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ウイニングトレイン  作者: さち
第2章 都営地下鉄編
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第7話 都営地下鉄

東京駅の地下で銃を買った琴音。列車に戻ると、怪しげな2人が3400系の近くに居た。

ー2125年10月3日(水) 10:57ー

 怪しげな2人組に近づくと、2人は反対側のホームへ逃げて行った。

「何だったんだろう…?」疑問に思いながらも、琴音は運転席に座った。売り場にインバータの音が鳴り響く。

「後ろにいるのは…E231系か?あんな古い車両がどうして?」川瀬の言う通り、後ろからウグイス色のラインの入った車両が走ってきている。E231系は、JR山手線で2020年まで使用されていた車両だ。勿論、2125年となってはとても古い車両だ。

「さっきのバレットと思わしき人たちが乗っているとしたら、あれもタイムスリップして来たんじゃない?」

「あれ持って来てどうするんだ?今の技術に勝てないんじゃないか?」

「3400系となら対等に走れるだろ。」小春はいつも的確なことを言う。まるで全てを見透かされている様だ。

「じゃあ、今は追われているってこと…⁉︎」琴音がマスコンをグッと引くのと同時に、後ろのE231系も加速を始めた。

「やっぱりさっきの人たち乗ってるよあれ‼︎急いで逃げなきゃ‼︎」

「まあまあ、慌てなさんな。ここは都営地下鉄。逃走ルートなんていくらでもある。小田原にでも行って何か食べるか?腹減ったし。」川瀬が何を言っているか全く分からない。ここは東京、しかも地下なのに。突然神奈川県の小田原?琴音が疑問に思う様子を見て、川瀬は言った。

「千代田線は、実は小田急と線路が繋がっているんだよ。地下鉄は全路線繋がっている(繋げられた)から、この丸の内線から何とか千代田線まで逃げればいい。」

「…とりあえず逃げるね!」琴音は川瀬を信じ、3400系を進めた。


「でも、どんな風に繋がってるの?」琴音は聞いた。

「いろは坂…じゃないエスカレーターみたいになってるんだよ。スイッチバックして別路線に行くんだ。」

 どう言うことかと言うと、地下鉄は新しい路線ほど地下深くに線路が引かれるので、エスカレーターの様に上下移動が出来る線路を引いて繋がっていると言うことだ。

 スイッチバックとは、急な坂を上り下りするために使われる手法だ。真っ直ぐに進むと急な坂も、ジグザグに進んで登って行けば急にならない。その考えで、前進と後進を繰り返して切り返しながら進むことをスイッチバックと呼ぶ。この場合は、一度後進しながら別路線へ移り、移った後に前進することで、進行方向を変えずに別路線へ移るために使われる。

 ※いろは坂は、栃木県日光市に位置する、ヘアピンカーブばかりの、投稿者が好きな某漫画で車が空中にラインを描く坂である。ヘアピンカーブがスイッチバックと似ていたので言わせてもらった。(カーブを抜ける時はドリフトだが)

「なるほど。じゃあ、何駅でスイッチバックすれば?」

「半蔵門線に繋がる、青山一丁目駅だ。」川瀬が言った時、バリンと言うガラスが割れる様な音が鳴った。

「なんでまた逆走してるの⁉︎」E231系が当たり前の様に逆走して来ていた。2人組の片方であろう男が、銃を発砲している。

「クッソJTAの保安システムが仇になった!言ってなかったけど、逆走での衝突を防ぐために逆走車がいる線路は通行止めにするようになってるんだよぉ!てかあいつらATCぶっ壊してんだろ‼︎どんだけ速度出して来たんだ‼︎」

「そんなこと言ってないで応戦してよ〜‼︎」川瀬はそう言われると思い出したようにポケットからピストル…ではなくMP5を取り出した。

「えっその白衣のポッケって何処ぞの青ダヌキから奪い取ってきたの?形違うけど…」

「何だ青ダヌキって?」川瀬はしらばっくれるようにMP5を撃ち始めた。インバータの音が響いていたトンネルに、銃声が鳴り響く。

青ダヌキ…多分未来の技術で作られたポケットなんでしょうね。

スイッチバック作戦は成功するのでしょうか。小田原方面に無事に行けるといいですね。

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