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第十五話<駆け巡るそれぞれの想い>-1

「悪い話ではないと思いますが?」

深い暗闇の中からうっすらと意識が覚めるような感覚の中、

そのような男の声を聞く蘭子。

しかし、感覚がぼやけており、それが何を言っているのかは、はっきり分らない。

今は夢の中だろうか?意識が曖昧で、現状は全く把握できないまま、

再び眠りにつこうとする。

「帰ってください。」

自分のそばから櫻子の声が聞こえる。


『櫻子さん?』

声に反応してうっすらと目を明けると、

両手を広げて立っている櫻子の背中が見える。

『何をしているの?』

もうろうとする意識の中、声を出そうとするが

力が入らず、一言も発せられなかった。

『夢・・・なのかな?』

そう思うとスッと意識を失う蘭子。

そのまま再び眠りについてしまった。

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