決着をつける
「特殊魔法 ”隠密変化”」
俺は一度姿を消して、作戦を練る。
「ドコダ、ドコダ!」
渚が暴れている隙に俺は体力を回復させていく。
取り敢えず自分も回復しないと確実に死ぬしな。
「回復魔法 ”完全回復”」
うん、茜の影響で魔力はかなり減ってはいるが……
この作戦で決めるしかない。
俺は隠密変化を解き、渚に姿を見せる。
「ミ…ツケタ……。」
あいつはもう、口から血がダダ漏れと言う状態だ。
明らかに危険な状態。
渚は意識がほぼ無い状態、今は精神力と執着心だけで動いている。
このままだと、どうやっても勝てる訳はない。
「ハドウ……マホウ ”ハ…”」
いくぞ、作戦実行だ。
「回復魔法 ”完全回復”」
俺は渚に向かって完全回復させる。
よし、第一作戦は遂行した。
「ふぉあ、え!」
渚の意識はすぐに回復し、血も止まる。
「波動魔法 ”波動……”」
「えいや!」
俺は回復した瞬間の渚の顎を思いっきり殴る。
「ふが……」
次は襟首を掴んで、勢いだけで投げ飛ばす。
ドンと凄い音がなった後、地面が凹む。
波動の鎧の影響で地面にはひび割れる。
「波動魔法 ”波動纏”」
俺は渚の波動の攻撃を食らう。
その波動は体に纏わり付き、移動を封じられる。
「うげっ……。」
面倒なものに当たったな。
だけど、これしき……
次の一手で決めるしかない!
「炎魔法 ”h……”」
「波動、爆破!」
渚がそう言った瞬間、俺に纏わり付いていた波動が一斉に爆発した。
爆発はモロに当たり、後方に吹き飛ぶ。
「回復魔法 ”完全回復”」
すぐに回復を施すが、傷が大きかったのか、全回復しても痛みが残る。
「波動魔法 ”波動ストレート”」
波動の乗った拳は俺の顔面に……
「負けられないんだよ、俺は。茜の為でも、自分の意地と命の為でもな。」
俺は手の骨を砕けながら拳を止める。
「毒魔法 ”バトラゴキシン毒霧”」
俺は渚の目の前で毒の息を吐く。
あのテトロドキシンとは違うが、同じ神経毒だ。
まっ、能力はかなり違うけど。
かなり凶悪な毒だ。
「うっ、体が……」
この毒は筋肉を麻痺させる、矢毒蛙の毒だ。
渚は少しずつ動けなくなっていく。
毒の影響か、纏われていた波動の鎧が解かれていく。
これで最後だ。
「炎魔法 ”不死鳥弾丸”!」
俺は痺れている渚の胸の真ん中に炎の弾丸を貫いた。
漸く勝ったぞ。
やっと、漸くだ。
「ま、負けたのか……、僕。」
渚からは涙と共に淡い光が漏れ出している。
「なんで、なんでなんだよ。僕は……漸く……」
渚は大の字に寝転んだ後、大粒の涙を流す。
「ん、う……」
俺も倒れ、大の字に寝転ぶ。
茜は……大丈夫か?
「何でそんなに強いんだよ。僕の魔法は単純な力だと上なのに。」
「まぁ、技術はあるけどな。」
あと波動魔法の成長速度も凄かったからな。
もし更に速かったらと思うと……
「何で前世は愛が貰えなかったんだろう。人間全員平等って言うけど才能も家族も選べないんだよね。不平等だよ、この世界。」
「確かにそうだよな。」
取り敢えず、俺は渚の話に付き合う。
「大変だったな。」
「うん。」
「渚は何歳だっけ?」
「今で18。6人の中で一番下だよ。」
「茜より年下なのかよ!」
前にも言った気がするが、茜は俺と同じ20歳だ。
「こんなに話したのは初めて。友達もいなかったし、とても楽しかった。こんな事にはなったけどありがとう。」
もう少しで淡い光は消えていく。
一つだけ、一つだけ聞かないといけないものがある。
「渚、ヲルトガルフとは一体誰なんだ?」
「一言で言えば、クソ野郎。無能だけど異常なほどの意地を持つ奴だ。そいつは、ウォーウィン王国の国王。頑張ってね、曙さん。」
「ああ、そうだな。」
そう言って渚が消えた瞬間、周囲の竹藪の景色は消え、元の山の景色に戻った。
ああ、終わった。
速く茜を助けないと……な。
ドキドキ! 異世界質問(設定)コーナー(笑) じゃねぇ!
answer 済みませんが、また休載(?)します。
ストックが無くなったので、ある程度溜まったら投稿します。




