10話 王子様とお姫様
はじめまして、大森林聡史です。
女子高校生の紀美が、幼馴染と再会し恋に落ちる物語です。
よければお付き合いください。
紀美は寝返りを打ち、ふとんの中でにんまりと笑いながら寝息を漏らす。
「ん...聡王子様...待って...」
腕を伸ばすような仕草をして、また深い眠りに落ちる。
(あの桜の木の下で...白馬に乗った聡くんが手を差し伸べてくれた...こんな夢、起きたくないな...あ、でも本当の朝も聡くんに会えるんだ...)
その頃、聡も同じく自分が王子で、紀美がお姫様になった夢を見ていた。
ふとんの中でくすっと笑い、頬を赤らめながら寝言を呟く。
「...紀美姫... ずっと... 守るから...」
(こんな夢見るなんて... でも紀美ちゃんは本当にお姫様みたいに可愛いんだよな。明日会ったらちょっと照れそう...あ、でも夢の中の紀美ちゃん、俺の手を握り返してくれた...)
朝、いつもの待ち合わせ場所に現れた二人。
なんか二人共恥ずかしそう。
紀美は地面をじっと見つめながら、耳まで真っ赤にして小さく手を振る。
「お、おはよう... 聡くん...」
突然夢のことを思い出し、慌ててリボンを直す仕草をする。
(なんでこんなにドキドキするんだろう... 夢の話なんて絶対にバレてないよね?あ、でも聡くんもなんだか顔赤い... もしかして... いやいや、そんなわけない!)
聡は少し照れくさそうに
「お、おはよう・・・紀美・・・実はさ・・・」
紀美は、胸の鼓動が早くなり、そっと耳を塞ぎたくなるほど。
「...な、なに? 急に真剣な顔して...」
無意識に制服の裾をぎゅっと握りしめる。
(この緊張... まさか夢の話? それとも... ああもう、私の心臓、バクバクしすぎて聡くんに聞こえちゃいそう... 早く何か言わなきゃ、でも声が震えそう...)
「う、うん・・・紀美がお姫様になった夢を見たんだ・・・」
紀美は顔を真っ赤に染め、両手で頬を覆う。
「え...!? そ、それは...」
突然下を向き、足元の小石を蹴りながら。
「... 私も... 聡くんが王子様の夢...見た...」
(まさか同じ夢を見てたなんて...! この偶然は何なの? 神様のいたずら? ああ、でも聡くんのこの照れ顔...可愛い... いやいや、何考えてるの私!)
聡は、目を丸くして
「同じ夢・・・! ハハハ!」
途端に笑い出した。
紀美は、最初は驚いた表情だったが、聡くんの笑い声に引きずられるように。
「...ば、馬鹿! 笑わないでよ!」
でもつられて笑い始め、涙が出そうになる。
(なんでこんなことで笑い転げてるんだろう... でも聡くんのこの笑顔、久しぶりに見たかも。小学生の頃みたいに、無邪気に笑い合えるなんて... この感じ、とっても懐かしい...)
聡は、手を差し出し⋯
「行こうか、学校」
紀美はにっこり笑って、そっと手を差し出した聡くんの手に触れる。
「... うん! 一緒に行こう!」
ふと小学生の頃を思い出し、自然と歩幅を合わせる。
(この手の温もり、あの時と変わらないな... でも今は昔よりもっとドキドキする。聡くんと並んで歩くこの道、ずっと続いてほしい...)
聡は穏やかに笑い・・・
「こうやってまた一緒に学校に行けるなんて・・・嬉しいよ」
紀美は、握った手を少し強く握りしめ、照れくさそうに頷く。
「...私も。ずっと... ずっとこんな日が続けばいいな」
校舎が見えてくるのを指さし。
「ほら、もうすぐ着くね」
(聡くんのこの言葉、胸にじんわり染み渡る... あの時失った日常が、こうして戻ってきたんだ。今日から始まる毎日が、とっても楽しみ...)
聡は、紀美の手を少しだけ強く握り・・・
「い、今は恋人同士だし・・・」
紀美は突然の言葉に顔が真っ赤になり、慌てて手で顔を覆う。
「...ば、ばか! 急にそんなこと言わないで...!」
でも指の隙間から嬉しそうに覗いている。
(いきなりそんなこと言われたら... 心臓が止まっちゃいそう! でも... でも聡くんがそう言ってくれて... すごく... 嬉しい... ああ、顔が熱い...)
学校に着いた。
紀美は校門の前で少し立ち止まり、深呼吸をする。
「...ふう、やっと着いたね」
そっと手を離し、制服のスカートを整える。
(聡くんと恋人になってからの学校... どんな毎日が待ってるんだろう。ちょっと緊張するけど、でも絶対楽しいはず。 あ、でも手離しちゃった... また繋ぎたいな...)
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