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異世界は帆船とともに  作者: 髙龍


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第二十三話

サーキス王国の動きに警戒していたマルコシアス王国であるが、サーキス王国は動かなかった。


その理由は単純な理由だった。


マルコシアス王国に差し向ける戦力が足りなかったのである。


サーキス王国はその海軍力を背景にいくつもの植民地を持っている。


戦力を下手に動かせば支配地域がどうなるかわからない。


そんななかで実力不明のマルコシアス王国を相手にするわけにはいかなかった。






アルは学生達の指導を続けていた。


今日は担当していた第2期生が卒業を迎えていた。


「皆さんが、活躍するのを楽しみにしています」


「必ず期待に応えて見せます」


そう言って全員が綺麗な敬礼を見せる。


アルは満足そうにその姿をみていた。


いつまでもここにいるわけにはいかない。


今日はアルにとって特別な日なのだ。


待っていた馬車に乗り込むと王城に向かう。


馬車は何の問題もなく王城に着きアルは真っ直ぐ王族のプライベートスペースに向かった。


「アル。待っていたぞ」


そこには豪華な料理が学びすっかりお祝いムードが出ていた。


今日は何を隠そうアルの7歳の誕生日だった。


「お誕生日おめでとう」


「ありがとうございます」


「今日は私からお前にプレゼントがある」


「プレゼントですか?」


「第2期生が卒業して戦力にも余裕ができた。油断はできないがアルの言っていた輸送艦隊を作ろうと思う。そこで、アルには責任者として輸送艦隊を任せたい」


「いいんですか?」


アルとしては他国に興味があった。


だが、その立場上、許可は降りないと思っていた。


「世界を知るのも次期国王としては大切だ。楽しんできなさい」





それからアルははじめて向かう国を考えていた。


サーキス王国は現在の状況を考えると無理だろう。


それに、ただ遊びに行くわけでもない。


国の利益に繋げる必要がある。


そんなわけで選んだのは陸軍が精強で知られるヒンメルン王国に決めた。


中型の輸送艦5隻に護衛の中型の戦闘艦10隻と小型の戦闘艦が20隻。


旗艦として大型の戦闘艦が1隻の大艦隊だ。


今回、運ぶ商品は生成された砂糖とラム酒。


それと我が国の主食に近い魚の干物だった。


我が国には輸出できるものが非常に少ない。


これは今後のことを考えれば課題の1つだろう。


今回の訪問で大陸では何が望まれているのか調査するのも1つの仕事だろう。


全ての準備が整いアルは旗艦から所属する艦隊に指示を出す。


目指すのはマルコシアス王国から東に向かった大陸にあるヒンメルン王国。


幸先のいいことに追い風でありアルの率いる艦隊は順調に航路を進んでいった。

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