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 ピアノ勝負からだらだら過ごしていたらあっという間に建国祭当日だ。キュムとレオンは高価なドレスを着ていくらしい。ドレスを試着している様子を少し盗み見したがなんかもう、すごかった。スカートの部分がごつすぎる。これは異世界ではいいとされているのかもしれないが見た目以前に熱中症になってしまいそうだ。


 私はドレスを着ていかない。それは熱中症になりそうとかではなくシナルドの趣味を知っているからだ。シナルドは華美な服装や宝石の装飾品などがあまり好きではない。あの2人の様子からそれらはおそらく知らないと思う。


 豪華なドレス、きらきら光る宝石の装飾品を身にまとってくキュムとレオンに対して私は礼儀を最低限守った簡素な服装でもちろんアクセサリーなどは身につけない。


 ここ行動は2つの意味で注目されると思っている。1つ目はシナルドに服装について、2つ目は周りの人たちにだ。


 小説では3姉妹は傲慢、強欲で有名な姉妹であった。そのなかで私だけが質素な服で行けば何かあったのではないかと思うはずだ。


 建国祭の会場はシナルドの住む王都で開催されるらしい。街並みがとんでもなく綺麗らしいのでけっこう楽しみだ。


 建国祭に行くため馬車へ乗る。結構揺れたり、ものすごく中が暑かったりで自動車のありがたさを感じることができた。運転手にあと何分で到着するのか聞いたらあと2時間程度と返された。あと2時間乗るのもしんどいし帰りもある、建国祭が終わったら2度と馬車には乗りたくない。


 不快な気持ちでしばらく揺られていると運転手から


 「あとしばらくで着きますよ。」


 揺られた時間はおそらく2時間程度だと思うが体感時間は5時間ぐらいだ。本当に2度と乗りたりたくない。


 後しばらくで着くというなら何か見えるのではないかと思い、窓から外をのぞき込むと馬車は山を走っており見下ろすような形で街を見下ろした。


 家などが敷き詰められているかのようにぎっしりとあり、盛り上がっている丘の上に壮大なお城があり圧巻の景色である。現実世界では写真やゲームなどでこのような写真や動画などを見たことはあるが実際に見るとすごい迫力である。


 そこから馬車に揺られて数分、馬車が止まった。


 「マリー様、到着いたしました。」


 その言葉を聞いて私はすぐに外を出た。馬車の中が暑すぎてたまっもんじゃない。ポケットに入れていたタオルで顔を拭い、

 

 「ここまでありがとうございました!」


 と言って去った。このような細かいことでもマリーの悪いイメージを払拭させていきたい。現実世界の時は人にしゃべりかけるどころか挨拶することすら苦手だったのに、こっちに来てからはあまりコミ病が発症しない。現実世界の私はあんまりかわいくなかったがマリーはまあ普通ぐらいの容姿だから自信を持って行動することができるようになったのかもしれない。


 運転手きょとんとした顔をした後にこちらに深々お礼をしてきた。こういう行動は現実世界では体験したことないのでなれづに緊張してしまう。


 ここからどうすればいいのかと周りを見渡すと家の物陰からスーツを着たおじさんが近づいてきた。


 「お待ちしていましたマリー様、案内させていただきますブリティッシュと申します、よろしくお願いします。」


 私はブリティッシュさんについていくとお城の前まで来た。丘の上にあるので先が見えないほどの長い階段を登りきらないといけない。今日は体への負担がすごい一日になりそうだ。


 そう思っていると二人の人が江戸時代に人を乗せるようなのをもっきて


 「マリー様、お乗りになられてください。」


 そういわれたので私は乗り込んだ。中は結構揺れて正直快適ではないが、あの果てしない階段を登るのを考えると全然耐えられる。


 1時間ぐらい揺られて


 「マリー様」、到着しました。」


 と聞こえたので外に出た。そこには壮大なお城、豪華な服装の男女、植物も個性的ですべてがすごい。私は簡素なドレスできているので浮いてはいないがチラチラ見られている気がする。なんなら私を見た後コソコソ話をしている人たちもいる。まあこればっかりはシナルド気を引くためにこの服装を選んだ代償だから仕方ない。


 10時から建国祭が始まるのに時計を見てみると9時を回ったぐらいだ。空き時間が暇なので周りの目が少し気になるがそれ以上に暇な時間はつらいのだ。


 建国祭は外でやるので人目を気にせず暇つぶしができるお城の中を探索してみることにした。数分ぶらぶらしていると男たちの塊だ。私はめちゃくちゃ苦手なので引き返そうとしたが後から建国祭でかかわるかもしれな人たちにそれはさすがにまずいのではないかと思い隣を通ることにした。


 近づくにつき男たちの塊の中に既視感を感じる人物がいる。30mぐらいの距離に近づいたので目を凝らしてみて確認したらシナルドかもしれない。そう思い10mぐらいの距離でばれないように遠くを見ているように確認するとイケメンな顔、背もでっかく筋肉もすごい、そして特徴的な青色の髪の毛、この人はシナルドだと確信ができた。


 男たちの塊を横切ろうとするときにその中の一人の男性から


 「君こんなところで何してるの」


 と薄笑いながら話しかけてきた。私は恐怖で声が出なくなり、動揺していると


 「怖がってるだろ、やめてやれ。」


 と、シナルドではない男が言った。小説ではシナルドは男らしい行動が多く強気な人物のように感じるが、本当は控えめな性格なのである。王子という立場から失望されるような行動をしてはいけないという気持ちからそのような行動が出ているのではないかと思う。


 いまのように自分が出なくても誰かがやってくれそうな物事には首を突っ込まない、それがシナルドという男である。


 「こいつが怖がらせてすいません。」


 と言い私に声をかけてきた男の頭を腕で下げながら誤ってきた。


 「こいつの無礼な行動にお詫びさせていただきたいのですが、何か望んでものや挑戦したいことなどがありましたらご協力させていただきたいと思っています。」


 私は勇気を振り絞って


 「そちらの方と今度私の洋服を選んでほしいのですがよろしいですか?」


 とシナルドに尋ねた。

 

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