報や意見を交換する「リスクコミュニケーション」の三要素から成り、「リスク評価はリスク管理から独立性を担保することが極めて重要」だが、日本の新型コロナウイルス感染症対策では「リスク評価とリスク管理が明確に分離しているとは考え難い状況」「評価と管理が完全分離していない状態」が続いて来た。感染第一波の中で、専門家会議が「会議後に毎回記者会見を行い、国民に直接呼びかけながら流行対策を政府に提言」した所、「専門家会議が流行対策の全てを背負って決定しているかのような誤解」が生じる一方、「政府はその間、沈黙を守り通して」来た。やがて専門家会議は解散して、厚労省の諮問委員会や内閣官房の分科会が後継。「流行当初のような関係性は次第に改善」するも「リスク評価」と「リスク管理」の分離は困難で在り続けた。
当初から「リスク管理者として決断を躊躇する政府」は「専門家のご意見を基に判断した」と云う「専門家に責任を擦り付けつつアナウンスする、卑怯ともいえる言い回し」を多用して来たが、五輪開催が推し進められる中でも「安全安心な大会」の決まり文句を「何度も口にするリスク管理者」から「五輪のリスク評価の詳細」が語られる事無し。西浦氏は「リスク評価」から「リスク管理」が行われ、其れが「コミュニケーション」されるという過程が完結する事が「何にも替えがたいくらい重要」で、為政者の判断で五輪を強行するならば、「安全安心」に言及する前に「リスク評価に耳を貸した上で管理項目や体制について考える」事。そして責任を回避せず、総理大臣が「責任は私がとる」と「常に国民を見つめながら毅然と述べられる」事が重要で、更に「説明を尽く」す事が必要となる。例えば「臨時で時間をかけてテレビやラジオの生放送で語りかけ」「それを通じて総理の五輪に対する想いをざっくばらんに述べ」たならば理解しようと云う国民も多いのではないか。総理は「自身の哲学を持たれている聡明な方」なので「改善するのはいまからでも遅くないと思っています」と菅氏に語り掛けた模様。
五輪開催に伴う感染拡大への懸念に対して、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志が提言案を纏め、本日に政府へ提出。東京は既に人流が増加して居て来月にも感染再拡大の恐れが有る事、更に来月下旬から五輪に伴う人流増加とデルタ型変異株の流行等で感染が全国に広がり、8月下旬には医療逼迫に陥る危険性が高い事を説き、五輪を開催するならば「無観客が最も感染リスクが低い」。観客を入れる場合も「通常のイベントより厳しい人数基準を適用する」「観客を会場の地元住民に限定する」「感染拡大の予兆があれば、五輪開催中でも緊急事態宣言発令や無観客等の強い対策を取る」等の対応を推奨。また記者会見で尾身茂会長が「当初は、そもそもオリンピックを開催すべきかどうかと云う事や開催の方法も含めて議論した」が、菅義偉首相が先日の主要7ヶ国首脳会議で五輪開催を表明した事で「実質的に殆ど意味が無くなった」と判断し、開催の有無に関する記載を削除した経緯を説明した由。
分科会の動きを知って知らずか、来月23日に国立競技場で行われる予定の五輪開会式に関して、政府が「一般観客の上限を1万人とし、更に別枠で大会関係者を入れる方向で調整」を始めた旨の報道有り。開閉会式の参加予定者は「IOC委員等の五輪関係者に加えて、各国首脳や各国際競技連盟会長」、更には「多額の協賛金を収めた資金提供者」に「其の招待客」と多岐に渡るものと見られる。競技自体の観客上限を他の国内催事と同じく1万人とする案も含めて、21日にも開かれる政府、東京都、組織委、IOC、国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee; IPC)による五者協議を経て正式決定となるそうだが、此の間に西浦氏が求めた如くに菅総理が誠意を以て専門家に、そして国民に向かい合ってくれるだろうかと考えて見るも、余り脈は無さそうだ。
6月19日(土曜)
本日は全国で1520人が感染、28人が死亡したとの発表有り。重症者は740人。明日に緊急事態宣言の解除を控えた東京では、「五輪期間中に都内で計画していた公共観覧を全て中止する」と決定した旨を東京都知事の小池百合子氏が発表。一部会場はワクチン接種会場に転用するとの事。 其の小池都知事が総理大臣公邸へ赴き、本日15時頃から一時間程に渡って菅総理大臣と会談。今後の感染対策等を巡って意見が交わされると共に、五輪観客数の上限を決める五者会談が迫る中で「安全・安心な大会の在り方」が協議された様だが、小池氏が国に叛旗を翻して五輪中止に向かう素振り無し。
他には「宣言解除を前に、都内の酒卸売り会社が出荷作業に追われる」、「近畿大学が職域接種の予行演習を始め、KDDIは予定を前倒しして開始」、「全国保険医団体連合会が31都道府県の小中学校や高校等を調査した所、コロナ禍で4割の学校に子供の健康悪化有り」「最多が肥満増加、次が視力低下」等の報道有り。感染対策への不安等から東京五輪の学校連携観戦を中止する学校が相次ぐ状況に対し、政府は「競技会場が緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の地域に当たる場合」に「学校側が参加するかどうかを判断するための基準が必要」として指針を作成する様で、緊急事態でも子供達の動員を諦める心算は無いようだ。
明後日の「世界難民の日」を前に、国連難民高等弁務官事務所(The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees; UNHCR)が最新の報告書を公表。「紛争や迫害等に因って国外に逃れた難民や家を追われた国内避難民」等は昨年末の時点で8240万人近く、前年より290万人増加。また難民と国内避難民を合わせた数は9年連続の増加、且つ過去最多となった由。昨年はCOVID-19の影響で国境を一時閉鎖する国が160を超え、難民の移動は例年よりも減少するも国内避難民は内戦や混乱によって増え続け、中東では内戦が続く叙利亜で670万人と最も多くの難民が生じ、南米では政治的な混乱が続く委内瑞拉から400万人が国外に逃れ、イスラム教徒の少数派ロヒンギャ110万人が緬甸から逃れた。NHCRは「土耳古や哥倫比亜等、一部の国に難民受入の負担が掛かっている」「難民受入国を国際的に支援して行く必要が有る」と訴えた由。
6月20日(日曜)
東京都、中央区晴海。五輪・パラリンピックの各国選手団が生活する選手村の内部が、本日に報道陣に公開された。取材に応じた大会組織委員会の北島隆氏が「選手村で配布する約16万個の避妊具」及び「我々の避妊具配布の考え方」に言及。「HIV、AIDSは運動選手を始め、世界の若者の未来を奪うような病気」「我々としては其れに対してきちんと対応して行くべき」「HIVやAIDS等の感染症は差別や貧困にも繋がる」と一般論を語った後に、配布される避妊具は「飽くまでも選手村で使うものでは無い」が、「運動選手の方々は母国での発信力が有る」ので「きちんと母国に持ち帰った上で啓発をして頂く」「そう云った事が非常に重要な取り組み」と述べる一方、「今回は帰国の手続きの際に各国選手団向けに配布し、母国に持ち帰って頂いて協力して頂く」との方針転換が明らかにされたとの事。
Social distancingが保たれている限りは性感染症が伝染する事も無い筈で、発信力を求めるならばYoutuberに頼んだ方が良いと思うが、世界中に嘲笑されながら従前通りの配布が行われる醜態は避けられた模様。都内に於ける五輪公共観覧の中止に関しては、昨日面会で伝えて「総理からも理解を得た」、代替策として「websiteを活用し、文化等に就いて発信して行く」とは小池知事の言なり。
元大阪府知事、大阪市長で、弁護士の橋下徹氏が本日にフジテレビ系の番組に出演。東京五輪が近づく中で菅総理が「安心安全な大会」を謳い続ける事に関連して、恰も「我々日本国民が我慢して下さいね」「我慢してるから五輪・パラリンピックが安心・安全なんですよ」と聞こえる、と語る司会の宮根誠司氏に、橋下氏は「僕もそう思うんですよ」と同意。ただ「我慢しなくて良い存在」が「五輪貴族」と「入場券買った人には申し訳ないけど、観客」で、彼等だけが我慢せずに「他の国民全員が我慢する」事には「多くの国民が納得しない」。氏自身は「観客を入れてもそんなに危険性は無いと思う」と考ええているが、「五輪は国民に支持されての大会」なので「感情にどう応えるか」を考えれば「無観客ですべき」「特に五輪貴族が会場に入って楽しむなんて、僕は許せませんね」との見解を語った由。
橋下氏の語る理屈には納得が行かぬ部分も有り、開催が近づいて来る程に氏の発言は微妙に五輪へ批判的に変じた様な気もするが、観客1万人と五輪貴族を客席に並べるより無観客の方が望ましいと思われる点には同意。そして、更に良いのは中止との私見は未だ変わらぬ。




