令和2年5月第5週
5月24日(月曜)
本日から世界保健機関(World Health Organization; WHO)の年次総会。回線接続形式でTedros Adhanom Ghebreyesus事務局長は「世界は依然として非常に危険な状態にある」と演説。「今年の感染者が既に昨年1年間の合計を上回り、死者数も今後3週間のうちに昨年1年間を超えるだろう」と指摘すると共に「世界のワクチン接種の75%が僅か十ヶ国に集中している」事は「恥ずべき不公平だ」、「ワクチンを手にした少数の国々が、世界の其の他の命運を左右している」と批判。本年9月迄に全ての国で人口の少なくとも10%、年末迄に30%に接種を済ませる目標を掲げ、加盟国にはワクチン分配の国際的枠組みCOVAXへの提供を、製造者にはワクチン増産を求めた由。仏蘭西のMacron大統領は動画で「感染症発生時にWHOの調査権限を強める」事を訴え、独逸のMerkel首相も「WHOは引き続き、世界の保健に主導的な役割を果たすべきだ」と述べたとの事。
栃木県日光市の公立中学校で校長を務める男性が、昨年に「対面」「近距離(2m以内)」「一定時間(15分以上)の会話」の3条件全てに該当する場合を除いて「マスクは不要」との張り紙を学校入口に掲示。「マスクは免疫力を下げる」「高炭酸ガス症は癌の原因にもなる」「マスク対面は人間力を下げる」等の独自理論と共に、「これは私の勝手な判断では」無く「厚労省や文科省の方針に沿ったもの」と虚偽の内容を語った上に、卒業式も原則「ノーマスク」で挙行したいと主張する等の学校運営を本年3月末で定年退職となる迄、続けていた模様。2021年5月22日のtwitter投稿で世間の知る所となる一方、前校長退職後に学校方針はマスク着用に転じるも、彼が書いた非科学的主張の数々は今週も学校サイトに残されており、中学側は「今度どうするか市教委と相談したい」と取材に答えた由。
時に相応の地位を愚かな人間が占める事は国の東西を問わず起こり得るが、校長の愚行を教職員も生徒や保護者も告発せず、「せめて当事者が去った後は誤った記載を消去すべき」との判断すら出来ずに外部からの指摘でネット炎上するのを座して待っていた辺り、「硬直した日本の教育現場ならではの事件」との印象を受けた。問題の学校は「住人も少ない」地域の「3学年で20人くらいの山の中の中学校」故に諸々の判断が緩かったのではないかとの説も見かけたが、真偽は知らぬ。
日本国内の感染状況は『さざ波』に過ぎず「これで五輪中止とかいうと笑笑」、緊急事態宣言は「戒厳令でもなく『屁みたいな』もの」等の発信を繰り返した高橋洋一内閣官房参与が、漸く本日付で退職。「此れ以上迷惑を掛ける事は出来ない」と自ら「辞任をされた」、「大変反省をしておられた」との総理発言を信じる者も居まいが、一個人としてならば自由に吠えさせても差し支え無し。
5月25日(火曜)
高まる中止世論とは裏腹に東京五輪が強行開催に突き進む中、今月22日の時点で国際オリンピック委員会(International Olympic Committee; IOCC)のThomas Bach会長が、国際杖球連盟のonline総会で発言。動画声明の中で、バッハ氏は”The athletes definitely can make their Olympic dreams come true.”(選手達は間違い無く自分達の夢を叶える事が出来る)、“We have to make some sacrifices to make this possible.”(東京五輪を実現する為に、我々は幾つかの犠牲を払わなければならない)等と語り、国内外で波紋を呼んだ。24日にIOC広報が「日本国民にではなく、五輪関係者、五輪運動に向けた発言(Everyone in the Olympic community has to make sacrifices)」と弁明するも事態は収まらず、「犠牲を払う我々とは、いったい誰なのか」「日本国民が犠牲を払わねばならないのか」という批判で電網が炎上した。
英国のGuardian紙は「IOCの『犠牲を払うべき』発言で日本に怒り」との見出しを付けて、IOCが五輪開催の為の犠牲を主張した事で「日本国民の反発と中止へのさらなる声が強くなった」と伝え、先にJohn Coates副会長が「感染対策を講じる事で緊急事態宣言下で在っても無くても安全安心な大会が開催出来る」と発言した事も併せて紹介。「social mediaの利用者達は『コーツ副会長とバッハ会長が今年の五輪開催を圧倒的に反対している日本国民の感情を無視している』と非難した」と続けた。紐育のDaily News紙も「バッハ会長とコーツ副会長が週末に再延期を否定し、別々に問題発言を行った」事を報じ、「感染者が急増し、多くの都市で緊急事態が宣言される」状況で「日本の約80%の人々が五輪開催に反対している」、「世界的大流行開始から日本では1万2000人以上の死者が報告されるも、成人人口の約2%しかワクチン接種を終えていない」と伝えた。
大阪府や福岡県等が5月末迄となっていた緊急事態宣言の延長を政府に要請する方針を示した事に対し、元大阪府知事、大阪市長で弁護士の橋下徹氏が本日放送の情報番組で発言。「結局、僕達は終点を示されずに、ずっと言われっ放し」だが、解除基準となるのは「stage 2なのか、1なのか」。「日本の国として、何処を目指しているのか」を「明確にしないといけない」所だが、そうしないのは「五輪を遣る為の自由裁量を持って置きたい」と云う「政治の意図」だと「もう見え透いてしまっている」と指摘。緊急事態宣言の解除と東京五輪、パラリンピック開催が結びついている現実に対し、宣言延長となれば「不合理に営業を止められる人達も沢山居る」ので改めて目標の提示が重要となるが、其処で「政治家も正直に言えばいい」と云うのが氏の見解で在る由。「オリンピックを遣る為」に緊急事態宣言を延長して「6月20日に解除」とする為に「皆さんに迷惑掛けるけれども」、「迷惑を掛ける所には御金で補償します」と言うべき所を「オリンピックとは関係無い」或いは「オリンピックの為じゃない」等と誤魔化すのは賢い行いでは無い。「僕達も馬鹿じゃないから、そりゃ分かりますもん」と、為政者が国民に本心を示す事を推奨していた由。
嘗て第二自民党とも云うべき維新の会を率い、剛腕を振るった橋下氏が自身を一平民の如く語る所に違和感は有るが、言い分には概ね同意。しかし、率直に話せば国民が五輪開催を受容するとも思えぬ状況も在り、密室で事を決するのに慣れ親しんだ政治家達が氏の助言に従う事は有るまい。
5月26日(水曜)
都内では本日に743人の新規感染を確認。前週の同じ水曜より23人減り、直近の7日間平均は607.7人で前週の83.5%。重症の患者は前日から1人減って70人。
18歳以上に接種が行われて来たModerna製ワクチンに関し、対象年齢の拡大を目指す同社は12歳から17歳の被験者3700人に対する臨床試験を続けて来たが、昨日に結果発表。此の年代でも「初回接種の2週間後に93%」の有効性が示される一方、2回目の接種から2週以降に新型コロナウイルス感染症を発症した者は無く、安全性に於いても成人の治験と同様、顕著な懸念は確認されなかった模様。米国では既にPfizerとBioNTechのワクチンが12歳以上にも接種可能となっているが、モデルナ社は引き続き安全性の観察を続ける一方で、来月上旬にも「FDAや各国の規制当局に対して、12歳から17歳も接種対象とする様に申請を行う」との事。午前会見で加藤勝信官房長官が語った所に依れば、我が国でも「薬事承認取得者である武田薬品工業で、12歳から17歳の臨床試験資料に就いて確認が為されている」模様。
今月23日の時点で長野県の信濃毎日新聞が「政府は中止を決断せよ」と題し、社説で「何のための、誰のための大会かが見えない」「開幕までに、感染状況が落ち着いたとしても、持てる資源は次の波への備えに充てなければならない」と訴えた。25日に九州の西日本新聞が続き、「東京五輪・パラ 理解得られぬなら中止を」、「国民の理解と協力が得られないのであれば、開催中止もしくは再延期すべき」で「開催を強行すれば、禍根を残すことになりかねない」と警鐘を鳴らした。
そして今更と云うべきか、満を持してと云うべきかは不明だが、本日に朝日新聞が「中止の決断を首相に求める」との大型社説を掲載。「誰もが安全・安心を確信できる状況にはほど遠い」状況に於いて「選手をはじめ、五輪を目標に努力し、様々な準備をしてきた多くの人」に思いを馳せれば「中止はむろん避けたい」。しかし、「何より大切なのは、市民の生命」で在り「日々のくらしを支え、成り立たせる基盤を維持する」事。「五輪によってそれが脅かされるような事態を招いては」ならず、「十全ではないとわかっている」状況での「『賭け』は許されない」。ワクチン接種を巡る国同士の格差等を見ると機会平等を謳う五輪憲章も空文化しているが「五輪を開く意義はどこにあるのか」、「そもそも五輪とは何か」。「社会に分断を残し、万人に祝福されない祭典」を強行した場合に「何を得て、何を失うのか」との問いを「首相」「小池百合子都知事」「橋本聖子会長ら組織委の幹部」に投げ掛けた。
同時に発表された社としての見解によると、組織委とオフィシャルパートナー契約を結んだ際から、「パートナーとしての活動と言論機関としての報道は一線を画します」と読者に約束しており、今後も感染状況などを注視しながらパートナーとして活動する一方、「社説などの言論は常に是々非々の立場」「五輪に関わる事象を公正な視点で報じていくことに変わりありません」との事。Reuter通信やAP通信、豪州のBrisbane Times紙や「南半球で最古の新聞」と云われるSydney Morning Herald紙、英国のIndependent紙、米国の主要地方紙Quad-City Times紙やCentre Daily Times紙、Coast Reporter紙と云った世界各国の報道機関も「五輪の出資者たる日本の主要紙が中止を呼び掛けた」と大きく報じた。
今月7日から9日に読売新聞が実施した調査で「中止する」が59%。「開催する」「観客数を制限して」は16%、「観客を入れずに」は23%。15日と16日に朝日新聞が行った調査でも「中止」43%、「再び延期」40%の合計が8割を超え、「今夏に開催」は14%止まり。同じ日程で共同通信が行った調査でも「中止」が59%。5月22日に毎日新聞と社会調査研究センターが実施した調査では「中止すべきだ」40%と「再び延期すべきだ」23%の合計が6割を超え、何れの世論調査も過半数が今夏開催に反対。5月14日の項に書いた宇都宮健児氏が呼びかけた五輪中止の署名にはChange.org設立以来、最多と云われる39万筆以上の賛同が集まる竹田恒泰氏が同じサイトで呼び掛けた開催を求める署名は8万7000筆以上が集まっている。
民意は明らかなれども、為政者は動かざるや。雲間から近地点満月、所謂supermoonが皆既月蝕から復活する様を眺めつつ、妻と夜の散歩。再び此の国に光が満ちる日は来るのか。
5月27日(木曜)
東京五輪やパラリンピックの期間中、入場無料で大型画面に映し出される競技の公衆観覧を楽しみ、「大会の感動と興奮」を共有出来る会場の一角として、都立代々木公園と都立井の頭恩賜公園、及び被災地数ヶ所に設置が計画されていた「東京2020ライブサイト」。来月1日の工事開始に先立ち、東京都は今週24日と25日に園内の樹木36本を剪定したが、五輪の開催自体が危ぶまれる状況を無視した上に、敢えて群衆過密を作り出そうとする愚行に批判が殺到。
嚆矢を放ったのは「代々木公園の自然を破壊する、東京五輪2020ライブサイト計画の中止を求めます」と呼び掛けた米国人経営コンサルタントのRochelle Kopp氏で、電網上の署名は27日9時の時点で9万4719筆の賛同を得た。それでも都が「1日から始めないと開会式に間に合わない」と頑なに工事断行を目指す一方、選挙を控えた都議会議員達は民意を無視し続ける訳にも行かず。元テレビ朝日アナウンサーで現在は「都民ファーストの会」渋谷区選出都議の龍円愛梨氏が、自身のblogでライブサイトに関する意識調査を始める等の動き有り。
また東京都は本日、都内の感染状況や医療提供体制を専門家が分析・評価するモニタリング会議を開催。閉会後に小池百合子知事が記者団の取材に応じ、31日迄となっていた緊急事態宣言の延長を政府に要請した件に就いて「今、堪え所だと思う」「皆さんに御協力頂いているのが水泡に帰すのはあまりに勿体無い」と語り、延長された場合の措置は検討中だが「やはり人流を抑えると云う事」等と述べた由。
また会議に於いて、都内新規感染者数の7日間平均が約588人と前回の約704人を下回ったものの「依然として高い値で推移している」との指摘有り。都内でも従来型のウイルスから感染力が強いとされる英国型変異株に置き換わっている事等から「新規陽性者数を徹底的に減らす必要が有る」「十分に新規陽性者数が減少しないまま、人流と人と人との接触機会が大幅に増加すれば(新規陽性者数が)急激に増加する恐れもある」と反跳の恐れに関しても言及されたそうだが、本日迄に「小池氏が五輪中止に動いた」等の報道無し。
5月28日(金曜)
今月25日の時点で「国内のワクチン接種回数合計が1003万865回に達した」旨、翌日に政府が発表。内訳は医療従事者が690万8628回、65歳以上の高齢者が312万2237回。首相の表明した「1日100万回」でも「7月末迄に高齢者3600万人、2回接種で7200万回を終えたい」との目標には届かず、本日から毎日103万回の接種を続けねば達成出来ぬとの現実在り。加藤官房長官は本日会見で「ワクチンの供給確保、接種能力を最大限発揮出来る体制の構築」に「諸有手段を駆使して取り組んでいる」、具体的には「救急救命士や臨床検査技師も活用する方針」等と発言。
また本日会見で規制改革担当大臣の河野太郎氏が語った所に拠ると、現在も国内の接種は「菅総理大臣が掲げた1日100万回には達していない。「達成を目指すには、三つの山」が有るも、最初に聳える「ワクチンの供給」は「何とか山を越えた」。現在は「打ち手の確保という山」を登攀中だが、高齢者への接種を終えた後は「若い人に『接種をして下さい』という啓蒙活動を遣って行くべきだ」等の展望を語った由。同じく本日に厚生労働省の専門部会は、ファイザー製ワクチン接種の対象年齢を現行の16歳以上から12歳以上へ引き下げる事を了承したそうだが、先ずは高齢者への接種が何時終わるか分からぬ状況で、日暮れて道遠しの感有り。
本日18時半過ぎから官邸で新型コロナウイルス対策本部が会合を持ち、菅総理大臣等が出席。発令中の緊急事態宣言に関し、北海、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡の9都道府県では今月31日とされていた期限を「沖縄への宣言と同じ来月20日迄に延長する」旨を決定。東京、大阪、兵庫、京都の4都府県は2回目の延長となる見込み。蔓延防止等重点措置に就いても埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重に於いては来週31日から来月20日への期限延長が決定した一方、群馬、石川、熊本の重点措置は来月13日の期限を延長せず、解除を目指す方針となった模様。菅総理大臣が「依然として予断を許さない状況」「対策を徹底する」「あらゆる対策を講じていく」等と述べるのは既に定例と化しているが、会合後に分科会の尾身茂会長も取材に応じた。
尾身氏曰く「延長に就いては全員が賛成」だったが、分科会の議論は「宣言の効果が以前に比べて減少している」状況下で「大きな戦略を示さないと一般の人達になかなか協力して貰えないのではないか」、其処で「何をすれば良いのか」と云う点に集中した。更に議論を進めて政府に提案すべきと考えている三項目の一つは「変異株に因って感染力がどれだけ強くなったか」を「今、在る科学的根拠を基に示し、一番相応しい行動様式や国の対策を分かり易く提案する」事。次に「現在、接種が進められているワクチンは重症化予防だけでなく感染予防にも効果が有る」事が示唆されているので「今後の一般の人達への接種」では「感染拡大予防に使う事も含めて、戦略的で効率的な接種の在り方を提案したい」。第三は「都市部で感染がなかなか下がらない理由」と考えられる「感染が起きている場所等の情報が自治体の中でも必ずしも迅速に共有されない」と云う昨年中から未解決の問題に対して「ITの技術を使って関係者の間で情報共有出来る様な方策」を「実際に遣る時期に来ている」事を示したい。検査や水際対策に加えて、上記三項目に関して「しっかりと大きな戦略を立て」「次の大きな感染拡大の山を防ぐ」と云う事を「集団免疫の様なものが出来る時期まで続けたい」と述べた由。氏の提言が政治に生かされる事を望みたい。
5月29日(土曜)
今年2月に仏蘭西のRoselyne Bachelot文化大臣が語った「大型コンサートでの感染リスクを分析する実験」の構想が、本日に巴里で実現。会場はBercy地区にある同国最大の屋内競技場、Bercy Arena。命名権を尊重するならばAccorHotels Arena に同国のrock band、“Indochine”が無償協力で出演して「観客5千人の実験演奏会」が開催された由。「持病、感染者との濃厚接触やCOVID-19を疑う症状」等を持たぬ「18歳から45歳」で、巴里を中心としたイル=ド=フランス地域圏の在住者。以上の条件に適合した参加希望者を政府が電網上で募り、抽選で演奏会観覧群5000人、コンサートに行かず検査のみを受ける対照群2500人に分ける。観覧群は計3回のCOVID検査と消毒措置を受け、マスクを着用。即ち演奏会3日前に抗体検査、コンサートの当日と1週間後に唾液を用いたCPR検査を行うが、コンサートに行かなかった2500人の対照群も演奏会の1週間後に検査を受け、観覧群との感染確率を比較する。演奏会は屋内で行われるも着席やsocial distancingは要求されず、踊る事や歌う事も許可された模様。
演奏会の場に於いて、フランス政府が6月から導入予定の「衛生通行証(Pass sanitaire)」も試験運用。"TousAntiCovid”は本来、感染者との接触を警告するアプリで、日本のCOCOAに相当するが、此れに「検査結果が陰性」「ワクチン接種済」「感染から回復済」等の証明書としての機能を持たせ、実験演奏会の参加者は事前に受けた検査の陰性証明をdownloadし、入場時に提示するとの事。今回の計画には音楽興行組合とパリ公立病院連合が連携し、文化省の承認を経て保健省が80万ユーロを出資。企業からも寄付を募って検査費用や研究者等の人件費を確保し、換気万全にして最大2万人収容も可能な会場は巴里市が提供、と国内各所が連携。3月に巴塞羅那や安特堤で同様の実験演奏会が行われ、少なくとも前者では演奏会に起因する感染は認められなかった様だが、巴里での実験結果が判明するのは6月末。今夏に音楽祭が開催出来るのか、可能とすれば様式は如何なる形が良いか等を検討する手掛かりとなる事が期待されている由。
国にも協力者達にも相応の利害は有ろうが、きちんと危険性を説明した上で大掛かりな実験を実現した仏蘭西には敬意を表したい。我が国に引き換えて考えると、再三に渡って営業自粛を求められ、文化の継承を危ぶむ声も出ている業種として、先ず映画館での感染対策に関する実証研究が必要と考える。映画館の規模、観客間距離の長短、換気設備の有無や種類、更には映画の類型等の要因が、如何に感染危険性を変動させるのか。東宝の様な大手の映画会社が映画界を纏めて政府に働き掛け、感染の増減を直接調査する形が難しければ超電算機の富岳に模擬実験をさせても良い。コロナ禍が長引く中で世界的に蓄積された知見を総動員させ、規制を続けるにせよ、緩和するにせよ、科学的根拠に基づいて行うべきだ。
5月30日(日曜)
本日20時台迄に全国で2877人の感染と49人の死亡が確認される一方、東京税関から「先月の成田空港に於ける輸入額は1兆3400億円余り」で「前年同月に比して26.4%増え、4月としては過去最高」との報告有り。「Pfizerが生産拠点を持つ白耳義からのワクチン輸入が本格化した」事に伴い、医薬品の輸入額が凡そ2100億円に急増したのが最大の要因か。コロナ禍で中国が輸入を停止した台湾産鳳梨 の新たな販路が日本で開拓され、前年同月は皆無だった台湾からの果実輸入額が1700万円へ上昇したとの変化も生じ、「中国向けの半導体を製造する装置の輸出が好調」な為か、輸出額も昨年同月比で46.2%増加して1兆1000億円余りと、4月としては過去最高を記録した由。緊急事態宣言は再延長となるも東京都が大型商業施設に対する措置を一部緩和し、百貨店各社が都内店舗を通常通りの営業に戻す等の動きも見られ、経済活動は多少持ち直した感有り。
印度で最初に確認された変異の有る新型コロナウイルス、所謂印度株に関して、越南の保健当局が「更に別の変異が起きたものが検出された」との分析結果を公表。問題の変異はウイルス表面のスパイク蛋白質を作る遺伝子の一部で生じており、英国株で見られる特徴的な変異に類似するも、感染力に影響が及ぶ変異か否かは不明との事。印度株に関しては、田村厚生労働大臣がNHKの番組に出演して「スクリーニングの為の試薬を作って」いる所で「体制を早期に整えていきたい」等と述べると共に、ワクチン接種に就いて「基礎疾患が有る人は自己申告なので、接種が何時終わるか分からない」「基礎疾患が有る人への接種が始まった時には一般の人も当然、一緒に動いて行く」「各自治体では然う云う体制を頂きたい」と発言した由。
政府は7月末迄に高齢者への接種完了を目指し、一昨日の総理会見では「高齢者への接種の見通しが付いた市町村」から来月中に「基礎疾患が有る人を含め、広く一般の人への接種を始める」との意向を強調。斯様な状況下で昨夜、規制改革担当大臣の河野氏が自らの電網番組で、福岡市から「7月中に高齢者への接種を終えられる見通しが立った」「保育士や小中学校の教職員等に独自に優先順位をつけて接種を行いたい」との提案を受けた事を公表。「7月末迄に高齢者に確実にワクチンを打ち終わる」と自治体の長が約束するならば、「独自の優先枠を設けて打って貰って結構」と述べた由。
厚生労働省は新型コロナウイルス感染で肺炎等を起こしている中等症以上の患者は原則入院させる事を求めて来たが、関西を中心に医療が逼迫。自宅で療養せざるを得ない者が続出する状況を踏まえ、厚生労働省が今月26日に「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き」を改訂。此の第5版では「自宅で療養中の患者に投薬治療等を行う際の手順」が初めて掲載され、「血中酸素濃度が低下した場合等は酸素療法を行い、デキサメタゾンも投与する」「発症から7日前後で悪化する事が多い為、丁寧に状態を把握する」等の記述も有るが、入院と同様に在宅治療の場合も治療は公費で負担されるとの事。遅れ馳せながら国内でも概ね打つべき手は打たれており「五輪さえ中止されれば、本年後半には感染収束が近づく」と見たが、現実は如何に進展するか。




