空洞現象&エクスカリバー
キャビテーション現象。
またの名を”空洞現象”。
簡単に説明すると、液体中に泡が生じる現象で,一種の沸騰現象である。
大気中や水中に振動を出し、衝撃を与えることも出来る。
茜の放った泡砲は大気を振動させ、敵に衝撃波を当てる。
それによって、錬聖は吹き飛んだのだ。
「仕事は……もう、いい。俺個人として殺す。」
うっえ……まだ気持ち悪いや。
腹の感覚が……
「聞こえていなかったか? 俺個人として……」
「ちょっ! タンマ……オロロロロロ!!」
うっげ、吐いちゃった。
「えっちょ、やめろよ、お前! 取り敢えず、取り敢えず吐いた物を埋めろ!」
錬聖の言う通り、シャベルにして穴を掘ったあと中身を埋めた。
すごい、朱鷺丸みたいだ。
取り敢えず、二人とも座り込む。
「お前と一緒にいると疲れる。まるで……。」
「ん?」
「天聖、燈聖、あいつら心配だな。」
「天聖? 燈聖? 誰なんだ?」
「俺の……弟だよ。自分だけこの世界に行ってしまった。そのお陰で会えた人もいるが、でも戻らないとな。」
そう言って錬聖は刀を持ち、立ち上がる。
「お前には夢はあるか?」
「え……」
「無いならいいが……ここまで生かしたのも俺の情だ。俺は自分の夢のために戦おう。例えどんな穢い手を使ったとしても、だ。」
錬聖が刀を構え始め、僕も剣を構える。
息を整え、全身の感覚を研ぎ澄ます。
……多分、強力な技は一回だけしか使えないな、これ。
朱鷺丸の回復魔法とかで怪我や傷は回復出来る。
でも、体力は回復しない。
もう一撃だ。
一撃で決める!
「剣スキル ”鋼断”」
まずは一気に刀を折る!
「ア、ガガガ!」
しかし、その瞬間に錬聖は刀の向きを変えて技を出してきた。
「久留主参式 ”山伏国広”」
刀と剣と触れ合った瞬間、全身の骨に亀裂が走ったような痛みが来た。
「この技は元々、武器を破壊するための技だが、お前の剣は不壊なんだろう。」
意識が途絶えていく……
ヤ……ッバ……
「この技の衝撃は剣を通じて全身に行き渡る。もう倒れてくれ。これ以上は……。」
錬聖はもう、必死に嘆願してくる。
錬聖の手が緩まった瞬間、砕けた足で後ろに下がる。
凄い激痛で血が吹き出てくる。
最後だ、これで決める!
「剣スキル ”聖帝王剣”!」
全ての力を出し切れ!
「なっ! 久留主一式 ”今剣”!」
直ぐに錬聖の先制攻撃がやって来る。
しかし、その技は発動する事なく、いや、発動したが僕の奥義によって、その能力ごと切り裂かれた。
「無理だと……」
錬聖の持った刀は横に弾かれ、隙が出来た。
僕は剣を大きく構え、一気に振るう。
刃は錬聖の体を引き裂き、地面に着いた。
……漸く勝った……
聖帝王剣、この技は如何なる相手の攻撃の能力を無効化し、光の斬撃を当てる。
だけど、その代わりに大量の体力を使うんだよ、これ。
これは錬聖が一瞬、一瞬手を緩めたから出来た事だが……
「オエッ!」
反動で大量の血を吐いた。
すぐに力が抜け、前のめりに倒れてしまった。
「大丈夫か……桜木くん。」
薄れゆく意識の中、身体が淡く光る錬聖が近づいてくる。
「済まないな、せめて……」
すると錬聖は身体に慣れた手付きで包帯や添え木を括り付ける。
あ……もう駄目だ……
意識が……
「俺は元々、医者の息子だったんだ。これ位なら簡単に出来る。俺に勝ったんだ、せめて生きてくれ。俺のような屑野郎から生まれた奴より、お前は生きろ!」
もうそろそろか……
「俺は酷い奴だな。俺はこの世界にやって来たのは良かったと思う。生きて生きて、生き続けろ。」
じゃあな、桜木 茜。
王羽や忍の言った通りだったな。
俺はヲルトガルフの居城に戻った。
茜と錬聖の決着した約2時間ほど前。
「僕はシャボン。あなた、朱鷺丸を殺しに来ました。」
「物騒だな、シャボン。」
ドキドキ! 異世界質問(設定)コーナー(笑)
No.13 なぜ錬聖の技の名前は”久留主○式”なのか?
answer 錬聖の刀の名前は”久留主藤一郎”のため。




