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第十五話<駆け巡るそれぞれの想い>-12

「クソッ、何処に行きやがった!?」

休むことなく、走り続ける甲子郎。

門井の姿をすっかり見失ってしまったが諦めることなく周囲を探しまわる。


「住宅街に出たか・・・。」

草木で作られた壁を抜けると、そこには住宅でできた壁が現れる。

人目を気にし、不審者と思われないためにすぐ道に出るが

門井の捜索は止めない甲子郎。


『人目に付く場所には出ないか・・・。

それとも、人の中に紛れるために、あえて出たか。』

どちらの選択肢を選んだかを考える甲子郎。

頭を回転させながら、周囲を見渡す。


『静かだな。まあ賑やかな住宅街はそうは無いか・・・。」

そう思いながら歩き出すと、とある看板を複数見つける。

「売家・・・妙に多いな。」

甲子郎が歩き過ぎた道には多くの売家が存在していた。

その数は1,2軒ではなく、見渡す限りのほとんどが売家だった。

「なんだこりゃ。建設計画でも間違えたか?

どうりで静かな訳だ。」

そう独り言を漏らすと前方のT字路の左方向から人が近づいてくる気配を感じる。

『アイツか?』

気配の発生元は門井かもしれないと思い、

悟られないように気配を殺し、その場で待つことにする甲子郎。

いつでも飛びかかれるような姿勢で待ち構える。


「お前は!?」

「お前も出ていたのか!?」

曲がり角から姿を現したのは門井ではなく修也であった。

突然、甲子郎が目の前に現れたので、修也は驚きを隠せない状態だった。

一方甲子郎は身構えていたこともあり、すぐさま飛びかかる。


「何でお前がここに!?」

甲子郎の突進を後方に飛んで避けると周囲を見渡す修也。

「・・・今はお前と遊んでいる暇はないんだ!」

「俺だって、お前らの遊びにいつまでも付き合ってやれねえよ!

さっさとお縄につきや・・・待ちやがれ!」

甲子郎の話など聞いていないかのように、話の途中で

後方へ逃げ出す修也。甲子郎も慌てて後を追う。


『確かこの辺に大きな空き家があったはずだ。』

左の方を見る修也。

すると、広い敷地の中に白く横に四角い三階建ての家が目に入る。

修也は高く跳びあがり、門を飛び越えるとその敷地へ逃げ込む。

「不法侵入かよ。」

ボソリと一言残し、甲子郎も塀を飛び越え修也の後を追う。

『ここなら人目につかないはず!足止めの為に魔法が使える。』

左手に力を貯めて緑色の光を放つと、甲子郎は身軽に避ける。

「何処狙って・・・うお!」

突然地面から緑色の光の玉が目の前に打ち上がると、虚を突かれた甲子郎は

思わず驚き、立ち止まってしまう。

その間に再び高く跳びあがり、家の二階部に作られた

パーティーが出来そうなくらい広いバルコニーに飛び上がる修也。

「待て!」

出遅れてしまったが、追いかける甲子郎。

高く跳びあがり、同じようにバルコニーへ向う。



甲子郎が修也と交戦している中、

櫻子は少し離れたところで上空から門井の捜索をしていた。

しかし一向に見つからず、とりあえず甲子郎の元へ向かおうと考える。

「確か甲子郎さんはあっちの方角に行ったから・・・。」

甲子郎が向かった方向へ飛び、上空から彼の姿を捜索する。

空から見下ろすとはいえ、そう簡単に人を見つける事は出来ないと感じていた櫻子は

甲子郎もこのまま見つけられないのではないのかと思っていた。

じっくりと見下ろす櫻子。すると一瞬、強い光が見える。

「今何か・・・・・・あ・・・あああ・・・・・・・。」

光が見えた場所を見た途端、口に手を当て突然震えだす櫻子。

今にも泣き出しそうな顔になるとグッとこらえ、光の場所へ急行する。



そこは甲子郎と修也の姿がある場所であった。

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