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異世界は帆船とともに  作者: 髙龍


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第二十五話

ヒンメルン王国のトーマス伯爵の要請に従い御用商人であるカーティスは無理を言ってアルの率いるマルコシアス艦隊に乗り込んできた。


「はじめまして。この艦隊を率いるアルフレッド・ド・マルコシアスです」


「これはこれはご丁寧に私はしがない商人をしているカーティスと申します」


「わざわざお越しいただきありがとうございます」


「それで、さっそくで申し訳ないのですが商品を見せてもらっても?」


「そう言われると思って用意してあります。持ってきてください」


アルの指示に従いサンプルの商品が運ばれてくる。


「ほう。これは干物ですか?」


「そうです。我が国にはありふれた物なんですが・・・」


「そうですね。少し味見をしてみても?」


「どうぞ」


カーティスは干物を少しちぎって口に運ぶ。


「ふむ。味は悪くありませんね。ですが、ここは港町ですから、高額はつけられませんね」


「そうですか・・・」


アルとしても干物にはあまり期待していなかった。


「では、続いてはこちらはどうでしょうか?」


そう言って取り出したのはラム酒である。


「こちらは?」


「我が国で作られているお酒です」


「お酒ですか?」


「はい。度数が高いので長期保存にも向くかと」


「ふむ・・・。こちらも試してみても?」


「どうぞ」


アルはコップを用意させてカーティス差し出す。


「おぉ・・・。本当に強いですね。でも、味は悪くありません」


「ご満足いただけたようでよかったです。次の商品が目玉です」


「目玉ですか?楽しみにさせていただきます」


アルは砂糖の詰まった袋を持ってこさせる。


「これが我が国の自慢の砂糖です」


「なんですと?砂糖?それは嬉しい誤算です」


この時代の甘味は貴重品だ。


まとまった量が手に入れば莫大な利益をもたらす。


「拝見させていただきます」


カーティスは嬉しそうな表情をして袋を受けとり中を確認する。


少し摘まみ品質を確かめるようにする。


それだけでなく少量を口に含む。


「ふむふむ。丁寧な仕事ですね。これを売り出したら大ヒット間違いなしです」


「喜んでいただけたようでこちらも嬉しいです」


「どれぐらいの量がありますか?」


アルは聞かれるのがわかっていたのでリストを持ってこさせる。


今回持ち込んだ量は砂糖とラム酒が中型輸送艦2隻分。


干物が1隻分だ。


「ほう・・・。かなりの量ですね。何かご希望の品はありますか?」


「お米はありますか?」


「米ですか?うちの商会では扱っていませんが仕入れている商会があったはずです。そちらをあたってみましょう」


「ありがとうございます」


「他にも欲しい物があれば気軽に言ってください。なんでも揃えますよ」


アルはいくつか要望を伝える。


カーティスは宣言通りにその全てを揃えると約束してくれた。


今回の商取引は無事に終わることができそうだ。

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