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異世界は帆船とともに  作者: 髙龍


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第二十一話

「おい。まだ海賊達はまだ来ないのか?」


そう言って怒鳴り散らすのはマルコシアス王国の東にある大陸に本拠地を構えるサンダース商会の会頭だ。


「本来ならもう来てもおかしくないんですけどね・・・」


「あいつら支援させるだけさせといて裏切ったんじゃないだろうな?」


「それはないかと。我々の商会を裏切る度胸なんてあいつらにはありませんよ」


「なら、どうしてこないんだ?」


「すぐに動かせる船を動員して調べさせます」


「あいつらには大金をつぎ込んだんだ。絶対に原因を特定しろ」


サンダース商会は海賊を支援して高級品である砂糖を独占することにより力をつけてきた商会だ。


このまま商品である砂糖が手に入らなければ大損害どころの話ではない。






マルコシアス王国の哨戒艦隊が1隻の船を捉えた。


サンダース商会の手配した小型船である。


商船ではあるがこの世界の船は自衛のために武装している。


サンダース商会の船には十分な数の魔法使いと近接戦を得意とする船員が乗っていた。


哨戒艦隊は手順に従い停船を要求した。


サンダース商会の小型船は素直にその指示に従わなかった。


「停戦を拒否するならそれもいいだろう。威嚇砲撃を開始せよ」


哨戒艦隊は距離を保ち威嚇砲撃を開始する。


サンダース商会の小型船の近くにいくつもの水柱が上がる。


「船長。見たこともない攻撃です」


「あれが当たったらどうなる?」


「当たりどころにもよりますが、沈没する可能性もあるかと」


「私もそう思う。停戦旗をすぐにあげろ」


サンダース商会の小型船は停戦旗をかかげる。


「ふぅ。無駄な抵抗はやめてくれたか。だが、油断せずに臨検を行う」


随伴する小型の戦闘艦に指示を出す。


手順に従い臨検が開始された。


だが、サンダース商会に雇われた船長達は余裕の態度を崩さなかった。


「我々はただ商売のために航行していただけだ。貴方方の指示に従う道理などない」


「我々はマルコシアス王国の法に従い臨検を行う権限がある」


「マルコシアス王国?弱小国家が笑わせてくれる。我々は大国サーキス王国所属の商会だ。この件は国に戻りしだい抗議させていただく」


「商売と言われていたが、この先にあるのは我が国の所有する島があるだけだ。そこで積み荷を積み込むつもりだったのか?」


「それの何が問題なのだ?我々が誰と取引しても問題ないはずだ」


サンダース商会に雇われている船長は馬鹿にするようにそう言いきった。


確かに正規の取引であれば止める権利はない。


だが、彼等が取引をしていたのは不法に占拠していた海賊達だ。


独断で判断するわけにはいかないが、これは大きな外交問題になりそうだった。

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