1/161
第一話<見えない櫻>-1
「すみません、お水を二ついただけますか?」
年は二十歳前後だろうか、ファミリーレストランの4人席に
たった一人で座っている女性がウェイトレスに話しかけている。
良く晴れた空、時間は18時前後で星も見えてきている。
町の明かりが綺麗に輝き始めている頃だった。
その女性の要望を、快く引き受けるウェイトレス。
「あ、二名様でしたか。只今お持ちいたします。」
そう言うと彼女は、そそくさとその場から離れていった。
それを確認してから、メニューを開き始める客の女性。
「さーて、何食べようかな。」
メニューを見ながらそうつぶやき、一呼吸置くと
自分の正面を上目遣いで見る。
「アナタも何か食べる?」
・
・
・
「ワケないか・・・。」
ため息をつきながら、苦笑いのような笑みを浮かべて彼女はそうつぶやいた・・・。




