表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
19/32

【19話】作戦決行!

 一学期の終業式も無事に終わり。

 たっぷり宿題も出ちゃいまして……

 とうとう夏休み突入!!

 そして、あっとゆーまに日にちが過ぎて……


 いよいよ作戦決行の日の前夜!

 お風呂から上がってスマホを見てみると、今日の部活帰りに作戦会議した美和から、念押しのLINEが届いていた。


『忘れ物しないように!』

『スマホの充電しとくように!』

『寝坊しないように!』

『長距離乗るから、自転車の点検しておくように』

『お風呂入った?』

『歯はみがいた?』


「お母さんかな?」

 とりあえず『オールオッケー♪また明日!』と返しておいた。


 そして当日の朝!

 全ての準備は、この日のために!!


 中村のおばちゃんと一緒に行く予定の日と、1日違いの設定のおかげで、家での旅行準備も疑われずに進めることができた。


 ここ最近、毎晩のように旅行の準備を進めるわたしにお母さんは、

「あんたにしては、前々からしっかり準備してるのね?」

 って訊いてくるけど。


「やだなぁお母さん、わたしもう中2だよ〜」


「美和ちゃんにうるさく言われてるからじゃないの?早め早めに準備しときなって」


「あははは…… バレた?」


「昨日も美和ちゃんからLINE沢山来てたもんね!」


 周りにつく嘘が少なくてありがたい。

 私は嘘が嫌いだし、嘘をつくのも苦手だ。


 いつものように、朝のルーティンと、朝ご飯を済ませて。

 7時にお仕事に行くお母さんを見送って。


 そこから10分ほど待ってみて、お母さんが忘れ物などで戻ってこないことを確認した上で、事前に用意した置き手紙を台所の机の上に置いて、出発!!


 自転車で中学校学校近くのアパートに住む、親友の家に向かいまずは合流だ。


「おはよう」

「うん、おはよう」


 挑むような目の笑顔の美和が待っていた。

 親友はすでに準備万端整えて駐輪場に居た。


 柳井の仲直りデートの時に買ったデニムのオーバーオール(長ズボン)に麦わら帽子姿だ!

 予想通り……

 いや、予想を上回る可愛さのファーマー美和がそこにいた!

 わたしは流れるような動きでスマホを取り出して。


 パシャ!パシャ!!


「なぜ旅行行く前の自宅前で写真を撮りだすねん!!」

「しまった!ファーマー美和のかわいさについ!!」


「まったく!……じゃあ行こうか!」


 美和は、これまたあの日に買った傘を、サイドに刺した大きめなリュックを背負っていて、一見すると家出少女にも見えてしまう。


「そのカッコ大丈夫?補導されない!?」


「大丈夫!考えがあるから。さあ行きましょ!!」


 二人で、ここから自転車で柳井港まで向かう。


 なかなかに長距離で初めて行く場所だけど、よく行く最寄り駅(と言っても家から自転車で1時間かかる)の柳井駅から電車で柳井港へ向かう案だとまずい。


 柳井駅には同級生の白石くんのお父さんが勤めている。そこから親に連絡が行く可能性があった。


 なので、道に迷うことも考えて、少し早めの集合として、自転車で直接、柳井港駅を目指すプランとした。


 時間の余裕はたっぷりなので、途中のコンビニで休憩。特にお腹も空いてないし、喉も乾いてないからブラブラするだけのつもりだったが、

 美和はペットボトルの麦茶を2本買うようだ。

 なんでそのチョイスなんだ!?


「咲良も買っときな、観光地の飲み物高いから」


「なるほど、了解です!」

 美和に倣って、わたしもペットボトルの麦茶を2本買った。

 その場で飲むなら冷たいジュースだけど、1日持って回るなら、ぬるくてもおいしい麦茶だよねぇ。


 柳井港への道は、初めて通る道だが、分岐点ごとに立ち止まって、Googleマップで道を確認して、1時間とちょっとかけて、なんとか無事に柳井港に到着。


 田舎の道は1本間違うと面倒だからね。


 この初めての道の移動は、最初の難関だったけど、なんとかクリア。


 事前に調べておいた、柳井港駅前駐輪場に自転車を停めて、フェリーターミナルの建物に向かう。


 乗船券を購入するのだが、ここがお次の関門だ。

 怪しまれずに、中学生だけで乗船券が買えるのか……



「妹と一緒に、松山のおじいちゃんの家に行くんです!」



 フェリーターミナルの職員さんに、堂々と嘘をつく美和。

 わたしは後ろでハラハラしていた。

 松山の三津浜港に、祖父母が迎えに来てくれているシナリオらしい。

 大きめのリュックも姉妹二人分の着替えが入ってると思えばそれらしく見えてるから不思議だ。


 同い年なのに、わたしが妹の設定なのが腑に落ちないが、

 全く似てないわたし達二人が姉妹ってだけでも怪しいのに、双子設定は無理がありすぎる。


 屈辱だが、甘んじて受け入れた。


「気をつけてね!よい旅を!!」

 親切に対応してくれた笑顔の職員のおばさんに、

 笑顔で「ありがとうございます」と返す美和お姉ちゃん。


 なせか後ろで見てただけのわたしに、嘘をついてしまった罪悪感が……


「何をいまさら、気にしちゃダメよ?」

 美和お姉ちゃん……コワッ!!


 何とか第2の難関も、無事にクリア。

 ここで、夢にまで見て、記憶にはない、

 防予フェリーのお船とのご対面です。


 わたし達がこれから乗るフェリー おれんじぐれいす!

 うっわぁ! でっかいなぁ〜

 美和と二人でそのスケールに感動した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ