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異世界は帆船とともに  作者: 髙龍


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第二十二話

「我々は違法なことはしていない。話が終わりなら解放してもらおう」


ここでの選択肢は多くない。


海の上では何が起こるかわからない。


全員を殺し船を沈めるという選択肢もあった。


だが、これには大きな問題がある。


この船が戻らなければサーキス王国が本格的な調査をするかもしれない。


軍備が整ってきているとはいえ、サーキス王国と戦争になれば被害は大きくなるだろう。


その危険性を考えればこのまま解放するしかなかった。


解放されたサンダース商会の小型艦は島には向かわず来た方向へと向かっていった。






「ふぅ・・・。何とかなったな」


「船長、肝が冷えましたよ」


サーキス王国に所属する商会であるのは事実だ。


だが、サンダース商会は利益のために色々悪事にも手を伸ばしているのでサーキス王国内での評価はあまり高くない。


砂糖を安定供給していることから支配者階級とのコネクションもあるがあまり期待はできない。


「とにかくマルコシアス王国に島は奪還されたと見ていい。見たこともないあの兵器も問題だ」


「会頭が怒るのが目に見えてわかりますね」


「そうだな・・・。それだけで終わればいいが・・・」


会頭が怒る程度ならまだいい。


だが、金と時間をかけて作ってきた商売を邪魔されたのだ。


変なプライドに引きずられて無茶をしなければいいが・・・。


ダメだな。


あの会頭のことだ。


きっと、どんな手を使ってでも利益を取り戻そうとするだろう。


巻き込まれるのはごめんだ。


帰国したら早々に家族を連れて逃げ出そう。


船長はそんなことを考えていた。






「とにかく本部に報告だ。サーキス王国がどういう判断をするかはわからないが、こちらの戦力の一部を見られた。警戒を強める必要がある」


できるだけ、戦力の露呈を隠してきたマルコシアス王国であるがいつかこうなることはわかっていた。


サーキス王国というのも問題だ。


マルコシアス王国に友好的な国ではないのだ。


サーキス王国は強力な海軍国家だ。


かつて、海賊の取り締まり協力を要請したが鼻で笑い不平等条約を持ち出してきたぐらいなのだ。


到底受け入れられるような内容ではなく当然、決裂した。


そんなこともありマルコシアス王国とサーキス王国の仲はかなり悪い。


先程、遭遇した商会が海賊と取引をしているのも知っていて黙認していた可能性がある。


海賊が戦力を持っていたのもどこかからの支援を受けていたからだろう。


対応を決めるのは国王であるマーカスではあるが覚悟を決めた方がよさそうだった。

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