水面映る戦い
45話目だんぞー!
「土遁 ”穽の術 土竜”」
忍は地面を叩き、道に幾つもの穴を作り出した。
足元に出来るから、地味にめんどくさい。
しかも、避けるタイミングで王羽の弾丸もやって来る。
絶妙なタイミングを何度もやって来るなんて……。
「槍スキル ”破裂雷神槍”!」
茜は雷の槍を投げ放つが、すぐに躱される。
「氷魔法 ”氷刀”!」
次は忍の体勢が崩れた瞬間に氷の刃を振るう。
しかし、その刃が届くことが無かった。
一瞬で刃が砕け散って忍に掠める事すら出来なかった。
王羽か……。
動きを予測して、刃を吹き飛ばしたのか。
「”誘い絵画の術 誘出の絵・凪水面”」
忍はまた巻物を広げ、ビル街の景色から海の景色に変えた。
急な変化に着いていけず、俺らは水に沈んだ。
深さはかなりあるな……。
「氷魔法 ”範囲凝結”」
俺は水を一気に冷やして、氷の足場を作る。
景色は水平線の彼方まで続く水面だけ。
防ぐものや隠れるものは無い。
王羽はどうする訳だ?
「水遁 ”水這いの術・水蜘蛛”」
すると、忍は足に水蜘蛛を着けて浮いている事に気づいた。
あと、奥にもう一個が浮いている。
彼処に王羽がいるのか?
だけど、めんどくさい事に忍は俺らと氷を伝って動かなくても良い。
俺らは限られた足場でどうやって戦うか……。
「ねぇ、朱鷺丸。今、僕が乗っている氷にジェット水流って付けれない?」
「まぁ、付けれるが……。それだ!」
俺は乗っている氷を魔法で改造し、氷製のボートを作り出した。
これも創造魔法の一種だ。
まぁ当たり前だが、ボートは造った事は無い。
「俺が操るから、その間に攻撃してくれ!」
「オッケー!!」
俺はボートの操縦は出来ないから、水流を操って進む。
黒鯨の時の様に身を乗り出しているが、王羽の弾丸が当たらない様にしよう。
「弓スキル ”流星矢”」
「金遁 ”針雨の術・五月雨”」
茜の矢と忍の針が空中でぶつかり、弾け合う。
本当にしぶといな……。
俺も落ちてくる針を避けながら、近づく。
忍の目の前に近づいた瞬間、俺は一気に魔法をはな……
その瞬間、俺の体は吹き飛ばされた。
また王羽の弾丸か……
すぐに回復して、またボートに戻る。
「大丈夫!?」
「何とか大丈夫だ。でも、早く王羽を見つけよう。とてもめんどくさいからな。」
取り敢えず、新たな魔法を作るとしよう。
王羽の姿を見つけられるための魔法を。
「創造魔法 ”魔法創造”」
俺は移動している間にある魔法を作り出す。
早速だが、発動するとしよう。
片目を覆って、それを発動する。
「魔眼 ”透過性物体識別の視界”」
名前は明らかな厨二感が満載だが、気にしたら負けだ。
魔眼は目の魔法の一種だ。
この目の能力は透明な状態になっている物体を一瞬で識別する能力だ。
王羽を見つけるためだけに創った。
すると、王羽は水中に沈んで狙っていた。
え!?
ずっと居たのか……
まぁ、いい。
あの外套を燃やすとしよう。
「気体魔法 ”メタンガス生成”」
俺は水中にメタンガスを溶けさせる。
その理由はあとで明らかになるだろう。
「火遁 ”焔手裏剣 焔蜉蝣”」
すると、変なことをしている俺に気がついたらしく、忍が俺に向かって炎の手裏剣を投げてきた。
よし、炎を当てる手間が省けた。
俺は水流の向きを変えて、すぐに躱す。
炎の手裏剣が水面に当たった瞬間、文字通りの火の海ができた。
火は王羽の外套を焦がし、一瞬で燃やした。
やっと現れたか、王羽!
異世界裏話⑦ 忍の兄妹
忍には、故人9人を含む16人兄妹でした。
忍の家庭は一夫多妻だったため、兄妹が多かったですが、優秀な跡継ぎを残すための試練によって9人も亡くなりました。




