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第八話<関わりを深めて>-7

「何なんだ?今日の展開は。」

公園で5分ほど待つと甲子郎がやってくる。

どうやら近くにいたらしく、然程時間は掛からなかったようだ。

「すみません、急に呼び出しちゃって。」

琴和が挨拶代わりにそう言うと、少し下がった場所で

矢子が静かにお辞儀をする。

「いや、別にかまわないというか、むしろお前たちが

怪物退治に出るのなら呼んでくれ。流石に放っておけないからな。」

そう言われると、琴和は不思議そうな顔をする。

一般人である自分が、怪物退治に首を突っ込んでいるので

注意されると思っていたからだ。

「怪物退治に行くことは止めないんですか?」

「見て見ぬ振りはできないんだろう?」

甲子郎が質問をニヤッとして返すと琴和はただうなずくしか出来なかった。


「さて、じゃあ行くとするか。目的地とかあるのか?」

甲子郎が聞くと矢子は南の方角を指差した。

「今日はあっちの方角に歩いてみようと思います。」

「そうか、分かった。」

そう言うと時計を見る甲子郎。時間は20:35になっていた。

「ちなみに怪物は22時の間にしか出ないという事は知っているか?」

矢子に話しかける甲子郎。すると軽くうなずく。

「はい、今までの経験からして、22時の間にしか遭遇していないので

気付いてはいました。」

「そうか、なら何で早くから出歩いているんだ?」

「術者が怪物を放つ前に押さえたいと思っているからです。

怪物を放たれた後になると被害が広がりますから。」

「そうだな、それに根本の解決は術者を捕まえないといけないしな。」

そう言うと矢子の指差した方角へ歩き出す甲子郎。

それに釣られて二人も歩き出す。


「術者について一つ伝えておく。

角刈りで背が高い男が現れたら

何も考えずに逃げろ。」

「逃げるんですか?」

質問をする琴和。

「そうだ、逃げるんだ。そいつは嘉島といってカザーバの人間だ。

脅しではなく、あいつと戦ったら殺されるぞ。」

「え・・・。」

急に物々しい事を言う甲子郎に戸惑う琴和。

「そんなに危険なんですか?」

戸惑いながらも聞き返すと、矢子が隣で発言をする。

「嘉島政継・・・。カザーバの主要人物で高度の呪術者。

彼と戦った人間は誰も無事に済んだことは無いと聞いたことがあります。」

「・・・そんな人がいるの?」

すると甲子郎が話をする。

「ああ、嘉島はいるぜ。それもこの付近にな。

俺がこの目で見たから間違いない。」

「そうなんですか?」

矢子が尋ねると「そうだ。」と答える甲子郎。

「よく無事でしたね。」

琴和がそう言うと、甲子郎はニッとして振り返る。

「任せろ、あいつの連勝記録は俺が止めてやったぜ。」

「勝ったんですか?!」

「いや、引き分けだな。まあこっちは無傷だから

今、話に出た怖い噂話しはもう成り立たないな。」

そう言うと矢子が質問をする。

「今日もどこかで嘉島が活動をしているのでしょうか?」

すると、甲子郎は空を見上げる。

「さあな、とにかく俺がいない時に嘉島と遭遇したら逃げてくれ。

これだけは守って欲しい。」

「分かりました。」

琴和が素直に言うと、矢子もうなずく。

そして三人は、冷える夜道を当ても無く歩き続けていった。

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