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異世界は帆船とともに  作者: 髙龍


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第二十四話

ヒンメルン王国の港が見えてきた。


残念ながらこのまま入港するのは無理だろう。


大型の船はもちろんのこと中型の船でさえ座礁してしまうだろう。


小型艦を1隻、先触れとして出して相手の反応を伺う。


相手の反応は迅速だった。


すぐに対応のためだろう停泊していた小型の船が近づいてくる。


どう言ったやり取りが行われているかはわからないが話し合いは長時間に及んだ。


相手の小型の船が離れ交渉をしていた小型艦が戻ってくる。


そのまま小型艦は旗艦である大型の戦闘艦に横付けして交渉の責任者が乗り移ってきた。


「アルフレッド様。ご報告いたします」


「うん」


「自分達では判断ができないの待ってほしいとのことです」


まぁ、相手からしたら所属不明の大艦隊が突然やってきたのだ。


警戒するのも当たり前である。


「そうか・・・。まぁ、相手の判断次第だけどせっかくなら上陸できるといいなぁ」


「最善を尽くします」






ヒンメルン王国の港町を治めるトーマス伯爵は頭を抱えていた。


突然、所属不明の艦隊が訪れたのだ。


しかも、その規模はヒンメルン王国の全戦力を合わせた船の数を越えていた。


いきなり攻撃してきたりはしないようだがそれでも緊急を要する案件であるのは違いない。


自分の手には余る状況だ。


王都に鳥を飛ばしたが返答が戻ってくるのは時間がかかるだろう。


とにかく、少しでも時間を稼がなければならない。


そんなことを考えている間に交渉していた部下が戻ってきた。


「相手はいったい何者だ?」


「はい。マルコシアス王国の輸送艦隊を名乗っております」


「マルコシアス王国?確か西に行った所にある島国だったな?」


「その通りです。近年は自国の防衛もまともにできなかった小国です。商人達が何度、海賊に襲われたことか・・・」


「だが、奴らは我が国の保有する艦船よりも多くの船を揃えてきた。どういうことなんだ?」


「近年。軍事力に力をいれており、海賊の取り締まりも強化しているそうです」


「事実だとして、そんなに急に戦力を整えることなどできるのか?資源に乏しい島国があれだけの数の船を揃えただと?」


「閣下のおっしゃることはもっともです。ですが、現に目の前に大艦隊があるのです。信じるしかありません」


「そうか・・・。そうだな。それで相手の目的は?」


「1つは我が国との交易を希望しているようです」


「交易か。物にもよるがそれには応えてやっていいだろう。我が家の御用商人を手配してやれ」


「はい。そのように。続いてですが、マルコシアス王国の王族が来ているそうで会談を希望しております」


「会談か。小国とはいえ、国と国との話し合いに独断で応じるわけにもいかぬ。そちらは待ってもらえ」


「そのように伝えます」


暴力で訴えてこず話し合いを希望している。


朗報ではあるが判断を間違えば大事になりかねない。


トーマスは頭を抱えていた。

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