第十五話<駆け巡るそれぞれの想い>-8
「あれ?琳ちゃん?」
足音が近づいてきたと思ったので振り返る琴和。
すると、そこには琳の姿があった。
「何やってるの?」
「何って、ちょっと買い物に。」
「ランコは?」
「バイトだよ。」
「フーン。」
「おいおい、何処に行くつもりなんだ。」
西松が追い付いてくると、琴和と視線が合う。
琳と知り合いという雰囲気を感じ取ったので、軽く挨拶をする琴和。
「ああ、どうも。
ところでこちらはどちらさんなんだ?」
「オダワラコトカズ。コーシローの友達だよ。」
「ああ、噂の。面識あったんだな。」
「あの、貴方も禦の方ですか?」
琳と親しそうに接しているので、特に警戒をすることなく尋ねると、
右手を差し出してくる西松。
「ああ、禦で医学関係を担当している西松だ。
甲子郎の友達って思ってくれて構わんよ。」
差し出された手に握手で答える琴和。
「医学関係ですか?」
「ああ、まあ最近はめっきり解剖医だけどな。
お前さんたちが倒した怪物も見させてもらったよ。」
「え?」
「それよりオナカスイタ!」
会話が長くなりそうと感じた琳は間に入って話をストップさせる。
「本当にお前さんは自由気ままだな。
何食べたいんだ?」
「コトカズもご飯行こう。」
「え?」
「いや、だから何が食べたいか聞いているんだか・・・。」
呆れた様子の西松の様子を窺う琴和。
「あの、食事・・・ですか?」
「ああ、うちのお姫様がご所望だ。来てくれ。」
「・・・分かりました。それで何処に?」
「さっき落ちていた骨のお店が良い。」
「ん?フライドチキンか?ジャンクフードで良いのか?」
「ウン。」
「フライドチキンでジャンクフード?そういえば蘭子のバイト先がそれですね。」
二人の会話から関連した話題を出した琴和。
「蘭子?もう一人の女性の名前かい?」
「あ、ええ、そうですよ。
それにしても、よく知っていますね。
僕たちの資料って結構出回っているのですか?」
「そうだな、そこまでは広まってはいないな。
ただ俺は甲子郎の近くで働いているから、少し話を聞いていただけさ。」
「じゃあそこの店に行こう。」
また再び会話が長引くと感じた琳が話をぶった切る。
その様子に半分諦めを見せた西松は、
特に何を言うわけでもなく、琴和に道案内をお願いするのであった。




