大切なプレゼント
(主様、海鮮丼の材料が届くからそろそろログアウトしてくるのじゃ!)
(え、忍ログアウトしてたんじゃ?)
(我は両立できるからな)
そうでしたね。忍とは感覚的に長い付き合いになってきたから忘れてたよ。
「食事の時間で呼び出しかかったからログアウトしなくちゃならないんだけど、二人はどうする?」
「お姉ちゃんどうする?」
「ここからモノロスへの帰る方法がデスルーラ以外であるのであれば探索して魔王様のお役に立ちたいです」
二人とも……ココロとは違って純粋無垢に私を慕ってくれてるなぁ…それなら、
(真宵)
(送迎であれば私が行いますのでご心配なさらず)
「真宵が送迎してくれるみたいだよ」
「それなら安心して食事を楽しんで来てください」
「魔王様、またね」
「またね、莉華ちゃん」
そしてそれと同時にログアウト。これで消えながらお別れの挨拶をしていることになって神秘的に演出ができたと思う!
「こころ、今何時?」
「十一時半だよ」
「あれ?海鮮丼は晩御飯のだったよね?」
「いや、誰もそんな事言ってないよ」
「そうだっけ?」
「そうだよ、お姉ちゃん」
まあ、いいか。
「それで届くとは聞いたけど、届いた?」
「まだだよ」
ん?あれ?ここは自分の部屋で、私はVRゲーム器のヘッドギアを着けているから、フルフェイスヘルメットを着けているようなものなんだよね。
目の前のマジックミラーモドキから何故かこころの顔が私のことを覗きこむように目が合ってるんだよ。
そして何故か今日は枕を使わずにゲームを始めたはずなのに枕を使った時みたいに首が曲がってる。
以上の事から導き出される結論は!
「こころ、人の部屋に勝手に侵入して私が動けない状態だからって勝手に膝枕すな!」
「お姉ちゃん…珍しくセキュリティが甘かったから何かあったのかな?って思ってさ」
「そりゃあ海鮮丼が待ち遠しいからに決まってるでしょ。あとさ、膝枕してくれるならこのヘッドギア外した状態でしたいんだけど」
「それはちょっと無理かも」
「なんで?」
「今、ただでさえ鼻血が出そうなのに直にお姉ちゃんを膝枕するとなると確実に出てしまうからね」
逃げねば!ヘッドギアを守らねば!
「あ…」
「こころ、壊されたら困るからこそのこの対応だと理解して」
「はい…」
「こころから貰った大切なプレゼントの一つなんだからさ、私も大切にしないといけないかならね」
「う…ん…」
「あ、気絶した」
鼻血が出ないようにした結果、気絶して難を逃れるのか……本当にこころは多芸で羨ましいなぁ。




