第三話<化鳥>-4
「もぉーそれって小田原さんに滅茶苦茶迷惑じゃないですかー・・・。」
「うぅ・・・だってぇ。」
蘭子の家に向かう三人。
その中で蘭子は櫻子に怒り気味で話しかける。
それに半べそで訴える櫻子。
それを見てフォローに入る琴和。
「まぁまぁ、僕は別にいいんですよ。」
「うぅ・・・うちの幽霊が本当にすみません。」
不思議な台詞で誤る蘭子に琴和は少し戸惑った。
「まぁ一昨日、あんな化け物に出くわしたんです。
この時間に出歩くなら迎えがあったほうが良いと考えるのは
普通ですよ。」
先ほど櫻子が琴和を訪ねた理由はこれだった。
22時にバイトが終わるのに一人で帰るのは
心配だから迎えに行って欲しいというものだ。
そう言われると琴和も確かに迎えに行ったほうが良いと感じた。
そして今に至るわけである。
「はぁ、本当に申し訳ないです。」
疲れた顔で蘭子がつぶやく。
「いえ、本当に気にしないでくださいよ。
それに怪物云々以前に、こんな時間に
女の子の一人歩きは危険ですよ。」
そう琴和が言っても蘭子の表情は変わらず、ムスっとしている。
「そうだよぉ、一人で歩くのは危ないよぉ。」
櫻子も続くように訴えかけ始めた。
「大丈夫ですよ、そんな危ない道を通るつもりありませんし。」
蘭子は困った表情で反論すると櫻子もさらに反論をする。
「でも今は人通りがない道だよぉ。」
「そりゃ小田原さんが来てくれたんですもの。人通りがなくても近道を選びますよ。」
「でも人通りが多くても一昨日の犬の時みたいなことあるかもしれないじゃない。」
そう言うと蘭子は少し呆れた顔をした。
「ちょっと待ってください、大体あんな化け物がそんな頻繁に現れるワケないじゃないですか。
それ以前にもう一生現れることなんてないんじゃないですか?
それを気にしていたらいつまでも私は夜道を歩けないじゃないですか。」
自分の後ろにいる櫻子の方を向いてお説教の続きを始める蘭子。
すると櫻子はとても青ざめた顔をしていた。
『やば・・・怒りすぎたかな。』
そう思い、琴和の方を向く。
すると不思議と琴和まで固まっていた。
しかし何故か自分の方や櫻子の方は見ていない。
進行方向を見ながら固まっている。
『・・・え?』
蘭子は二人の様子を見て進行方向に何かいるのではないかと思った。
そこで恐る恐る目を向けることにした。




