令和3年3月第4週
3月22日(月曜)
本日は21時迄に日本全国で822人が感染、33人死亡した旨の報告有り。此れで感染者の総計は空港検疫等を含めて45万7686人、クルーズ船の乗客と乗員が712人で合わせて45万8398人。死者の総計は国内が8870人、クルーズ船内が13人で合わせて8883人。COVID-19の猛威は続くも、首都圏で緊急事態宣言が解除され、羽田空港も今朝から利用者が増加。第2乗降手続所を使用する全日本空輸株式会社(全日空/ All Nippon Airways; ANA)に依ると、航空券の予約者数は宣言下に比して2倍弱程度となるも国内線減便が続く状況で、3月期を通しての運航率は計画比約50%程度との事。
日本経済団体連合会(経団連)の中西宏明会長は回線接続の会見にて「一旦は解除」との政府判断を「私としては支持したい」と述べる反面、「もう1回、宣言が出る事は有り得ると思う」「新型ウイルスがどういう変異をして行くか分からず、ワクチンも免疫力に直結するか見て行かないといけない」と発言。
同じくオンラインで開かれた12球団の代表者会議は「プロ野球も午後9時までに試合を終えられる」事を目指し、「今季は延長戦を行わず、9回で打ち切りとする」方針を決定。night gameの開始は神宮球場が17時半、他は17時45分と試合開始を早める事になり、「未入国の外国人選手も宣言解除後は特例で入国許可」「14日間の待機期間中も然るべき防疫措置を取れば練習可能」との決定を受けて各球団が受け入れに向けた管理計画を作る事となるも、「関係省庁に管理計画や防疫措置の徹底についての誓約書を提出」「選手毎に承認を得た上で査証の発給手続きに入る」等の手続きが控えている由。
解除後も東京、埼玉、千葉、神奈川では少なくとも今月末迄は「不要不急の外出自粛」「飲食店の時短要請」は続くが、営業時間は20時から21時迄、酒類提供は19時から20時迄に延長。行事参加の人数制限も緩和され、最大5000人から4月18日以降は「上限の50%以内で最大1万人」に変更。本日より株式会社はとバスも一部の乗合自動車旅行を再開。本日は146人の予約を受けて、都内の桜名所を巡った由。千葉県浦安市の一角を占める夢と魔法の国及び領海に於いても、入園者数上限を一日5000人から1万人、来月からは2万人に引き上げて行く予定で、営業時間も延長。
諸々(もろもろ)が変化する一方で、国土交通省が首都圏主要駅で平日朝に於ける通勤混雑時の利用状況を調査。テレワークや時差出勤の呼び掛けが始まる以前を100とした時、初回の緊急事態宣言中は30から40%に人出が減ったが、先週3月17日を見ると63%に留まっていたとの報告あり。二度の緊急事態宣言を経ても我が国でTeleworkやRemoteworkの類は浸透するに至らず、宣言解除から五輪開催に向かう道筋には第四波の懸念が強まるばかり。今年の黄金週間も遠出は控えた方が良さそうだ。
3月23日(火曜)
昨日に欧州連合(European Union; EU)が外相会議。世界の人権状況に就いて協議した結果、「中国の新疆ウイグル自治区で人権侵害に関わった」として同区の公安部門首脳4人と開発や治安維持を担う「新疆生産建設兵団」の公安局に対して「EU域内への渡航禁止と資産凍結の制裁を科す」事を承認。即日、発動。EUが中国に制裁を科すのは初で、前身となる欧州共同体(European Community; EC)を含めても1989年の天安門事件で取られた武器輸出禁止の措置以来となる由。
世界最強の盗聴機関と恐れられる通信傍受機構“ECHELON”で名高いUKUSA協定で結ばれた米英と加奈陀、豪州にニュージーランドの英語圏5ヶ国。通称“five eyes”の外相も、新疆ウイグル自治区の人権問題に関する共同声明を発表。現地では「宗教の自由が厳しく制限されている」上に「強制労働や大規模な強制収容」「不妊手術の強要」等の人権侵害が広範囲に渡って行われており、衛星写真や中国政府が作成した文書、目撃者の証言等の「圧倒的な証拠」も有ると主張。中国政府に対して拘束されているウイグル族等の解放及び国連の現地調査を認める様に要求。
対中包囲網に対して中国外務省も黙っては居らず、昨夜に対抗措置を発表。欧州議会の議員など10人と4つの団体に制裁を科し、対象者や家族が中国や香港、澳門を訪れる事を禁止。関係企業に対し、中国との商取引を制限。「EUによる制裁は出鱈目や虚偽の情報に基づいている」「事実を顧(かえり」みずに黒を白だと言いくるめる乱暴な内政干渉」等と非難し、更なる対抗措置も辞さない姿勢を示したとの事。
中国の人権侵害は周知の事実だが、欧州連合は昨年12月の時点で「深刻な人権侵害に関わったと認めた人物や団体に対して制裁を科す制度」を導入。同月に欧州議会が「新疆ウイグル自治区では中国政府主導で強制労働が行われ、人間の尊厳や文化、宗教、言論の自由が侵害されている」として制裁を後押しする決議を採択しており、此の時点で既に中国との対決が予期されていたものと見る。本年3月に入り、EUの外相に相当するJosep Borrell上級代表が「EUの亜細亜太平洋戦略の見直し」に関する論説を発表。「中国は無視出来ない大国だ」と認めると同時に「アジアは広く多様性があり、中国ばかりを見るべきではない」として日本やインドなど価値観を共有するアジア各国との連携強化を訴えた。
仏独伊三国も欧州連合に加盟している事から、今回の中国に対する制裁の発動には「主要国首脳会議、通称G7の参加国が日本を除いて全て参加」した形となる。米国のJalina Porter副報道官は22日の電話会見で「日本が自分たちで決める事に就いて、私達が何かを勧める様な事は無い」」との寛大さを示し、加藤勝信官房長官は閣議後会見で「重大な人権侵害が行われているとの報告が数多くなされて」いる新疆ウイグル自治区に関しては「我が国として、人権状況を深刻に懸念」しており、中国政府には「透明性の有る説明を行う様、働き掛けている」、今後も「引き続き国際社会が緊密に連携し、中国側に強く働き掛ける事が重要だ」と述べた模様。優柔不断と評価するか、老獪と取るかは人に依るだろうが、中国との地政学的関係を考慮すれば一概に酷評すべきでも無かろう。
3月24日(水曜)
人呼んで「平成の三四郎」。柔道家の古賀稔彦氏が、昨年からの癌闘病を経て今朝に死去した由。享年53歳。福岡県久留米市で生まれて小学校1年で柔道を始め、斯道の名門と呼ばれた講道学舎へ入塾。全国中学大会で優勝した後、高等学校総合体育大会で個人戦2連覇。高校3年の17歳時に、史上最年少の日本代表に選出。得意技は背負い投げで、日本体育大学へ提出した卒業論文の題も「背負い投げの魅力を探る」。92年のバルセロナ五輪前に講道学舎及び世田谷学園高校の後輩、78キロ級代表の吉田秀彦氏との練習で、左膝の靭帯を損傷。全治1ヶ月の大怪我を負うも泣き言一つ言わずに試合へ挑み、見事に金牌を獲得。吉田氏も後に続いたとのと逸話が最も有名だが、個人的には体重無差別の全日本柔道選手権大会に出場した時の記憶が最も鮮烈に残っている。
時は1990年。100キロ超の重量級選手が居並ぶ大会に、当時22歳の古賀氏が体重75kg前後の軽量で挑戦。無謀との声も多かったが、古賀氏にとって柔道人生で一度は挑戦したい舞台だったらしく「中学・高校時代は団体戦で自分より大きな選手を相手にするのは得意」で「逆に闘志が湧いた」とも語っている。二回戦から出場した古賀氏は体重135Kg、三回戦では体重120Kg、準々決勝では体重155Kg、準決勝では体重108Kgの重量級選手を相手に全て優勢勝ち。まさかの決勝進出で、95kg超級の世界王者にして大会の前年覇者、小川直也と相対する事となる。小川氏は古賀氏と同学年で共に日本柔道の栄光を背負った盟友だが、体重130kgの巨漢。準決勝迄の試合時間は6分間だが、決勝戦は10分間。重量級の選手と戦い続けた古賀は疲労困憊で、体重差50Kg以上のハンデを乗り越え善戦するも、開始4分過ぎに足車で一本負けを喫した。
敗れたとは言えども、重量級相手の奮戦に会場が拍手喝采するも、敗れた古賀は畳の上で大の字になり落涙。終盤で小川に有利の組手となった際、掴まれた左袖を切らなければならない場面だったにも関わらず、心身共に疲労していた古賀氏の脳裏には「此れは切らなくても大丈夫かな」「まあ、良いか」と云う考えが過った。詰めを誤った次の瞬間に古賀氏の身体が宙を舞う結果となったが、後に氏が回顧した所に依れば「柔道の試合で自分の体が宙に飛んだのはあれが生まれて初めて」だった由。一瞬の甘さで敗北を喫した事への口惜しさから流れた涙で在り、「絶対に勝つ、負けられない」と云う「恐ろしいほどの気迫」を持っていた小川氏に対し、当時の古賀氏は「挑戦してみるか」と云う「安易な気持ち」で試合に臨んだ。「既に勝負する前から心の部分で大きな差があったのだ」と敗因を噛み締めたからこそ、二年後の快挙も生まれたのかも知れぬ。
後に小川氏はアントニオ猪木門下となり、柔道からプロレスに転向。総合格闘技に転向した吉田氏と2005年の大晦日、「PRIDE 男祭り 2005 頂-ITADAKI-」にて対戦。柔道時代より体重を落とした小川の体重は約115Kg、逆に増量した吉田の体重は約105Kgと体格差は縮まっていたが、両雄と縁が深い古賀氏も来場。熱戦に声援と拍手を送っていたのを、昨日の如くに思い出す。先々週のMarvelous Marvin Hagler氏に続き、また一人、好漢が現世を旅立つ。また寂しからずや。
3月25日(木曜)
感染拡大の影響で1年延期となった東京五輪の聖火中継が、本日に福島県から開始。出発式典では、公式大使を務める「サンドウィッチマン」の伊達みきお氏が聖火を蔵した提灯を手に入場。聖火の東北巡行を機に「奇麗になった被災地も、未だ立ち入る事が出来ない被災地も素直に見て欲しい」と訴えた所で、相方の富澤たけし氏が「森さんは居ないの?」とボケて、伊達氏が「森さんはテレビで見てるよ!」と返して大いに受けた由。五輪や聖火に人が密集する事への危惧は依然として残るが、世界を騒がせた不祥事すら軽々と笑いに変えた二人の手腕には感服した。
同じく本日、東京都内の新型コロナウイルス感染状況を分析する「モニタリング会議」に於ける報告に拠ると、感染状況に関しては「新規陽性者数の7日間平均」が今月17日の時点の凡そ293人から、昨日は凡そ300人と高値で推移。医療提供体制も「入院患者数」が昨日に1371人となり、先週の1270人から増加傾向が見られた事から、専門家達は都内の感染状況と医療提供体制の評価を「いずれも4段階のうち最高の警戒域で維持する」と判定した由。
会議に出席した国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「新規陽性者数の増加比が100%を超える状況が持続すると、新規陽性者は一気に増えて行く」「従来のウイルスから変異ウイルスに置き換わっていく過程では、すごい勢いで増える」「急激に感染の再拡大が起こる可能性がある」と警告。嘗て感染第2波が収束した後も新規陽性者数の減少が思わしくなく、「凡そ150人から200人の間で増減」する時期を経て「急激に感染が再拡大」して第3波を迎えたとの経緯有り。「250人を下回らずに推移し、増加に転じている」現状は予断を許さぬもので「今後、第3波を超える様な経過を辿る事が危惧される」との声も聞かれたが。未来は変えられるのか、歴史は繰り返されるのか。
3月26日(金曜)
昨日に就任後初の記者会見を開き、北朝鮮の弾道弾発射に対して「国連の安保理決議違反だ」と非難する一方、唯一の競合国と位置づける中国には「対立は求めて居ない」が「国際的な規範に従って行動し、公平な競争をすべきだと主張して行く」と宣言したJoe Biden大統領。
其のバイデン氏と来月訪米で会談した暁には「夏の東京五輪に招待する」との意向を、本日の参議院予算委員会で菅義偉総理大臣が示した由。立憲民主党の白真勲氏から質問されたのに対し、「当然、然う云う事になる」と明言したそうだが。感染が収束していない可能性の高い今夏の東京に大統領が喜んで来るとは思えず、有難迷惑な召致で同盟国首脳を困らせる様な振舞は感心しない。
更に菅氏は今夜、記者団の質問に答えて、衆院解散・総選挙が「何時有ってもおかしくない、とは私は思っていない」、「新型コロナウイルス対策、やるべき事はやはりしっかりやる必要が有る」と述べ、早期実施に否定的な意向を表明。元法相たる河井克行被告の公職選挙法違反事件を巡って「自民党が提供した1億5000万円が買収資金に使われたか」否かを「党総裁として調べる考えが有るか」と問われたのに対し、「書類を捜査(当局)に持って行かれている」、「其れが返ってきた時点で公認会計士にしっかり監査して貰う」が「其処はしっかり対応したい」と述べるに留めた由。此の件だけでも真相を掘り当てれば政権が揺らぐ可能性も有ると思われるが、大勢としては河合夫妻の退場だけで幕引きと云う成り行きか。
3月27日(土曜)
昨日に日本看護協会が「病院看護実態調査」の結果発表。一昨年度は既卒採用者の離職率が16.4%と 1.3 ポイント減少する一方、正規雇用看護職員は11.5%、新卒採用者 8.6%と各々0.8 ポイントずつ離職率が上昇。また正規雇用看護職員の離職率を病院毎に算出すると、「離職率 20%以上の病院」が21.2% と前年度の10.4%から倍増した由。
各病院に調査票を送って回答を求めたのが昨年10月1日から11月9日迄の事で、「2020年」の調査とされている点も誤解を招き易いが、今回調査の対象となったのは飽くまで一昨年度だ。2019年4月1日から2020年3月末と設定された期間のうち、日本国内で初めて感染者が確認された2020年1月16日以降の年月は2ヶ月半しか含まれていないにも関わらず、既に看護師は現場から離れ始めていた事になる。初回の緊急事態宣言が発出されたのは調査機関より後、昨年4月の事だが、以降の医療現場を鑑みるに「次回検査に於ける離職率上昇は今回の比では無かろう」と懸念される。
今月16日に埃及から到着して成田空港の検疫で新型コロナウイルス感染が確認された広島県在住の50代女性が、宿泊施設の寝台に横臥した体勢で死亡しているのが確認されるも、死因は不明で基礎疾患の有無に関しても非公表。検疫で感染が確認された患者が宿泊施設で療養中に死亡した例は初との事。
今月に仏蘭西西部。 Bretagne地方の病院で8人の患者が新型コロナウイルスの変異株感染と診断されるも、通常のPCR検査の結果は1人を除いて陰性。血液や呼吸器の精査をせねば感染が特定できなかった経緯を踏まえて、同国の保健当局は「通常の検査では検出され難い特徴」を有する変異株と判断。昨日会見で「此れ迄に13人が此の変異ウイルスに感染」、更に「219人に感染の疑い」が有るものの、いずれも最初に感染が確認された病院の患者等で「別の地域への広がりは見つかっていない」と発表。従来のウイルスに比して感染力が強いのか、重症化し易いか等に関しては調査中。
世界的大流行に終わりが見えなくとも、桜が咲けば浮かれ出すのが日本人の性。東京なら上野公園。名古屋なら鶴舞公園。京都でも彼方此方の名高い桜が満開となり、宴会禁止は承知の上だが立ち見なりとも花を愛でたいと桜の下に集った人々が、報道機関に感想を求められる毎に「こんなに人が多いとは思わなかった」「感染者が増えないか心配」等と他人事の如く宣う様は正に異口同音なり。福島県の聖火中継も開始後初の週末を迎え、各区間の出発地点や引き継ぎ地点には多くの人が集まった由。来月に感染者が増えるのは不可避と見た。
3月28日(日曜)
感染者が増えるとの推量が当たるか外れるか、其の答えは数週の内に判然とするだろう。昨年の「私の家政夫ナギサさん」で久しぶりに「連続劇を最初から最後まで観る」事業を完遂して自信が付いたので、今年は「俺の家の話」を鑑賞。一昨日の最終回を妻が録画してくれたので、週末を待って一緒に観た。
どうも宮藤官九郎氏の書く脚本は以前から好きになれないし、今回もプロレスと能、認知症や介護の全てに大して興味が無いのに、都合の良い所だけ抜き取って話を組み立てた感は拭えなかったが。毎回、程々の家庭内事件が発生しては何となく解決、また次の事件とのにぎやかな展開で飽きる事が無かったし、役作りの為に13瓩も体重を増やした長瀬智也氏がレスラー稼業と能修行、父の介護で奮闘する主人公を好演しており、最後まで見届ける事が出来た。
最終話の展開には驚いたし、其処に至る伏線も後で悟って、好 尚は扨措き、宮藤氏の技巧には感じ入った。本作を以て芸能界の表舞台から身を引く、と云う長瀬氏の今後が幸多からん事を祈る。




