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ウイニングトレイン  作者: さち
第1章 未来へのトンネル編
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第2話 辿り着いた場所

自分の運転する列車が暴走してしまった琴音。ひとまず丁度あったホームに列車を停めると、見知らぬ人に話しかけられる。

ー日付不明ー

「どうしたんだい?こんな所で。」

 見知らぬ人が言った。白衣を着た、銀髪の女性だった。

「実は今…ここに迷い込んだんですよ。」

 琴音の答えを聞くと、銀髪の女性は言った。

「あなたの車両がそうなのか!列車番号不明の列車って!」

 列車番号とは、営業列車1つ1つに付けられる番号である。列車番号は列車に表示されるし、運転士も覚えているので、普通、列車番号が分からなくなることは無い。

 列車番号が分からないと言われ、琴音はますます困惑した。そして、不信感を抱きながら聞いた。

「列車番号が分からないってどう言う事なんですか…? と言うかそもそもあなたは誰なんですか。」

「おっと、申し遅れた。私は川瀬沙菜(かわせさな)。JTA東京本部所属だけど…あなたは?」

「JTA?」琴音は聞いたことの無い文字列に困惑した。

「JTA(J()apan T()rain A()dministrator、“鉄道を管理する者”という意味)を知らない…?自分の車両の所有者は?」川瀬がとても不思議そうに聞いた。

「船山電鉄です。」琴音は冷静に答えた。川瀬は名前を聞くなり、こう言った。

「船山電鉄って…1()0()0()()()に行方不明者を出した未確認事件が起きた事で有名な会社じゃない。」

「そんな事起きてたんですね…。…エッ100年前⁉︎今朝25周年ラッピングの車両を見たばかりなのに⁉︎」

 琴音がとても興奮した様子で言った。

「ちなみに潰れたぞ。」川瀬が冷たく言った。

「エッ」琴音はもうこれ以上困惑出来ない。

「ちょっと待って…今は何年か言ってみて?」川瀬の言葉に、もちろん「2025年」と胸を張って言った。すると川瀬は、哀れむような表情になった。

「今は2125年だよ…?」

「ん〜???」琴音はもう半分笑ってしまっていた。


「まさか、()()()()()()()でもしたのか?」通話用端末から話を聞いていたであろう小春が言った。

「すみませんが、あなたは?」川瀬が自分しか名乗っていないことを思い出した様に言った。

「初めまして、川瀬さん。私は山沢小春。これは妹の琴音。」小春が端末越しにまだ困惑している琴音を指差しながら言った。(小春の映像は届いていないが。)

「初めまして。しっかし、タイムスリップですか…本当にあるんですね。そんなこと。でもJTAは名前の通り鉄道の管理機関なので、何もすることはできませんね…」川瀬が悲しそうに言った時、小春が言った。

 

「だったら、そちらで保護していただくことは?」

「うーん…出来るかわかりませんが、確か今運転士の求人を出しているんですよね…頼んでみますか?」

「なら是非!」琴音と小春が声を揃えて言った。このまま野垂れ死ぬ訳にはいかないからだ。

「じゃあ、東京まで行きますか。」川瀬が言うと、

「東京⁉︎」琴音は待ってくれと言わんばかりに言った。

「ええ。ここは栃木ですし、すぐ着きますよ。」

 ここが栃木だと分かったのはいいが、(よくないが)どうやって行くつもりなのだろうか。

「ちなみにどの様に向かうのですか?琴音が乗って来た車両は?」小春が聞くと、川瀬はとんでもないことを言った。

「もちろん、琴音さんに運転してもらって…」

「はい?」すでに許可なく知らない場所を走っている上、さらに走らせるのかと琴音は処罰を恐れた。そもそも、列車が他に走っていないのか不安になった。川瀬は衝撃のことを言い続ける。

「結構前に、一般市民が電車を持てる様になり、自由に線路上を走れる様になったんですよ。まあ、めちゃくちゃ高いですけど…それの管理のためにできたのが、JTAなんですよ。」

 この日本という国に何が起きたのだろう。琴音は考えるのをやめた。

「じゃあ、出発しましょうかね。」

 川瀬に促され、琴音は運転席に座り、列車を進ませた。川瀬は初めて聞く珍しいインバータの音に興奮しているようだ。


「本当に信用していいのか?あの人…」小春が小声で疑いを持って言った。

「今の内だけでも信用しよう。信用しなきゃ本当に野垂れ死ぬよ。」

 琴音はそう言うが、琴音自身も信用しきれていない。

「何か信用できる情報が欲しい。」そう思った時、

「ダァン‼︎」銃声のような音が響き渡った。

2話目です。

今回出てきた川瀬沙菜は、投稿者が初めて作ったキャラなので、かなり愛着があります。これから活躍してくれると思うのでお楽しみに!

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