この後
47話目です!
「何で死なないの?」
王羽と忍は確かに槍を貫通させたはず……
ただ淡い光が出ているだけ。
本当に何でだ?
「前も言っただろ。ヲルトガルフと協力関係にあるからだ。」
「それと何の関係があるんだ?」
俺は座りながら応える。
魔法の過剰発動の影響で足が痙攣して動かない。
「俺様たちはヲルトガルフと契約した時、命令を忠実に遂行する代わりに一時的な不死を貰える。しかし命の損失に関わるほどの傷を負った場合に、失敗と見なしてヲルトガルフの居城に戻るようになっているんだ。戻るときに出るのが、この光と言う訳だ。」
なるほど、だから淡く光っているのか……
「あと何分で戻るんだ~?」
「この光具合からあと10分ぐらいだな。その間に話しておくか……」
たった10分で戻るものなのか……
漸く足の痺れが引いてきた。
少し茜に支えてもらって立つ。
「話って何?」
「ああ、これからの事だ。多分お前らは俺様と違う奴に命を狙われるだろう。」
「俺とクロの他に残り4人の刺客がいる。全員俺らと同等の力を…。いや、二人だけ俺らと少し強いか……」
「まぁ、頑張ってくれよ。って、もうタイムリミットか……。時間を見誤ったか……。」
本当の事なのか!?
あと四人も……
「って、何で僕たちに話してくれたんだ? 話さなければ有利なはずなのに……」
「確かにそうだ。なぜなんだ?」
俺がそう問うと王羽と忍は顔を見合わせて笑った。
「特に意味はない~な。」
「ああ、そうだな。ただ俺様の数少ない大切な宝に似ていたからだ。何も気にするな。」
「もうそろそろ時間だ、クロ。」
「おう、そうか……」
既に光は王羽たちの体全体を覆っていた。
「じゃあな、また会う日まで! Thanks(ありがとう)! My comrade(俺様の戦友よ)!」
「格好つけるなんてな~。じゃあな、俺からも。」
「うん! また会ったら、色々話そう!」
「ああ、じゃあな。王羽、忍。」
そして、二人は光に包まれて静かに消えていった……。
日はとっくに沈みきっていて、空には星々が輝いている。
辺りは砕けた木々、抉られた地面が月明かりに照らされて視界に映っている。
戦いの激しさがとても伝わる。
……、やっと終わったのか。
あの二人は完全な悪では無かった。
自分の大切な者のためにあれだけの覚悟をしたのだから。
「あ、朱鷺丸。 廣丸はどうしたの?」
「ああ、廣丸は海鯨亭の店主に……、って忘れていた。」
早めに戦線離脱させていたが、すっかり忘れていた。
今は大丈夫なのかなぁ。
店主がしっかりと見ているはずだからすぐに戻ろう。
「行くぞ。特殊魔法 ”空間移動”」
ヲルトガルフの居城内……
「失敗したのですか? 黒河殿、御庭殿。」
「ああ、失敗しちもうた。」
「そーっすよ、この後どうするものか……。」
俺は元のヲルトガルフの居城に戻ってきた。
どうも、御庭っす。
朱鷺丸と茜との戦いで敗れた御庭だ。
「で~、次は剣聖さんがやるのかい?」
「当たり前ですよ、そうするつもりです。」
スッゴい自信だなぁ、こいつは……。
穏やかな顔で丸眼鏡を掛けたイケメンのくせに。
「ねぇ、僕も連れていって。」
すると、柱の奥からひょっこりとある人が顔を出してた。
水色の髪に立派な一本のアホ毛の童顔。
「何ですか、シャボン殿もいらしていたのですか。」
「結構、前から僕は居たのだが……。それよりも、黒河さんと御庭さんは早くヲルトガルフに報告しに行ったら?」
「そうだったな。」
「俺も早くいかね~と……」
急いで行くとしよう。
色々とめんどくさいけど……
「あ、そうそう。剣聖さんとシャボン、もし戦ったとするなら絶対に手を抜くな。あいつらは破竹の勢いでどんどん強くなっていく。」
剣聖はクスッと一笑いを出す。
「そんなもの言われなくてもそうします。舐めないでいただきたい。」
異世界裏話⑨ 忍の苦手なこと
忍の苦手な事は流行に乗ることです。
忍の家庭はかなりの山奥にあり、外の情報が全く入ってこないため、かなりの流行遅れでした。
ちなみに、タピオカが流行っていたのを最近知りました。




