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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和3年5月最終週~6月第1週

5月31日(月曜)

 自衛隊が東京(とうきょう)都と大阪(おおさか)府で運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模(だいきぼ)接種(せっしゅ)センター。昨日(まで)は東京23区と大阪市の65歳以上の高齢者のみだった接種対象を、本日から東京、埼玉(さいたま)千葉(ちば)神奈川(かながわ)の4都県と大阪府の65歳以上に拡大すると共に、対象人数を1日当たり1万5000人まで増やす模様。首都圏3県は6月7日からの予定だったが、東京会場の予約枠が空いていた為に1週間前倒しされて、6月7~13日分の予約受付も始まり、大阪会場では京都(きょうと)府と兵庫(ひょうご)県が新たに対象に加えられる由。  

 フジテレビ系列の報道サイトに於ける連載“木村(きむら)太郎(たろう)のNon Fake News”。本日更新分に「『コロナウイルスは武漢(ウーハン)研究所で人工的に変造された』英研究者らが法医学的学術論文発表へ」と刺激的な題名が付けられていたのと、法医学的との記載が気になった事から一通り読んで見た。英国の大衆紙Daily Mailの電子版を和訳、抜粋しただけのものだったが、倫敦(ロンドン)の聖George大学で腫瘍学専科のAngus Dalgleish教授と諾威(ノルウェイ)の製薬会社会長で生物学者でもあるBirger Sørensen氏が「ウイルスが人工的に改竄(かいざん)された痕跡フィンガープリントを発見した」等の話は昨年中からDaily Mail紙が主張して来た内容で、「自然に生じた変異とは考え(にく)い特徴が多い」「即ち新型コロナウイルス、SARS-CoV2は中国の研究所で作られた可能性が高い」という域を超えていない印象。

 木村氏は「単なる噂話ではなくウイルスを法医学的に分析した学術研究なので説得力があり」等とも書いているが、研究者二人の専門領域は前述の通りで、法医学者では無い。前後の文脈を虚心(きょしん)坦懐(たんかい)に読めば、引用符(いんようふ)付きの'forensic analysis'が法医学的介入自体を指すのでは無く、中国の活動を犯罪に見立てて「(あたか)も法医学的分析のような」という表現に過ぎぬのは明白。()の論文が掲載予定なのは「近く発行される生物物理学の季刊誌Quarterly Review of Biophysics Discovery」と()うのもDaily Mail紙記載の通りだが、其の名で検索しても引っ掛からず、どうもQRB Discoveryが正式な名称とされている模様。

 (ちな)みに自分は中国を弁護したい訳では無く、個人的にも「武漢研究所で作られたウイルスが意図的では無く、誤って外部に漏れた」可能性は比較的高いとも感じているが、残念ながら両氏の報告は今回も灰色を濃くする事は出来ても中国を追い詰めるに足る決定的証拠とは言えぬだろう。

 丁抹(デンマーク)の公共放送が報じた所に()ると、米国の国家安全保障局(National Security Agency; NSA)は独逸(ドイツ)仏蘭西(フランス)瑞典(スウェーデン)、そして諾威の首脳や高官の情報を集める為に丁抹国防省傘下の国防情報庁との協力関係を利用して、同国の電網(インターネット)回線を盗聴していた由。事実ならば、元NSA職員のEdward Snowdenが2013年に機密情報を暴露し、2001年9月11日の同時多発攻撃を受けた後に米国政府が大規模情報収集活動を行っていた事が明らかになった後も同国は諜報活動を行っていた事になる。大国の汚い遣り方を許容する心算は無いが、此れも現実で在り、中国の方が米国よりも国際法遵守に熱心だと云う話も寡聞にして知らぬ。

 世界保健機関が本日に宣言した所に依ると、特定の国への差別的な扱いを防ぐ目的で、主要な変異株に関しては今後、希臘(ギリシャ)文字を用いた表記が推奨される由。即ち今迄に英国で最初に確認され、英国株と呼称されていたものはalpha変異株。南阿弗利加(アフリカ)で確認されたものは beta変異株。伯剌西爾(ブラジル)で拡散したものがgamma変異株で、印度で確認されたもののうち最も拡散したのがdelta変異株となるが、我が国で当面の脅威となるのは旧印度株改めデルタ株と目される模様。


6月1日(火曜)

 先月17日に神戸(こうべ)市内の医療機関で50代の男性のCOVID感染を確認が確認され、()の後のゲノム解析で「英国株改めアルファ株が更に変異したウイルスで、国内では初確認」の病原体が確認された由。神戸市の発表では欧州を中心に150例ほど確認されたものと類似しているが、男性や家族に直近の出入国は無い為に「男性の体内で変異したもの」と見られており、他のアルファ株に比して感染力や重症化の危険性は変わらぬ模様。

 本日から65歳超の皇族に対するワクチン接種が始まるも、宮内庁発表に依れば「皇族方の接種について国民と同じ接種順位で行う方針」との事。周囲より早く接種を受けられたとして、其れを特権と考えるか、或いは民衆に(はん)()れる為に先陣を切ったと考えるか。世に"noblesse oblig"と云う言葉も在るが、波風立てず無難に済ます為には正しい選択と言えよう。

 東京五輪の(ソフト)(ボール)競技に出場予定の豪州女子選手団を乗せた飛行機が、本日の午前7時半頃に成田空港へ到着。海外選手団が大会延期後の五輪本番に向けて入国するのは初めての事で、選手20人、スタッフ9人の選手団は空港で検査等の手続きを済ませた後、専用の乗合自動車(バス)で事前合宿先の群馬県太田市に移動。市内の旅舎(ホテル)に大会直前の7月17日迄滞在して、日本の実業団チームとの練習試合が予定されるも、計画されていた市民との交流行事は全て中止となった模様。

 本日午前の記者会見で、加藤(かとう)勝信(かつのぶ)官房長官が「ワクチン接種を加速させる為に企業や大学等で職域(しょくいき)接種(せっしゅ)を開始する」旨を発表。「職域」の語は「職業、職務の範囲」「受け持った仕事の領域」、「職業に就いた場所」「職場」、「海上自衛隊の兵科、兵種」「航空自衛隊の兵種」等を指すらしく、当方は第一或いは第三の意味が思い浮かんだ為に違和感が伴ったが、今回の「職域接種」では第二の語義を念頭に用いられたか。

 当該事業は市区町村や自衛隊に依る高齢者への接種と並行して進められる予定だが、大規模接種センターと同じく米モデルナ製のワクチンが支給され、米ファイザー製を用いる市区町村による接種とは一線を画したものになる模様。接種に携わる医療従事者や会場等に関し、加藤氏は「自治体による高齢者接種に影響を与えない様、企業や大学等が自ら確保する」と説明。企業の場合、産業医が従業員とその家族らに接種することなどを想定している。開始は今月21日の予定だが、高齢者接種の早期終了が見込める自治体に対しては職域接種の「時期を前倒す事も可能とする」為に「早ければ6月中旬から開始する職域接種もあると思う」とは加藤氏の談。


6月2日(水曜)

 本日は全国で3036人の感染を確認。都議会で都のオリンピック・パラリンピック準備局の中村倫治局長が「来月23日に開会して8月8日に閉会する東京オリンピックの期間中、代々(よよぎ)公園(こうえん)での公衆(パブリック)観覧(ビューイング)を中止する」旨を公表。世間の批判を受けての急展開で「都が警察と消防の職員等を対象に行うワクチン接種の会場として使う」との理由を素直に受け止める者は少なかろうが、パラリンピック期間中の公式観覧に関しては「ワクチン接種の進捗(しんちょく)や大会の運営状況等を踏まえ検討して行く」との事。

 首相官邸は昨日時点での集計として「国内で新型コロナウイルスワクチンの接種を少なくとも1回受けた人の数が一千万人を超えた」旨を公表。内訳は医療従事者等が465万3566人、65歳以上の高齢者等が573万4023人だが、未だ人口の約8%相当に留まっている由。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身(おみ)(しげる)会長が、本日の衆議院厚生労働委員会に出席。東京五輪の開催に関して「今の状況で普通は無い」が、開催するのならば「感染危険性(リスク)を最小化する事は開催者(オーガナイザー)の責任」。「人々の協力を得られるかが非常に重要な観点」で在り、「何故遣るのかが明確になって、初めて市民は『其れなら此の特別な状況を乗り越えよう、協力しよう』と云う気になる」「国がはっきりとした展望(ビジョン)と理由を述べる事が重要だ」と五輪開催に向け、(すが)義偉(よしひで)首相による説明を求めた。また尾身氏は衆院内閣委員会で、感染の最小化に関して「五輪を遣るので在れば国や自治体、国民に任せるだけでは無く、組織委員会も最大限の努力をするのは当然の責任だ」と重ねて強調。「自分の贔屓(ひいき)の選手が金メダルを取ったりすれば声を上げて喜びを表す事も有るだろうし」「其の後、(みんな)で『一杯飲もう』と云う事も有り得る」、感染拡大の危険性を高めるような公衆観覧の推奨は「一般の市民には理解し(がた)いと云うのが我々専門家の意見だ」と述べた。

 厚生労働省へ助言を与える諮問(アドバイザリー)委員会(ボード)も、今夜に五輪・パラリンピックに就いて討論。座長で国立感染症研究所長の脇田(わきた)隆字(たかじ)氏は、会合後の記者会見で「大きな行事(イベント)に依って国内の感染状況に如何云う影響が有るか」の評価を行った上で「其れに基づいた必要な対策が行われるべきだ」との意見が出ており、「私自身も然う思う」と語った。五輪開催を巡っては、感染状況がstage 3(感染急増)ならば「無観客を含め、大会の規模を縮小しないと再び感染拡大に繋がる危険性が有る」、stage 4(感染爆発)に至っては「医療の逼迫(ひっぱく)が更に深刻化する」等の見解に就いても専門家間で討議された模様。

 東京五輪、及びパラリンピックの競技会場や選手村で活動予定の無償協力者(ボランティア)(およ)そ8万人。今年2月に組織委員会の前会長、(もり)喜朗(よしろう)氏が暴言を吐いた挙句に職を辞した後、辞退者が続出。感染も依然として収束しない中で、昨日迄に辞退者が凡そ1万人に増加したと報じられるも、組織委の武藤(むとう)敏郎(としろう)事務総長は「五輪とパラリンピック両方で活動して貰う等の対応」で「運営に問題は無い」と語った由。

 また組織委に依ると、無償協力者を含む国内から参加する関係者は五輪で約19万人、パラリンピックで約11万人。延べ30万人に上る模様。東京オリンピック・パラリンピックの各競技会場にはVMO(venue medical officer)と呼ばれる会場医療責任者の医師が配置され、現場を統括して観客の診療を担う事が計画されていた。しかし、感染が収束せず医療逼迫が続く為か、VMOを担当する予定だった大学病院の救急医等が業務多忙を理由に辞退する例が相次ぎ、組織委員会は代わりのVMOを確保する為に、5月の時点で日本救急医学会に対して「協力してくれる医師を7人程度、推薦して欲しい」と要望。NHKの取材に対しても「関係各所に相談させて頂いている所」と認めた由。巨艦、(まさ)に沈まんとすれども、船主の(わる)()()きは止まず。


6月3日(木曜)

 現状での東京五輪開催が「普通は無い」とした昨日の尾身氏発言に対し、加藤勝信官房長官は本日会見でも「感染拡大防止に全力を尽くすと共に対策を関係者と一丸となって進めている」「国民に安心して大会を迎えて頂く様にする為、具体的な感染対策を徹底して行く」、五輪開催の意義は「震災から復興した姿を見せる事」や「コロナを克服し、世界規模の課題を解決する能力を示していく事」等と従来通りの説明に終始。日本五輪委員会(Japanese Olympic Committee; JOC)も本日に定例会見。今月1日に国立(ナショナル)鍛錬(トレーニング)(センター)(味の素NTC)にて本格稼働を始めた東京五輪日本選手団へのワクチン接種に関し、山下泰裕会長が「今の所、9割5分(くらい)の選手達が接種する方向で進んでいる」「様々な考えから辞退する人、或いは受けたくても受けられない人も居る」が「9割を超えて9割5分位と私は聞いている」と、少々曖昧(あいまい)な数値を連発。

 英国の大衆紙たるDaily Expressによると、国際オリンピック委員会(International Olympic Committee; IOC)の委員、かつ世界陸連会長のSebastian Coe氏は「東京五輪が中止となった場合、存続出来ない運動(スポーツ)競技が出て来る」と警告。2012年大会の英国招致に成功したコー氏は「26の五輪競技の多くがmake-or-break(伸るか反るか)の状況に直面している」、東京五輪が中止となれば放映権料や広告権料等の収入減から各競技団体への分配金も少なくなる為に「五輪競技の多くが危機的な状況に直面する」「幾つかの競技が実際に消えるのではないか」等と訴え、競技の消失が(もたら)す負の波及効果は「世界中の政府が(おく)()(なが)ら目覚めさせた共同体(コミュニティ)の健康(health and fitness)に影響を与えるだろう」と指摘した由。

 近代五輪の基礎を築いたPierre de Frédy。"baron de Coubertin"(クーベルタン男爵)は称号が示す通りに貴族だったが、現代の五輪で1500(メートル)の優勝を2回獲得した唯一の男で「史上最高の中距離走者」とも呼ばれるSebastian Coeも、また "Baron Coe"の称号を持つ。現役引退後に政界に入り、保守党の一員として国会議員を務めた後、2000年に一代爵位を得て貴族に昇格した由。他の五輪選手(オリンピアン)も往々にして貴族の様な(ふる)(まい)を見せるが、日本国民が健康や生命を犠牲に捧げて彼等(かれら)に奉仕する必要は有るまい。五輪中止と共に競技が消滅するのならば、其の程度にしか世界に必要とされては居なかったのだと云う他無し。真に存在意義を有するのだとすれば、crowd-funding等も駆使して再起を図れば良い事で、共同体の健康維持にも別の方策が在ろうが、全てはコロナ()を生き延びた後の話だ。


6月4日(金曜)

 大画面で生中継の公共観覧に加えて、五輪の大会期間中に競技中継や競技体験、グッズ販売等が行われる「東京2020ライブサイト」。電網上の反対署名が11万筆を超え、渋谷区の都立代々木公園に於ける設置は中止されたが、東京都武蔵野(むさしの)市と三鷹(みたか)市に(またが)る都立()(かしら)恩賜(おんし)公園(こうえん)への設置は断行される模様。都の当初案によると、井の頭公園会場は400米の陸上走路(トラック)に囲われた芝生に設置される予定で、想定来場者数は2万人。都の準備局は「事前予約制を設ける等、規模縮小に向けて見直し中」だが「競技体験や舞台(ステージ)催事(イベント)、公式物品(グッズ)・飲食売店等の内容(コンテンツ)に変更は無い」と説明。

 しかし、感染拡大への懸念は止まず、武蔵野市は昨日に松下(まつした)玲子(れいこ)市長名で中止を求める要望書を小池(こいけ)百合子(ゆりこ)知事宛に提出。中止は望まぬものの、三鷹市も「徹底した感染症対策を講じる」事等を書面で要請した由。東京五輪で自転車競技の道路(ロード)競走(レース)の走路に含まれる東京都小金井(こがねい)市では、今月3日に市議会が「東京オリンピック・パラリンピック開催の中止を求める意見書」を賛成多数で可決。意見書は「東京五輪を見切り発車で強行するのは人命、国民生活尊重の観点から許容限度を大きく逸脱する」として、五輪中止や新型コロナウイルス感染防止の徹底を求めている。同市議会では先月にも有志11人が「コロナ禍の解消までは東京五輪の開催中止を求める」との緊急要請書を菅首相や小池知事等に送付しているが、今回の採決では共産等の7会派11名が賛成、自民、公明など10名が反対に回る中で、立憲民主系等の2人は退席を選んだ由。

 先月28日の記者会見で質問できなかった報道機関が寄せた質問に対し、本日に菅総理大臣が文書で回答。東京五輪・パラリンピックを開催する目的は「安全安心な大会を実現する事に依り、希望と勇気を世界中に御届け出来る」と述べるも、開催の前提は「選手が安心して参加出来る様にすると共に国民の命と健康を守る」で、公衆観覧の実施は「各自治体が感染状況等を踏まえて適切に判断される」と従前通りの答弁に終始。分科会の尾身茂会長が東京五輪は「何の為に遣るのか」「普通では無い」等と発言した事に対し、丸川(まるかわ)珠代(たまよ)五輪相が本日に閣議後会見で発言。「我々はスポーツが持つ力を信じて今迄、遣って来た」「別の地平から見て来た言葉を其の(まま)言ってもなかなか通じ(づら)いと云うのが私の実感でも在る」と語り、同じく閣議後会見で田村(たむら)憲久(のりひさ)厚生労働相も「自主的な研究の成果の発表」に過ぎず「()う云う形で受け止めさせて頂く」と述べた。尾身氏の言葉は総理にも閣僚にも届かず、五輪強行の方針は依然変更無しとの情勢が改めて明確になった模様。


6月5日(土曜)

 本日に(とう)スポWEBが報じた所に依ると、反五輪の風潮が加速し続ける昨今に於いて「選手(アスリート)第一(ファースト)」は死語と化した由。里約日内路(リオデジャネイロ)五輪が開催された2016年に流行語大賞の候補となり、爾来(じらい)、五輪関係者が(にしき)御旗(みはた)の如くに掲げて来た言葉なれども、コロナ禍で事態は一変。五輪への不信感が募る中、代表選手団のワクチン接種優先や選手村への酒類持ち込み容認等が報じられる毎に「何故、選手は特別待遇なのか」と批判される為に、「或るJOC幹部」は「アスリートファーストと発言するだけで世間から叩かれる」「反感を買うから使わないようにしている」と打ち明け、電網で「アスリートファースト」と検索すれば、関連語として「違和感」「嫌い」「おかしい」等が並ぶ状況を「何とも皮肉」と記事は伝えているが、元来が偽善に満ちた言葉に過ぎず、状況悪化に伴って鍍金(めっき)が剥がれるのは是非も無し。

 COVID-19世界的大流行(パンデミック)が人類を脅かす以前に定められた猛暑対策の結論として、東京五輪の名を冠しつつもマラソンや競歩の会場は北海道に変更。8月5日から8日に競歩の男子20(キロメートル)と同50粁、女子20粁、マラソンの女子、男子の順で行われる予定だが、参加する世界各国の選手約340人のみならず、数百人に及ぶ監督や関係者、約2500人の審判員や無償協力者を含めれば三千人以上が札幌に集まる予定。感染拡大が続く中でも組織委員会は「開催地の安全は確保出来る」と主張するも「沿道での観戦自粛を呼び掛けるか否か」も未定で、医療関係者からは「感染拡大に繋がる懸念が拭えない」として中止を求める声も出ている旨を、地元の北海道(ほっかいどう)新聞(しんぶん)が報道。組織委は「全国で各競技の試験大会を計55回実施」して「感染した大会関係者は1人だけだった」事を根拠に「感染対策を徹底すれば、コロナ禍でも大会開催は可能」等と主張するが、札幌の試験大会に限定しても「沿道観戦の自粛を呼びかけるも観客は従わず、決勝(ゴール)(ライン)付近等の複数箇所に密集した」との問題が生じており、感染対策が十分かを事前に検証する(すべ)は無いものと見られている。

 庭球テニス四大大会の一角、全仏資格無制限選手権(オープン)(Les Internationaux de France de Tennis, The French Open)の記者会見巨費を宣言して罰金処分を科されようとしていた大坂なおみ(日清食品)が先月31日、日本時間の今月1日にtwitterで大会棄権の意向を表明。2018年の全米資格無制限選手権で優勝するも“depression”に苦しみ続け、今回は「大会、他の選手、そして自分の健康のために棄権するのが最善の選択肢だ」と考え、「暫く庭球場(コート)から離れる」由。

 昨夏の全米資格無制限選手権で「警官や人種差別の暴力に因って犠牲になった七人の黒人」の名を記した黒いマスクを毎試合で着用して「黒人差別への反対姿勢」を打ち出しつつ優勝も飾って、世論(オピニオン) 指導者(リーダー)としての地位を確立。本年2月の全豪資格無制限選手権も制し、20社を超える広告主(スポンサー)から凡そ6000万(ドル)、約66億円の莫大な年収を得て、女性運動選手としての史上最高額を更新したとの履歴、ビキニ姿と笑顔のInstagram投稿と、元来「人前に出る事が得意では無く」、「世界中の報道陣の前に立つ時は大きな緊張の波に襲われる」との告白の印象は一致しないが、英語の“depression”は鬱病(うつびょう)だけで無く、其他(そのた)諸々(もろもろ)の抑鬱(よくうつ)状態(じょうたい)も指す。

 投稿された文面からは(いず)れとも分明(ぶんめい)せず、適応(てきおう)障害(しょうがい)に因り「精神的苦痛に耐えられなくなる毎に反応性の軽度抑鬱を繰り返していた」。或いは、双極性障害に因り「周期的に躁的状態と抑鬱状態を反復している」等の可能性も考えられる。どちらにしても電網上に散見する詐病(さびょう)を疑う声に(くみ)する心算(つもり)は無く、先(ま

)ずは療養に専念して頂きたいと考える。「来月開幕する東京五輪に就いては、体調等を見ながら出場したいとする意思を示している」との関係者談が出ている件に関しては真偽も含めて首を傾げたくなるが、此れも主治医と本人が話し合って決めれば良い事で、外野が否定すべきでは無かろう。


6月6日(日曜)

 人材派遣会社パソナを中心とした企業体パソナグループの取締役会長を務める竹中(たけなか)平蔵(へいぞう)氏が、本日に読売(よみうり)テレビの「そこまで()って委員会(いいんかい)NP」に出演。東京五輪・パラリンピックに関して「何で遣るか遣らないか、あんな議論するか、私は分からない」。「五輪ってのは世界の式典(イベント)」で「世界の式典をたまたま日本で遣る事になっている訳」だが「日本の国内事情で、世界に催事止めますと云うのは有ってはいけない」「遣ると言った限りは遣る責任が有って」等と語り、立川(たてかわ)()らくが「世論6~7割が中止だって言ってる」「世論が間違ってるって事?」と尋ねたのに対し、平然と「世論は間違ってますよ」「世論はしょっちゅう間違ってますから」と答えた由。

 竹中氏は「こないだの座長の発言なんか(ひど)い」「分科会が五輪の事を決める訳じゃないのに明らかに越権」、「専門家として個人で言うのは良い」が「国会で座長として言ってる」のは「明らかに(のり)()えてますよ」等と分科会の尾身氏を批判。「人流を止めて都市封鎖(ロックダウン)した国でも抑えられなかった」、感染拡大を抑える為に人流を減らす対策は「本当に科学的根拠(エビデンス)が、私は無いと思います」と語り、ワクチン接種が進んでいる為に緊急事態宣言の三度目の延長は無いと予想した上で「分科会がまた変な事を言う可能性が有る」「社会的に何か専門家だと思われてるから、其れに対して菅総理が反対する決断をするのが政治的に難しくなる可能性がある」等と分科会や尾身氏の専門性を否定する暴言を吐くも、更に国民に向けて「コロナ菌に怒ればいい」等と発言した事から「所詮はウイルスと菌の違いも分からず、感染対策の実効性を語る資格等は持たぬ」人物で在る事を露呈。

 竹中氏は(かつ)小泉(こいずみ)内閣(ないかく)で経済財政政策担当大臣や金融担当大臣を歴任。所謂「聖域なき構造改革」を推し進めるも職権乱用や利益相反の批判が絶えず、「日本を格差社会に変えた男」或いは「政商の中の政商」等とも呼ばれる人物。現在も菅総理の私的相談役の一人だと囁かれているが、もう政治には関わらず、法を遵守(じゅんしゅ)した上で自身の金儲けに専念するのが宜しかろう。そして一国の宰相たる者は、もっと相談する相手を選ぶべきだ。

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