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第一話<見えない櫻>-2

「えーっと、小田原 琴和っと・・・あ、振り仮名か、おだわら ことかず・・・」

 ・

 ・

 ・

「あーここ[フリガナ]って書いてるじゃないか、カタカナかよぉ・・・。」


ここはアパートの一室。そこには、ちゃぶ台の前で履歴書と格闘している

一人の男性がいた。

年は二十代半ばを過ぎたくらいで

ラフな服装をして、ショートの髪をボサボサにしている。

「あー、やり直しか・・・やってらんねぇ。」

そうぼやきながら、後ろに寝転がった。


「急に会社が倒産って、つくづくオレってついてないよなぁ・・・。」

この理由で小田原 琴和は現在フリーな状態だった。

そこで次の仕事に就くために履歴書を書いていたのだが、上手くいかずに

少し不貞腐れている状態になっていた。


そんな中、点けていたテレビに少し目をやる。

「長野県を襲った超大型地盤沈下から今日で丸1年が経ちます。

国の調査結果では、まだ危険な状況とのことで、立ち入りが一切許されておりません。

それ故に現地は未だに復旧の目処が立っておらず・・・」



「へー。」

半分無気力状態の琴和がつぶやく。

今の彼にとっては過去の大災害も他人事のようだった。

しかし、次の一言で彼の心に一つの小さな火がついた。


「お知らせの後は、特集・美味しいハンバーグの店です。」

 ・

 ・

 ・

「ハンバーグたべたいな!!」

少し不謹慎なノリだと思いつつも、琴和はせっせと

外出の準備をし始めた。

「腹が減っては戦は出来ぬ・・・だな。」

そう言いながら、琴和は扉に鍵をかけた。

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