表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/161

第十三話<敵として>-15

「・・・もう、結局混戦じゃない!」

少し離れた位置で呆れながら再び剣を構える旭。

すると彼女の横から男の手が制止するような形で現われる。

「門井さん?」

手の主は門井だった。混戦を見つめながら落ち着いた様子で話しかけてくる。

「退くわよ。嘉島さんも退いたわ。」

「嘉島さんが?」

「そう、ちょっと追い込まれてね。退かざるを得なかった。」

「まさか怪我を!?」

「いえ、そうなる前に退いたの。だから私たちも退くわよ。」

そう伝えると琴和に向け指差す門井。

「まさか今日再会できるとは思わなかったわ。」



「!?琴和さん!!」

門井の気配に気が付き、叫ぶ矢子。

すると琴和は狙われていることに気付き、横に走り出す。

「蘭子!走れ!!」

「え?」

琴和が叫ぶと、それが合図だったかのように彼の足元に

小さな爆発が次から次へと起こる。

「ちょっと、何よこれ!!」

琴和を追うように足元が爆発する光景に蘭子は驚愕する。


「心波!!」

藤堂と交戦中だったが、琴和を援護するために一歩引いて

門井に術を放つ矢子。

すると旭は門井の前に出て剣で術を弾く。

「退くわよ皆!」

門井が大声で指示をすると、無差別に地面を爆発させ始める。

「蘭子ちゃん!」

ベンチを蘭子の前に立てかけ、盾にする櫻子。

しかし爆発は地面にしか発生しなかったので、盾の意味はあまり無かった。

『足止め!?』

矢子がそう気付く間に、藤堂は平次に肩を貸して

その場を立ち去る。



『本当に退いてくれるたのか?』

藤堂たちが見えなくなると爆発が止み、門井と旭もその場を立ち去ろうとする。

その際、旭は一度立ち止まり、琴和の方を振り返るが、すぐさま走り去っていった。


「何とか助かったかな・・・。」

周囲を見渡すと、地面はえぐれ、木々は傷つき、様々な破片が散らばっている。

酷い惨状ではあったが、全員無事だったようでひとまずホッとする琴和。

「話には聞いていたけど、本当に指差したところが爆発するんだね。

今の人たちがカザーバなんだよね?」

今あったことを振り返る蘭子。しかし特に怖かったという雰囲気は見せてはいなかった。

「ありがとう櫻子さん、結構助けられちゃったね。」

続けて櫻子に礼を言うと、彼女は小さく微笑む。

「無事で良かった。矢子ちゃんも駆けつけてくれたから助かったね。ありがとう。」

今度は櫻子が矢子に礼を言うと「いえ、私は。」と謙遜する矢子。


「そういえば甲子郎さんは?」

ふと思う琴和。元々は矢子と一緒だったはずの甲子郎の姿が見えないので

いまさらながら疑問に感じると、

櫻子の台詞に続くように琴和は矢子に聞く。

すると矢子はハッとし、慌てた表情を見せる。


「いけない、甲子郎さんは一人で戦っています!」

「え?」

「実は私と甲子郎さんは嘉島と遭遇したんです。

ですがこっちの方にコウモリの群れが見えたので

琴和さんたちが襲われていると思って私だけこっちに来たんです。」

「!?」

その台詞を聞くと固まる櫻子。

「何だって!?嘉島ってこの前言っていた

カザーバの危険な人なんだろ!?」

琴和がそう聞くと、櫻子は矢子に喰らい付く。

「どっち!?その人とは何処で会ったの!?」

「あっちです。あっちの林の中から現われました。」

矢子の説明を聞くと、急いでその方角に飛んでいく櫻子。

「櫻子さん!?」

蘭子が呼び止めるが、声が届かないまま姿が見えなくなってしまった。

「俺たちも行こう。」

琴和がそう言うと二人はうなずき、甲子郎の下へ走り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ