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第九話<夕食>-7

「少し食い過ぎたな・・・。」

気だるそうにトボトボと歩く甲子郎。

「平気ですか?味噌汁を飲みすぎですよ。」

琴和が呆れながら視線を当てると、「残すよりマシだろ。」と顔を逸らす。

現在は食事の片付けも終わり、時間も22時を過ぎている事もあり、

5人は予定通り見回りをしている。

先頭には矢子と蘭子が歩いており、その後ろには甲子郎と琴和がついている。

そして櫻子は上空から異常がないかと、周囲を見渡している。


「そういえばさっき、他にも禦の人が見回りをしているって話でしたけど

実際は何人くらいなんですか?」

歩きながら甲子郎に尋ねる琴和。その話が出ると、

矢子も振り返り、答えに興味を示す。

家を出た後、今晩の見回る場所を決める時に甲子郎は

皆に禦の活動について教えていた。

なんでも実は初めて怪物の死骸が発見されてから、

禦は局員をこの地域の巡回に当たらせていたとのことだった。

初めはほんの数人であったが、この二、三日で数を増やしたらしい。

そして今晩からは、それぞれの担当地区を決めて巡回をすることになっていた。

そこで甲子郎は、他の局員が回らない場所にしようと提案をし、皆賛同して今に至る。


「25人だ。二人ないし三人一組で回っていて、いつでも連絡が着く状態だ。」

「意外と少ないんですね。」

蘭子が不安げに言うと、頭をかく甲子郎。

「そうだな、25人という数字は少なく感じるが、

禦の人間で、尚且つ戦える人間というのはそんなに大勢いるわけではないんだ。

考えてみろ、あまりにも特殊で、非現実的な集団だろ?

数が少なくて当然だ。だから25人といっても、頑張っている数なんだぜ。」

「そうだったんですか。」

蘭子が納得すると上空から櫻子が降りてくる。


「どうかしたの?」

蘭子が話しかけると、櫻子は首を横に振る。

「ううん、何も見えなかった。だから時間が気になったの。

いつもなら、とっくに遭遇しているから。」

「あ、23時過ぎている。」

琴和が時間を確認すると、時間が過ぎていたことに気が付く。

「今日は出なかったってこと?」

「それか他の局員が遭遇したかだな。」

蘭子が思ったことを口にすると、甲子郎も仮説を口にする。

「それとも、昨日のダメージが残っているのかもしれません。」

矢子も話に混ざってくる。

「確かに昨日痛そうだったしね、あのスポーツ刈の人・・・。」


時間も過ぎた事もあり、少しまったりとする一同。

すると甲子郎は空を見上げて話し出す。

「まあ何も無かったが、それが一番のことだ。今日は引き上げるか。

晩飯を美味しく食べれたってだけでも良しとしようぜ。」

その言葉に琴和は「そうですね。」と答えると矢子に話しかける。

「じゃあまた明日、美味しいものを用意しておくね。」

「そうだ、何か食べたいものある?」

矢子の反応を見る前に、蘭子が質問をする。

「あ、えっと特には・・・。」

突然の事で、答えの出せない様子だった。

「じゃあ帰りながら考えてもらおうかな。」

グッと矢子の手を引っ張りながら楽しそうに歩き出す蘭子。

その勢いに、初めは困った表情を見せた矢子であったが、

次第に優しい笑みへと変化していくのであった。


<第九話 夕食 -終->

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