令和3年4月第2週
4月5日(月曜)
感染再拡大中の印度では、本日に一日当たりの感染者が初めて10万人を超えて最多。殊に商都ムンバイを擁する西部マハラシュトラ州は5万人以上と全国の半数以上を占める深刻な状況に陥り、同国政府は今月からワクチンの接種対象を45歳以上の全国民に拡大。其れよりは遥かに少ないとは言え、我が国でも本日22時迄に1572人の感染と19人の死亡を確認。
3月26日に「大阪市の高齢施設課の職員9人が焼肉店で送別会を開き、うち2人が新型コロナウイルスに感染」、更に「市の河川・渡船管理事務所と津守工営所の職員、合わせて5人が居酒屋で会食し、うち3人が感染」との事実が判明。松井一郎市長は「4人以下でのマスク会食を御願いする立場で在りながら、ルールを逸脱した会食をした事が判明した」「言語道断で在り、心から御詫び申し上げる」と陳謝。全ての市職員を対象に同様の宴会や飲み会をしていないか「全庁を挙げた調査」を行い、「意識改革を徹底する」と宣言した由。
蹴球 J1のGAMBA大阪では、先月10日迄に選手や職員等の8人が新型コロナウイルスに感染し、公式戦6試合が中止。本日にプロ野球とJ.LEAGUEによる新型コロナウイルスの対策連絡会議が開かれ、ガンバ大阪で起きた集団感染に関する全遺伝情報解析を行った結果、「更衣室で感染が広がった可能性が高い」事が判明した由。会議後の会見で、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「換気が十分か如何かや選手同士の距離等、ロッカールームの環境をもう一度見直す必要が有る」「従来より感染力の強い変異株も多くなっているので、対策を徹底しないといけない」と語り、人が密集する状況では会話を控え、会話の際はマスク着用を徹底すべきと改めて注意を喚起した。今後、複数の陽性者が確認されたプロ野球のヤクルトや巨人でも同様に、ゲノム解析を用いて感染経路の調査が行われる予定。
2月から医療従事者へのワクチン接種が進められて来たが、今月12日から65歳以上の高齢者、凡そ3600万人を対象とした接種も近日開始。一週間前の本日午前にファイザー製ワクチンが11回目の空輸となり、生産工場の有る白耳義から送られた製品が成田空港に届いた由。今回到着したのは「1つの容器から6回分の接種」で計算すると、過去最多の198万9000回分に相当。今回はワクチンの輸送量が多く、ワクチンを低温の状態で保つ個体二酸化炭素の必要量も増えたので、全日空は従前より大型の航空機を使って輸送に当たったとの事。
血中酸素飽和度測定機は、新型コロナウイルス感染後に自宅や宿泊施設で療養する者が重症化する際の兆候を捉える事にも有効。しかし、感染拡大で需要が増えた結果、品薄となっている事から、製造各社が増産を決定。コニカミノルタは来月から生産能力を感染拡大前の凡そ20倍に引き上げ、「群馬県の医療機器製造会社も生産能力を3倍に増やす準備を進める」等の動きが相次いでいる模様。斯様の情勢なれども、参議院決算委員会で菅義偉総理大臣が「現時点で第4波と云った全国的な大きなうねりと迄は成っていない」と述べた由。各人に様々な見解は有ろうが、此の発言に関しては事実誤認と断言して良かろう。
4月6日(火曜)
本日に兵庫県が県内で新規感染者276人を確認したと発表。200人を超えるのは一昨日以来で、2回目の緊急事態宣言が解除されてからでは最多、火曜日の記録としても過去最多となる由。蔓防発令地域以外でも、愛媛県で新規43人の感染。先月25日の59人に次いで、2番目に多い人数となった模様。
日本国が第四波の激浪怒涛に晒されている事を知ってか知らずか。テレビ画面を眺めれば「愛知でキャイ~ンの天野ひろゆきが聖火片手に走れば沿道に観客は群がり、京都では時短の飲食店を出た酩酊学生達が鴨川の河畔で二次会を始める」有様が映し出される。我が国の民度も然程に誇れたものでは無いかも知れぬ。
4月7日(水曜)
大阪ではCOVIDが益々猖獗を極めんとし、本日も府内で新規878人の感染を確認。昨日のの719人を上回り、2日連続で過去最多。府内の感染者累計は5万6626人、2人の死亡を加えて死亡者累計は1199人になったと聞く。
首都東京でも新たに555人が感染し、患者は10歳未満から90代までの男女と広範に分布。一日当たりの感染確認が500人を超えるのは2か月前の2月6日以来だが、本日迄の7日間平均も417.0人となり、前週の115.6%を記録。7日間平均が400人を超えるのは先々月2月12日以来だが、26日連続で増加。一旦は減少に転じた筈の感染者数に反跳が見られる現状を踏まえて、小池百合子知事が職員へ訓示。
都内の厳しい状況に触れると共に「国に対して蔓延防止等重点措置の要請に向けた準備に入る段階だと考えている」と述べた由。更に小池氏は記者団の取材に応じて「関西圏の数字の動きを見ていると、かなり速いという事も参考にして行く必要が有る」「緊急事態宣言の解除が東京等、首都圏とは3週間の時間差が有る事を考慮しても、判断すべき段階にいると考えている」と述べると共に、関西圏との往来を控える様にと呼び掛けた。
コロナ禍が長引く中、厚生労働省から「本年1月に生活保護が申請された件数は全国で2万61件」で「前年同月と比べて1341件、率にして7.2%の増加」との報告有り。生保申請が前年同月より増加したのは5ヶ月連続。前年と比較した増加率も去年9月は1.7%だったが、11月は2.7%で12月は6.5%、今年に入って1月は7.2%と増大傾向に在る。今年1月に生活保護の受給を新たに始めた世帯は1万6072世帯と前年同月より1213世帯、全国で生保受給中の世帯は163万8184世帯。
厚労省は「再就職が難しい事等から生活が苦しく、追い詰められる人が増えている」「緊急事態宣言の影響を受けたり、年度末で契約が更新されなかったりして仕事を失った人は更に増加している可能性があり、状況がより深刻化する恐れが有る」と分析。「生活保護の申請は国民の権利」と支援が必要な者に積極的な利用を呼びかけている由。
4月8日(木曜)
全国の新規感染者は3398人で、昨日の3461人に続き、二日連続で3000人超。蔓延防止等重点措置が適用された大阪府は905人となり、三日連続で過去最多を更新したが、奈良県の88も過去最多。沖縄県でも昨日に155人、本日に140人と高値が続いている由。
東京都でも545人の感染が確認され、モニタリング会議では、大阪で感染が拡大したのと同じ変異株が「都内でも1週間で5倍に増加した」との報告有り。本日午後に小池都知事が蔓延延防止等重点措置の適用を政府に要請。期間に関しては「黄金週間全体を包含出来る位の方が」と述べたそうだが、此れを受けた政府は「東京都のみならず京都府と沖縄県にも適用する方向で最終調整に入り、明日に専門家の意見を聞いたうえで最終判断する」と報じられた。古人曰く「兵は拙速を尊ぶ」。現時点で即断しても、早すぎるとは思わぬ。
4月9日(金曜)
東京電力の福島第一原子力発電所から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法に関し、数年来の議論を経て、本日に政府が海洋放出との方針を決定。13日にも関係閣僚会議を開いて正式決定の見通しなれども、周辺海域の水産物に対する風評被害を懸念する漁業関係者は「絶対反対」との姿勢を堅持。此れに対して、菅首相が全国漁業協同組合連合会の岸宏会長と7日に会談して状況を説明した上で、梶山弘志経済産業相が「風評被害は当然起こる」が「対策に万全を期す」と宣言する等、政府としては安全面の周知を含む対策に全力を挙げる模様。「人体に影響の無い域まで薄めた処理水を徐々に放出する」手法が適正に実行されれば健康被害は生じない筈で、現実的には大量の処理水を始末する他の手段は無く、決断の後は安全性に関する科学的事実を国内外へ積極的に発信すべきかと愚考する。
海の向こうでCNNが報じる所に拠れば、昨夏から全米でtomato ketchupの欠乏、「特に持ち帰り食品用の小包入りケチャップの不足」が発生。疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention; CDC)が感染対策として飲食店内での食事を控える様に求め、配達や持ち帰りの利用を勧告した事が発端と思われる由。全米の飲食店が「料理や飲料を折箱に詰めて販売する」様になると「購入する客達は調味料の付属を期待」。「料理店と快餐店が競って注文を増やす」中で「小分けケチャップの需要と値段が上昇し、供給は落ち込む」。「風が吹けば桶屋が儲かる」式の螺旋だが、其の中心と目されるのはケチャップ生産の最大手Heinz。同社は数日前に「生産量を25%増やし、年間120億のミニパック入りケチャップを製造する」計画を発表したが、7月にmajor leagueのall-star gameが開催される事になった科羅拉多州では更に緊急性が増している情勢。
大海溟渤を隔てれば事情が異なるのは是非も無いが、コロナ禍に於いては時に線路一本が浮沈を分ける事も有る様で。今月12日から東京で23区と6市に蔓延防止等重点措置が適用されると、同じJR三鷹駅付近でも北側に当たる武蔵野市は措置の対象となるが、商店街が広がる南側の三鷹市は外れる由。対象区域の飲食店営業は現在より1時間短い20時迄とする様に求められ、時短に応じねば罰金を科される可能性有り。三鷹駅は武蔵野市側の駅北口に商人宿や官公庁があるのに対し、三鷹市側の駅南口には飲食店などが並ぶ。同じ駅から出ても南北口で異なる対応が求められる状況に「何故、東京都は三鷹市を対象に入れなかったのか」との声も有るが、何処かで線引きは必要となる。都道府県単位で大鉈を振るわれるよりは優と覚悟せねばなるまい。
菅政権の「要請」に応じ、大手携帯電話各社が相次いで格安計画を発表した事は記憶に新しいが、某誌報道に拠れば「値下げの裏で、業界では格安への注目度の高さを逆手に取った不適切販売が横行」。NTTドコモが回線接続専用格安T計画“ahamo”を囮に同社の大容量契約「ギガホ」に誘導すれば、KDDIも同等のプラン”povo“を巡り、代理店向け説明書で「povoを宣伝に活用して客を集め、auの大容量プラン等に其の場で契約させる様に」と指示していたが、此等の手法は景品表示法や独占禁止法、電気通信事業法に違反している恐れが有る由。NHKが「クローズアップ現代」の終了を決定。苛政、虎よりも猛し。
4月10日(土曜)
COVID-19が脳の健康に及ぼす影響、神経学的及び精神医学的後遺症に関して”TriNetX”から得られた8100万人以上の患者情報を用い、Oxford大学の研究者達が後ろ向きコホート研究を実施。TriNetXとは欧米や新嘉坡等の世界23ヶ国、130超の医療機関が参加し、延べ3億人超の患者情報が格納された情報蓄積で在る由。
当該研究の主たる対象集団はCOVID-19診断を受けた患者で構成され、対照群にはインフルエンザや其の他の呼吸器感染症と診断された患者が含まれたが、COVID-19の診断またはSARS-CoV-2の陽性判定を受けた患者は除外された。研究者達は、COVID-19診断後の6ヶ月間に14の神経疾患及び精神疾患、即ち頭蓋内出血、虚血性脳卒中、Parkinson症候群、Guillain-Barre症候群及び神経叢障害、筋神経接合部疾患及び筋疾患、脳炎、認知症、精神病、気分障害、不安障害、物質使用障害、不眠症の発生率を推定。COVID-19と診断された23万6379人の患者のうち、其の後の6ヶ月間に於ける神経疾患及び精神疾患の推定発生率は33.62%で、其の様な診断を初めて受けたのは12.84%。ITU(intensive therapy unit )に入院した患者の場合、診断の推定発生率は46.42%、初回の診断となるのは25.79%。個々の診断に関して言えば、頭蓋内出血の発生率は全体の0.56%。虚血性脳卒中は2.10%で、Parkinson症候群は0.11%、認知症が0.67%で、不安障害が17.39%、精神病性障害は1.40%。殆どの診断は、インフルエンザ患者よりもCOVID-19患者の方が多く見られた由。
またITU入院患者の場合、頭蓋内出血の推定発生率は2.66%、虚血性脳卒中は6.92%、パーキンソン症候群は0.26%、認知症は1.74%、不安障害は19.15%で、精神病性障害が2.77%。発生率と同様にCOVID-19の重症度の高い患者、例えばITUに入院した患者に於ける神経性心疾患の発生率は、そうでない患者より高かった模様。ウイルス感染の純然たる影響の他に「長期臥床に伴う廃用」等の身体的要因も有り、「全世界を恐怖に陥れる感染症に自分自身が罹患した事への動揺」「治療法が確定しない中での療養」「無いとは言い切れぬ再感染への恐怖」等が心因として大きい様にも思えるものの、回復後も油断大敵との認識が必要な模様。
昨年12月にワクチン接種を開始した大英帝国では、人口の凡そ47%に当たる3100万人以上が1回目の接種を済ませた。殊に人口の大部分を占める英蘭土に於ける初回接種完了者は60歳以上の95%に上るが、同地の保健当局が分析した所では「80歳以上の高齢者が重症化して入院する事を防ぐ効果は、1回目の接種から三四週間の時点で80%を超える」らしく、また先月までに「60歳以上の凡そ1万人が死亡するのを防ぐ事が出来た」との事。1月中旬には700人を超えた65歳以上の1日当たりの入院患者数は外出制限を含む対策の成果か、先月初めは7分の1程度に減少。規制の段階的緩和と共に高齢者の行動も活発になっているが、政府は「ワクチンの効果を過信せず、引き続き個人の対策を徹底せよ」と呼び掛けている由。
一方、Oxford大学とAstraZenecaが共同開発したワクチンは英国内で先月末迄に2020万回分接種されたが、接種後に血小板の減少と血栓が確認された者は79人、19人が死亡したとの報告有り。此の件に関して各国で研究された結果、独逸と墺太利の研究者達が「血小板の働きを高める抗体の量が増えていた」と指摘し、諾威からの報告も其れを裏付けた。何れの研究でも血栓形成前に抗凝固剤のヘパリンは投与されていなかったが、抗体の特徴等から「ワクチンの接種に拠ってヘパリン起因性血小板減少症、抗凝固薬ヘパリンの投与で血小板が減る一方、逆に血栓ができて血管が詰まる稀な疾患に類似した現象が生じた」事が示唆された。両者の論文は一昨日のNew England Journal of Medicine誌に掲載されたとの事だが、此れで市場の二番手が消えてPfizerが一人勝ちするか。或いは抗凝固剤の適宜併用でアストラゼネカ製ワクチンが活路を見出すのか。
昨日に政府が東京都、京都府、沖縄県を防止等重点措置の対象に追加する事を決定。今月12日の開始は横並びだが、京都と沖縄が来月5日迄の予定に対し、東京は来月11日迄は継続される由。競泳日本選手権は本日が大会最終日。女子の50米蝶泳と50米自由形で池江璃花子選手が優勝。100米バタフライと100米自由形と合わせ、大会4冠を達成した由。
4月11日(日曜)
明日から高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まるが、全国自治体の接種会場4万1448ヶ所のうち凡そ2割で、接種に当たる看護師が不足。看護師を一人も確保出来ていない自治体が過疎地域で9.4%、過疎地域以外でも7.3%に上る事が判明。厚生労働省は労働者派遣法の政令を改正し、今月から過疎地域に限って看護師の派遣を承認済みだが、全国知事会が「過疎地域以外も可能とする様に」と政府へ緊急提言を行った事も踏まえ、全国的な派遣の解禁も検討する由。
医療者の一員たる自分は、高齢者の方々より一足先に今週、二回目の接種を完了。今回も三角筋が少々痛む程度で済んだが、周囲を見渡すと高熱やら倦怠感やらを訴える者が初回よりも増えた印象。未接種の道場仲間には、「打った翌日は寝込む」位に思った方が良かろうと警告して置いた。




