第4話 電車で来た
JTA東京本部に向かう道中、バレットと言う集団に襲われた琴音達。何とか逃げ出すも、琴音がバレットに関与しているのではと言う疑問が生まれる。不穏な空気のまま、東京へと向かう。
ー2125年?月?日 昼過ぎー
雑談で不穏な空気を吹き飛ばし、道中対向車両も見たり、川瀬が本部と連絡を取ったりしながら列車は東京・新宿駅に到着した。鍵を閉めると、線路の下に3400系が格納されて行った。
「え?どこ行っちゃったの?」
「地下駐車場に格納されたんだよ。自分の車両の編成番号(鉄道車両1編成ごとに付けられている番号)を端末に入力して取り出すんだ。」
「うわぉ、ハイテク!」
琴音は未来的な物に興奮している。しかし、よく考えたら通話用端末を車内に置き忘れているでは無いか。でも、面倒だったので取り出すのをやめた。川瀬さんも居るし大丈夫だろうと思ったからだ。
新宿駅を出て、明らかに100年前よりも多く立ち並んでいる内1つの建物に琴音たちは入った。
「16階です。」エレベーターが開くと、デスクがずらっと並んだ部屋に出た。部屋の奥の方には、路線図のような物が表示されたスクリーンがある。
「広〜い‼︎」琴音が未だに興奮している時、デニムのパーカーを着た女性とポロシャツを着た男性が奥の方から出てきた。女性の方は、腰に当たり前のように銃を携えている。その女性が友好的に話しかけてきた。
「お帰りなさい。川瀬さん。その方は?」
「先程連絡した山沢琴音さんです。」川瀬が丁寧に答えた。
「初めまして、琴音さん。私はJTAの本部長、東間輸良です。隣の人は…」
「副本部長の哀部英治です。ここは他所者が勝手に入って良いような場所では無いのですがね。」皮肉るような言い方だった。
「この人は行く当てがなかったので保護することにしたたんですよ。別に怪しい人じゃあない。ほら、運転士の募集も、かけていたでしょ?」川瀬が擁護するように言った。
「保護するなんて僕は一言も言ってないですけどね…」そうムスムスと言いながら、英治は奥の方へ戻って行った。
「副本部長が失礼しました…あいつはいつもあんな奴なんですよ…今すぐにでもこの腰の銃を抜いてやりたいんですが、あいつの親の金のお陰でJTAが成り立っているんですよね…」本部長が笑い事のように言った。
「絶対殺しちゃダメですよ。そんな事より、この琴音さんをJTAの運転士として雇ってあげられませんか?」川瀬が丁寧に伝えた。
「確かに運転士には困っているが…バレットとの関与が疑われているんだろう?」
「疑われてしまうのも無理はないですけど、私は関与していませんよ!」琴音が食らいついた。
「まあ、過去から来たような珍しい人材だ。野垂れ死なせるのも勿体無いし、何かあったらどっかの研究機関にでも売り飛ばしてしまえばいい。ハハハ」どうやら本部長はサイコパス気味のようだ。
「じゃあ、雇ってもらえるんですか?」琴音が不安そうに聞くと、
「勿論、雇ってあげようじゃないか。社宅も用意してあげるよ。」
「ちなみに、社宅は広いし何でもある。食費とかもかからないよ。」川瀬が耳打ちした。
「ありがとうございます!」琴音が社宅に直行してやろうと思っていた時。
「ただし、条件付きだ。」本部長は言った。
「その条件とは何ですか?」
「バレットの活動を鎮静化させる事だ。そうすれば、君の疑いも晴れ、こちらも楽になる。良い条件じゃないか?」借金でもするのかと言う雰囲気だった。
「なるほど…元の時代に帰る手掛かりも見つかるかもしれないですしね。やって見せます!」琴音は自分ならできると強気に言った。
「よし、交渉成立だ。まずは、住民票でも取得して来なさい。昔のなんて持ってもいないし使えないだろう?あと、自分の免許証と、車両の車検証もな。」本部長が笑顔で言った。
「はい!」琴音はそう言うと、エレベーターへ真っ直ぐ向かった。
「1階で待ってなさーい!」川瀬が親のように言った。
「川瀬さん。あなたは彼女とバディを組んで行動しなさい。あなたが居れば心強いでしょう」
「そうなると思ってましたよ。彼女を見守ってあげたいですしね。」川瀬は期待を持って言った。
「じゃあ、頑張って。」本部長に送り出されて、川瀬も一階に向かった。
真っ暗になった街の中を、川瀬の案内で、社宅へ向かった。見た目がとても綺麗で、社宅とは思えない。
「いつ見てもホテルみたいだな…」川瀬の独り言を無視して琴音は部屋の鍵をひったくった。
304号室。琴音の部屋だ。3400系からとった番号なのだろう。部屋に入ると、本当にホテルのような部屋が広がっていた。部屋がとても広々としていて、風呂やキッチンが未来的になっている。川瀬から貰ったコンビニ弁当を食べ、寝る支度をした後、朝まで眠った。
4話目です。
社宅が豪華そうですね。多分今後登場する機会は無いです。
ドタバタな1日目でしたが、2日目は何が起こるのでしょうか。続きをお楽しみに!




