2
キュムとレオンにやり返す決意は固まったけど、この状況をどうするかが問題だ。そこで私は息を止めた。
「なにしてんの、早く弾くきなさいよ。」
キュムが急かしてくるが気にせず息を止め続ける。すると
「え、あんたなにしてんのよ!」
私は30秒ぐらい息を止めると鼻血を出すことができる能力を持っている。マリーの体でもこの特技ができるかわからなかったので少し驚いた気持ちとほっとした気持ちが生まれた。
「マリーさん大丈夫ですか!」
アフロの人が鬼の形相で近づいてきた。私に何かあればこの人もただでは済まないのだろう。
「すいませんがくらくらしてきたので部屋に帰ってもよろしいですか…」
今にも消えそうな声で言い放った。すると
「鼻血ぐらいで休むなよ」
キュムが冷ややかに言い放った。私の中のイラつきの壺から怒りがあふれ出そうだったがここで元気な様子を見せてはいけないと思い、ふらつくふりをしてからの地面に倒れたふりをした。するといきなり部屋に誰かが入ってきた。恰好からするにおそらく医者だと思う。私が鼻血を出したときにアフロの人医者を呼びに行ってたのだろう。肩で息をしていたため結構申し訳ない気持ちになった。
医者は私の体を5分ぐらい調べ
「特に異常はありませんのでただの貧血だと思われまので今日は安静にしててください。」
そういうと医者はお辞儀をして部屋を出て行った。ちょっと大ごとになってしまったが無事にピアノを弾かずに済むことができたので一安心である。
そして私はアフロの人に連れられて自分の部屋に戻ってきた。先ほど先週の曲を演奏してくださいと言っていたのでピアノの授業は週に1回であると思う。来週までにはピアノをある程度弾けないと、またあの二人にまたどやされてしまう。
私はとりあえずこのお城の案内図を見てみた。とても広く迷路みたいだが、その中でも一番興味を抱いたのはとても巨大な図書館である私の部屋から推測するに縦の長さが200mぐらいあると思う。
図書館につくとそこには人生を10周してでも読み切れない大量の本があった。現実世界ではお金も時間もなく好きな本が読めないことがよくあったが、この異世界生活で大量の本を好きなだけ読むというやってみたいことが1つできた。
図書館の感動の余韻の浸っている場合じゃない。ここへ来たのはある本が欲しかったからである。音楽のコーナーのところに行ってしばらく探すと見つかった。私が欲しかったのはピアノの弾き方と音符の読み方の本だ。
部屋に戻り音符の読み方についての本を読んだ。この本は結構薄く1時間ぐらいで読み切ることができ、音符の読み方についてもだいたい分かった。問題はピアノの実力を上げることだ。
私の部屋にはピアノがあるので効率的に練習することができるのだがなかなかピアノの本の通りにひくことができなかった。また日中はピアノ以外の授業があるため早朝に起き練習し、夜は夜中まで練習をした。だいぶつらかったがほかの授業でもキュムとレオンと3人で受けるのであの二人の苛立ちを忘れずに練習に取り組むことができた。。
練習の成果もあって3日あたりからたどたどしく弾くことができるようになっり、次のピアノの授業前日にはキュムとレオンには劣るがなめらかに弾けるようになった。我ながらよくこの期間で仕上げたものだと感心した。
そしてピアノの授業の日になった。キュムとレオンは今日の授業に対していつもどう思っているかわからないが、私のピアノで恥をかくことはおそらくないと思うのでその点は安心して挑むことができる。
そしていよいよピアノの授業が始まった。するとアフロの人が
「今日の授業で一番ピアノが達者なピアノを演奏したものに来週の建国祭りでピアノを演奏してもらうことになりました。」
するとアフロの髪型のひとらが10人ほど入ってきた。
「皆さんにはあなたたちのピアノの評価をさせていただきたいとおもいます。」
キュムとレオンはアフロの人に不満をぶつけているが私には建国祭という出来事の重要度は全く分からない。しかし、ここであの二人にピアノ勝負で勝てば二人への最初の仕返しができるチャンスだということはわかる。
アフロの人が割りばしのようなものが3本入っている花瓶を持ってこっちに来て
「この棒の先には赤、青、白が塗られています。赤を引いたら1番、青を引いたら2番、白を引いたら3番となります。ではキュム様、レオン様、マリー様の順番でお引きください。」
キュムは落ち着いた様子で青を引き当てた。2番目だ。私もそのくらいの順番がちょうどいいと思っていたので少し残念だ。
次が重要だ。私はこういう一人づつ行ってゆくイベントでは一人でもいいから様子を見たいと思っている派だ。レオンが引いた色は赤色だった。これには少し私もにやけてしまったがキュムがしかめっ面で私を見てきたのでにやけをこらえた。レオンもやっぱりトップバッターは嫌なんだな。
顔が真っ青な顔のレオンの演奏が始まる。




