一進一退の苦戦
43話目だすんる!
「御庭忍法 ”影分身・神風”」
忍が出した分身は俺らの目の前に一瞬で突撃した後、羽交い締めにした。
なんだ、動きを封じる目的か!?
「爆破。」
その瞬間、忍の分身体が爆発した。
その衝撃によって纏鎧と鷲羽の鎧ごと破壊された。
まじか、こんな応用ができるのか……。
本当に忍の忍術や忍具は対処しづらい……
「回復魔法 ”完全回復”……」
すぐに回復をして、また立ち上がる。
「大丈夫か?」
「まぁ……ね。」
やばいな、精神的にもう来ている。
実際、もう何回も死んでいる様なものだしな。
「でも、本気で行くよ!」
「ハイハイ。土魔法 ”大地神の怒り”」
まずは大地震並みの揺れを起こし、平衡感覚を失わせる。
銃や飛び道具を狙う時に揺らして、当たらないようにする作戦だ。
しかし、使える時間は三秒。
その隙に茜に少しでもダメージを与えて貰う。
「剣スキル ”円卓聖剣”」
茜の放った斬撃は王羽の方向に突き進む。
そして五秒が経った後に魔法を解き、詠唱の準備をする。
「”紅を纏う炎の一矢よ。悪たる権現を穿ち進め!”」
よし、成功だ。
これは炎魔法の”紅炎ノ矢”の詠唱だ。
やっぱり、詠唱は厨二病っぽいな……。
少し、止めておこう。
「炎魔法 ”紅炎ノ矢”」
炎の矢は進む毎に勢いは増し、忍と王羽の体を貫いた。
「俺らからの仕返しだ。受け取りな。」
まぁ、王羽の弾丸とは違うけど。
「ええなぁ、でもこっちも負けられへんのや!」
嘘だろ……
矢は貫通しているのに、まだピンピンしているのか……。
「ちょっと、俺も忘れないでくれよ。」
忍もピンピンしている。
やっぱり本物の化け物だ。
しかも、少しずつ傷が回復していってる。
自動回復の魔法でも使っているのか!?
「こっちもお返しだ! 突撃式 No.30 ”ハンドレット”」
「火遁 ”焔苦無の術 焔蜻蛉”」
王羽は長銃に変えて、忍は炎を纏わせた苦無を放ってきた。
まだ、出していない技があるのか!?
でも、こっちも出すとしよう。
「宝石魔法 ”金剛石の流星”」
「弓スキル ”帝釈天の雷弓”」
相手が遠距離攻撃ならこっちも対応する。
パワーで負けるなら、テクニックで。
剛の一撃には柔の一撃だ。
「めんっどくさ!」
「そーすっね……。」
もう何時間経っているんだ?
両方の疲労状態も限界に近くなってきただろうし。
少し体を休ませないと……。
俺は少しの体の休息のために、ずっと気になっていた事を王羽に放った。
「王羽はなぜ、現実世界に戻りたいんだ。もとに戻ったとしても、待っているのは変わりない殺しだけ。なぜ、俺らを殺してまで戻りたいんだ!」
そう言った瞬間、王羽の動きが止まった。
少しの静寂の後、反論するかの様に王羽は静かな声で話した。
「お前らみたいな恵まれた奴には分からないだろ。死と隣り合わせの毎日、誰かの血が絶えず流れて死ぬ毎日、平和ボケした日本で過ごしたお前らじゃ、分からないだろ。」
「……」
「俺様は生き残るために殺し屋稼業をしていた。俺様はある人に会わないといけない。血塗れの日々を救ってくれた、あの人のために。」
俺は口が開けなかった。
王羽の目には涙が流れていたからだ。
「俺様は愛しい人のために戦う。ただ、それだけ。例え、人を殺してでも、俺様は元の世界に戻る。」
異世界裏話⑤ 茜の名付け親
茜の名付け親は母の美智花です。
理由は髪がピンクだった事と、子供の名前は全て色に因んでいるので同じ色の名前を選んだ所、たまたまこうなりました。
常磐…緑、山吹…黄、瑠璃…青、茜…赤




