11 先輩
ユウ様に案内され、今は私の部屋に居る。
「本当にここで良いんだよね……」
私の部屋として案内されたのは、私が前まで借りていた宿の部屋5つ分はある部屋。それに入り口とは別の扉が3つもある。まるで貴族様の部屋みたい、そんなことを我ながら呑気に思っていた。
「あっ、急いで着替えて下に行かないとだよね」
私はユウ様に言われていたことを思い出した。
確かこの引き出しの中だよね。
下に降りると、部屋の中央に置かれている長椅子でユウ様が本を読まれていた。
「お待たせしました」
「おぉー似合ってるよ!」
ユウ様から頂いたこの服はどうやら王城の侍女が着ているものを参考に作られたらしい。袖を通した時は少し大きいかなと思ったけれど、少し経つと体に合うように服が伸縮した気がした。同じような服をどこかで見たような気がするけど……
「あの、これから私はどういったことをすれば」
「そうだね。まずは……「ユウちゃーーーーーーーーん!!!!」」
ドッバーン!!
なっ、何!?
奥の扉が盛大に開かれて誰かが入ってきた?
女の子?
「ユウちゃん帰ってきたんだねッ!!
新しいお菓子できてるよッ! 一緒に食べよーよッ!」
「ちょっと、ネネくっつかないで!」
「えぇぇ~~そんなこといーわーなーーいーでーーーッ!」
入ってきた女の子は10歳くらいに見えるけど……
「ネネ服を着なさいっ!」
「服ジャマなんだもーんッ!
って……誰?」
目が合った……綺麗な銀髪に宝石みたいな青い瞳、こんなに小さいのに子供とは思えないような雰囲気がある。
「この子はアレルだよ。今日からここで働いてもらうの、今朝言っておいたでしょ。
アレル、この子はネネ。んーと……一人でいたところを保護してる子かな。見ての通りな感じだけど気にしないで」
「よ、よろしくお願いします。ネネさん」
「おぉー! この子がユウちゃんの婚約者の!」
そう言いながらネネさんは私の方に歩いてきて、顔を見たり後ろに回ったり……な、何なの?
一人でいたってことは元々は孤児だったのかな。それにユウ様にこんなにも懐いているってことは昔、悪い思い出があったりしたのかも。
「ネネ、アレルが困ってるから離れなさい。それとこれ着て」
「はーーい!」
ネネさんがユウ様から渡された服を着替えている間、ユウ様はお茶を持ってくると言って奥の部屋に行ってしまった。私はというと長椅子に座って待っててと言われたので手前の椅子に渋々座っている。手伝おうとしたけど、まだこの家ののことについて知らない訳だし。
着替え終わったネネさんはというと……私の隣に着て…………視線を感じる。
どうしよう。別に子供は嫌いという訳では無いけど、接する機会なんて無かったから何を話せばいいんだろう。
「おまたせ。ネネ、後で台所ちゃんと片付けてね」
「はーい! わたしが作ったお菓子持ってきたー?」
「持ってきてるよー」
ユウ様が戻ってきた。気まずい雰囲気から開放されて少し安心。
お茶を淹れようとしたけど、そういった技術みたいなのも知らない。そんなことを思いつつも静かにしているしかできない。これから頑張らないと。
「はい。お菓子に合うと思うよ」
「ありがとうございます。頂きます」
「どう?」
「そんなに種類を飲んだことないですけど。いい匂いで、美味しいです!」
「良かったー、勉強した甲斐があったよ!」
そんな風に笑うユウ様を見て私の体温は少し高くなった気がした。
「あっ。それでね。
まずは、アレルのお仕事についてなんだけど。ネネと一緒に働いてもらいたいの」
「ネネさんとですか?」
「そう。ネネはここに来てからずっとやってもらってるからね。
それと……アレルには魔法とお作法の勉強をしてもらいたいんだけど、これについては明日話すね」
「わ、分かりました」
お作法は覚悟していたけど、魔法? ユウ様が使ってるのは見たけど……そんなの
「魔法についてはちょと戸惑ってるかもだけど……実験みたいなものだから、緊張しないで」
魔法を使える人なんて極わずか。それこそユウ様みたいな勇者様のような人じゃないと使えない、まさに夢物語の存在。それを勉強する人なんてまずいない。
これからどうなるんだろう。




