第四話<ジャーナリスト>-2
「櫻子さん、その技どこで覚えたんですか・・・。」
すっかり目が覚めた蘭子が、落ち着きを取り戻し,、
引きつりながら会話を始める。
「んー、まえ小田原さんの家に行った時かなぁ。
不意に後ろから話かけたらすごい驚いてくれたの。」
「・・・笑顔で言わないでください。そのお化けの特権を生かした方法は
心臓に悪いですよ。・・・祟られるかと思った。」
「それより着替えて、カーテン開けて、洗濯して、その他にも
いっぱい動かないと。」
「えー・・・。」
「夜中までテレビ見ているからいけないんでしょぉ。」
「・・・。」
今日は押され気味の蘭子が渋々と着替えを始める。
そしてカーテンを開けると眩しい光が部屋に入り込む。
遮光カーテンで遮っていたために、よりいっそう明るく感じた。
「そういえば、櫻子さんって昼でも平気なの?日の光とか浴びてるし・・・。
幽霊って夜だけじゃないんでしたっけ?」
蘭子が思いついたように質問をすると、櫻子はキョトンとして答える。
「え、ああ何か平気だねぇ。特に光の有無は関係ないみたい。」
「へー、小田原さんにも教えてあげよ。」
蘭子は次に洗濯を始める。今日は天気も良く
洗濯日和であった。
洗濯機にスイッチを入れると
部屋中に音が響き渡る。
1DKの部屋の悲しい特性だった。
「蘭子ちゃーん、ご飯は?」
「えーお昼近いからいいや。」
「体に悪いよぉ。」
「食べ過ぎると太るからいいの。」
また取り留めのない会話が始まる。
すると電話が鳴り始めた。
「蘭子ちゃん、電話ー。」
「あーはいはい!・・・?小田原さんだ。」
急いで電話の元に戻ると
着信が琴和からと気づく蘭子。
「もしもし?」
「あ、小田原です。おはようございます。」
「おはようございます。」
「えっと今日、暇です?」
「あ、ええバイトも無いのでフリーですけど。」
「そうですか、じゃあ今から少し会いたいんですけどOKです?」
「あー今、洗濯を始めたばかりだから・・・11:30でいいですか?」
「分かりました、じゃあその時間に・・・どうしようかな、いいや近くの公園にいますね。」
「はーい。じゃあその時間に。」
簡単に用件を済ますと、電話はすぐ終わった。
「小田原さんが来るの?」
「ええ、11:30に待ち合わせですよ。近くの公園だって。」
「あそこって犬がいたところだよね・・・。」
「うーん、でも日中だから平気じゃないかなぁ。」
「日中だと平気なのかなぁ?私は日中で平気なのに・・・。」
「でも、あの犬や鳥はどう見ても幽霊じゃないと思うんですよねぇ・・・。
それに二匹とも夜に遭ったから、とりあえず夜が危険でいいと思いますよ。」
「鳥は匹じゃなくって羽だよぉ。」
「・・・細かいですね。」
取り留めの無い会話は延々と続いていった。




