表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/29

11.公爵の本当の願い

「明日の舞踏会でも会えると言うのに、何故前日にわざわざ今日来た? フィロサフィール公爵」

「それが、娘のアンジェリカの件で、殿下にお話ししたいことが……」

「もうすでに、目覚めたと報告は受けているが?」


 ルイは、このタイミングになって公爵が自分に会いに来る理由を察していたので、どうにか早く追い返せないだろうかと焦っていた。


「体調が悪いのであれば、ダンスはしなくてもいい。ずっと休憩部屋に居させても構わない。陛下による婚約の宣言の時さえ俺の側にいてくれるのであれば」

「体調は、大丈夫かと……」

「かと?」


 ルイは、公爵がアンジェリカのことを、まるで赤の他人のように話していることに違和感を覚えていた。

 そしてその理由こそが、このタイミングで城に来た最大の理由なのだろうとも、ルイは分かっていた。

 公爵からのその申し出は、何度も、嫌と言うほど言われたのだから。


「あ、いえ……娘は今、教皇様が迎えに来まして」

「教皇が?」


(何か、あったのか……?)


 普段、王侯貴族とルナ教は距離を取るようにしている。

 ルイはそこまで詳細な理由は知らなかったが、かつて王侯貴族派と教皇派で、ソレイユ国を揺るがす大きな対立があったことだけは、ルイも学びの中で知っていた。


「何故、アンジェリカを教皇が迎えに?」

「闇払いの儀式をするためだと……教皇様はおっしゃってました」

「闇払い……ではやはり、アンジェリカは呪いにかかっていたということなのか?」

「…………できる限りのことをするとだけ……」


 公爵は、はっきりと言葉にしない形でルイの質問に答えた。


「そうか…………」

「殿下……こんな時に再度お伝えするのもどうかと思ってますが」


 来た、と思った。

 どうせそれが理由なのだろうと、ルイは分かっていた。

 だからこそ、ルイはできる限りこの会話を早く切り上げたくて仕方がなかった。

 だが、公爵はそんなルイの顔色1つ読むことができないほど、愚鈍だった。


「今はそなたの提案を聞いている場合ではないが」

「いいえ、やはり明日を迎える前にお伝えせねばと」

「帰れ、アンジェリカのことをどうにかするのがお前の仕事だろう」

「いいえ、殿下とこの国のために提案することこそが、私の仕事です」


 ルイが、公爵を帰らせようと手を上げ、使用人を呼んだちょうどその時、ルイが1番聞きたくない公爵の願いが言葉となった。


「どうかアンジェリカではなく、アリエルを正妃にすることを、再度ご検討ください!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ