表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
28/32

【28話】ど、どどどうせいちゃうわ!!

 美和と一緒に仲良くお風呂をいただいて、気分爽快超さっぱり!


 ちなみに服を着る時、美和にめっちゃ警戒されてた。

 ふふふ……そうやって隠せば隠すぽど……(以下略)


 中村のおばちゃんが用意してくれていた、着替え一式のパジャマに着替えて寝室へ。


 ……っていうかこんなのも事前に用意してくれてたってことは、完全に大人たちの掌の上だったってことよね、お釈迦様の掌の上で調子に乗ってしまった孫悟空の気分だ。


 ちなみに用意されていた下着もパジャマも、美和とわたしはおそろいでした!


「ふふふ……美和とおそろいのパジャマ♪」

「そうね」


「ふふふ……美和とおそろいのパンツ♪」

「……そうね?」


「ふふふ……美和とおそろいのブッラ♪」

「サイズは違うわよ?

 って、なんでアンタはそんなとこでテンション高めてんのよ!?」


「ん!?だって同棲みたいじゃん!これから一緒に寝るし」


「な!?ど、どどどうせいちゃうわ!!」

 めちゃめちゃ慌てる美和、さては何にも考えてなかったな?

 めずらしい。


「明日はおはようから一緒だね♪」

 ウインクしながら美和のうでに抱きついた。


「もう、変なことしちゃだめだからね……」

 普通に照れながらそっぽを向いた美和……

 うん、かわいい!! 


 私たち二人のために用意されていた部屋は、高級旅館の和室のような豪華な一室。

 人が出入りできる大きな窓の外には縁側、縁側の外には、きれいに手入れをされた中庭が見えました。


 そして、お部屋のど真ん中に並んでお布団が敷いてありました。


「一緒にお風呂の後は同衾どうきんですな〜♪」

 ウキウキというわたしに、


「意味わかっていってる?

 同じ部屋だけど寝具は別々よ?」

 ジト目で牽制を入れてくるパジャマ美和。


「お布団二つもひかなくていいのにね〜」

 涼しい顔でとぼけるわたしに対して、


「…………」


 美和は何も言わずに二つの布団の距離を倍にした。


「美和!ひどっ!!」


 そっと元の位置に戻すフリをして、初期位置より近づけると、美和が……


「ま、いいケド」


 見逃してくれました。


 荷物の整理をして、明日のための準備を行います。

 美和先生が。


 わたしは横で見てました。

 さすがは予習の美和!


 今日やっておくべきことが片付いたのを確認して。

 電気を消して


「おやすみ」

「おやすみなさい〜」


 しばらくして……


「ねぇ美和、起きてる?」


「ん?」


「お昼に三津浜焼きのお店で中村のおばちゃんの話を聞いた時さ、

 わたし、この実家の人たちのこと、子供を死なせてしまった、

 とても悲しんでる中村のおばちゃんを見捨てた、血も涙もない人たちと思ってたけど……

 気のいい普通の人たちだったね」


 わたしは、この家で出会った人たちのことを話した。


「きっと不幸な諍いは時代のせいで、そこから長い時間をかけて、

 少しづつ関係を修復していったんだろうね……」


 美和も何か感じるところがあったのだろう……


「あんなに冷たい仕打ちを受けても、許し合おうとする中村のおばちゃんの努力、

 わたし、かっこいいって思ったんだ。

 わたしと美和の、ケンカと仲直りなんかとは、比較にならないくらいに、

 長い時間と心の葛藤を超えて、今の笑顔があるんだなと思ったんだ。

 ……すごくない?」


「……ねぇ、私たち、もしまたケンカしても、何年かかってでも仲直りしてくれる?」

 美和が珍しく甘えるような声で訊いてきた。


 だから、わたしははっきり言った!

「え?ヤダ!」


「っっ!!!???」


「何年もなんて待てないよ!3日以内で仲直りしよう!!

 今回のケンカも4日目はキツかったんだからね!」

 わたしは、美和に正直に告げた。


「もう!びっくりさせないでよ!!

 そして、さてはお前は私のことが大好きだな!!」


「うんそう!」


「私もだよ、おやすみ」


「おやすみなさい〜」


「ねぇそっちいっていい?」


「ダメ!」


「ぐぬぅ……」


「ふふふ……」



~た~ら~ら~、らったった~♪~



 朝、5時半にいつもの習慣で目が覚めた。

 美和を起こさないように、美和のお布団から抜け出して、取り出しやすい位置に置いておいた傘を持って、中庭側の窓を開けてそっと部屋を出る。


 縁側で腰を下ろして、つっかけを履いて庭に出ると、良さげなスペースを見つけて、スクワットなどのその場でできる筋トレと、傘を竹刀がわりに素振りを始める。


 毎日の筋トレと素振りは欠かさない。


 白百合しらゆり騎士ないとさんからの手紙のトレーニングメニューは、最近は剣道だけじゃなくて、なぎなた・フェンシングや柔道など、わたしに向いている他の競技を探るような内容になってきていた。


 ちゃんと見ていてくれてる人がいる!

 真剣に進む道を考える時期なんだと伝わってくる。

 がっかりさせるわけにはいかないよね。


 よそのお宅で汗だくになるわけにもいかないので、汗をかかないぐらいの強度の軽めのメニューを時間をかけてじっくりと。


 途中から、わたし達の泊まった部屋のカーテンが、少し開いてるのが分かった。


 こっちをじっと見ている。堂々と見ればいいのに、そしてずっと見てても楽しいもんじゃないよ?と心の中で思いつつ。


 かっこいいとトコ見せなきゃね!

 黙々と打ち込んだ。


 見ていてくれている人がいる。

 それがとてもうれしい。

 わたしのこと惚れ直してくれたかな?


 昨夜の宴会場とは別のそこそこ大きな和室で、お膳に乗せられた朝食をいただいた。


 昨日遅くまで呑んでて泊まった人たちと、この家の人たち、中村のおばちゃんと私たちで10人ほどだ。


 朝ごはんも豪華だった。高級旅館の朝ごはんですか?って感じの


「出汁醤油に生卵を溶き、そこに新鮮な鯛の薄切り刺身と、ワカメやシソなどの薬味を絡め、炊きたてのご飯の上に一気にかけて豪快に味わう、南予地方なんよちほう発祥の絶品郷土料理! 宇和島うわじま風 鯛めし


 そこに愛媛を代表する名産品、炙りたてのじゃこ天!香ばしさと、濃厚な魚の旨味がジュワッと広がる、熱々の美味しさがたまらない!!


 瀬戸内ちりめんと松山揚げのお味噌汁は、サクサクとした独特の食感とコクがある愛媛特産の「松山揚げ」と、なめこや豆腐を入れた優しい味わいのお味噌汁!!


 以上!イカれたメンバー3品で構成された、豪華すぎる一汁一菜!!」


「あんたの適正は剣士系と思ったけど、実はグルメリポーターだわね、芸人よりの」

 美和が彦摩呂ひこまろを見るような目でわたしを見てつぶやいた。


「確かに……いくらでも食べられるわたしには天職かも?」

 見ていてくれている人からのご意見は貴重だ。


「もしくはフードファイター」


「同じものをひたすらたくさん食べるのはなぁ〜飽きる!」


 ともあれ、めっちゃおいしかったです!


「…………」

 空のお茶碗を見つめ、長考するわたし。


 普通のごはんなら、迷わずおかわりするところですが……

 お高めの鯛めしだったので、ちょっとはばかられます……

 わたしが真剣に悩んでいると、


「フフ……へただなあ、咲良くん へたっぴさ……!」

 いつのまにか、わたしのお茶碗に山盛りの鯛めしをよそった美和が隣に座っていました。


「食欲の解放のさせ方がへた……


 明日からダイエットするんだ、明日から糖質制限するんだ、

 今日たらふく食べたものにのみ、体重増加はあるんだよ……」


「おかわりしたいです!安西先生!!」


「なんで安西先生やねん!!」



「おかわりした鯛めしも大変おいしゅうございました!

 ご馳走様でした!!」



 荷物をまとめて、出発!目指すは三津浜港!!

 うちのお母さんを迎えに行きます。


「お世話になりました!」


 昨日来た時と同じように、玄関でお見送りをしてくれる中村のおばちゃんのお兄さん。


「じゃぁまた来年ね!」


「お正月にも帰ってきていいんだそ、っていうか帰ってきてくれよ!

 今度は旦那も連れてさ! なんならその子たちも大歓迎だぞ!!」


 大盤振る舞いのお兄さんの提案に


「向こうで迎えるお正月も楽しくってね!

 また来年の夏に来るよ!

 何なら兄さんが遊びにおいでよ!」


 朗らかな笑顔で応える中村のおばちゃん。

 中村のおばちゃんの今まで見たことのないタイプの笑顔が、昨日今日とたくさん見られました。


 あと、この家のお正月のごちそうと、お年玉が一瞬ちらつきましたが……

 空気を読んで黙っていました。

 わたしは我慢ができる子ですから。


 ちなみに、ずっと親友はわたしにジト目を送っていました……

 そんなに顔に出てたかなぁ……

お昼の更新をお読みいただきありがとうございます!

美味しい瀬戸内グルメの裏で、物語はいよいよ収束へ向かいます。

この旅で咲良と美和が得るものは何なのか?

次回、本日【17:05頃】の更新をもちまして、ついに『完結』となります!

咲良たちの旅の結末を、ぜひ最後まで見届けてください!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ