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ウイニングトレイン  作者: さち
第3章 東海道本線編
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10/20

第10話 静岡ロングストレート

列車の盗難事件の対応のため、琴音と本部長は静岡へと向かう・・・

ー2125年10月10日(水) 13:20ー

 琴音はなんと150km/hと言う狂気のスピードで走り(本部長の権限でATSを開放した。修理して機能する様にしたが、開放して良いのだろうか。流石にカーブは減速したが)、70分ほどかけて真鶴駅ではなく静岡駅に着いた。

「犯人は、呑気に昼飯を食ってやがったから、まだ近くに居るはずだ。ちょっと列車番号設定機を見せてくれないか?」本部長の言う通りに設定機を貸すと、ホログラムに路線図の様な物が浮かび上がった。

「何ですか?これ・・・」琴音が聞くと、

「何だ?川瀬のやつ、こんな機能すら教えてくれて無いのか?これは列車の位置情報が記載された路線図だ。列車番号と車種が一発で分かるんだ。・・・後で川瀬の足でも撃ってやろう。ハハハ。」

「やめてあげてください‼︎」川瀬を失うわけにはいかない。

「あれ?もしかして前に居るのってM1210Bじゃないか?地図を見る限りではそうだが・・・」本部長の言う通り、目をすぼめて見るとだいぶ前の方に373系が居た。

「追いかけましょう!」琴音は3400系をさらに加速させた。

「・・・追いかけると言っても、この車両って180km/hで限界だったと思うんですけど、追いつけるんですかね?」

「まだ気づかれてないから、とりあえず追いついてから考えな。追いつかなかった時はその時次第さ。」本部長を信じ、琴音はマスコンをギュッと握った。新宿駅を出る頃は晴れていた空は、気付けば曇っていた。


 速度計は100km/hを指している。少しして、3400系は373系にかなり追いついた。丁度、2つの列車は長い直線区間に入った。

「せっかくこの車両は貫通扉(車両の正面が開き、他の車両と連結して走れる様になっている構造。例:サンライズエクスプレス)になっているから、このまま扉を開けた状態で373系に突撃して、乗り込んで停車させよう。」

「え?壊れません・・・それ?」貫通扉は低速走行を前提に作られている物なので、100km/h以上なんて言うスピードで衝突したら、ひとたまりもないだろう。そもそも、相手は盗難車だ。

「修理代は出してやるから、突っ込んじゃえ。」本部長はそう言いながら、何かを弄っている。

「もう止まらんぞ。」本部長は平然と言った。

「ちょっと弄って、ブレーキを無効化させてもらった。ATSは効くし、直せるから安心しな。一思いに突っ込め!」

「何してんですか‼︎」琴音の訴えも虚しく、速度はタイムスリップした時の様に速くなる。

 しかしその時、373系が加速を始めた。3400系を突き放し始めたのだ。直線区間なのも相まって、突き放される速度は凄まじい物だ。

「何だあれ⁉︎速すぎません⁉︎」3400系の加速を物ともせず、373系は加速していく。琴音はマスコンを握って見ていることしかできない。


 

「いや・・・あいつはもう終わったな。地図を見てみろ。」本部長に促され見た地図には、N1235Sと言う見知らぬ列車が373系の前に停車して居た。

「N1235S。そいつは0系だぜ。」本部長がそう言った時、373系は突然減速し始めた。琴音は一応車間距離を取れていたので、すぐにATSを作動させて減速したが、軽く衝突した。本部長はすぐに3400系から降りて373系へと走って行った。その時、川瀬から電話がかかって来た。

「うまく行ったよ。まさかロードブロック(車などで道を塞ぎ、犯人の逃げ道を塞ぐ物)代わりになるとはね。」

「まさか、Nって名古屋から走って来たの⁉︎よく来ましたね。と言うか、この0系速すぎません⁉︎」琴音が川瀬に対して敬語を使わないのはやはり無理だったようだ。ー

「いや?老朽化したところを最新型にしたぐらいで、意外と昔の車両でもやっていけるもんだよ。まあ、かなりの魔改造はしてるけど。」

「犯人は確保したし、車両の状態も確認した。とっととずらかろう。」本部長だ。

「車両はどうするんですか?」琴音が聞いた。

「回収班を呼んでおいたから、回収して所有者に返しておくよ。と言うか、川瀬さん。あなた、何食わぬ顔してるけど、さっき逆走してなかった?」

「あー、うーん、えーと・・・」川瀬は目が泳いでいた。

「罰として、0系を没収とします!」

「そんなあ〜。せっかくチューニングしたのに。」琴音はこれを聞いて弁護しようと思ったが、何もできそうに無かったので、

「0系は諦めて、帰ろう。」そう言い放ち、川瀬を3400系に押し込んだ。すると川瀬は、

「そうだ、この3400系をチューンするのはどうだ?チューン屋、紹介してあげるよ。」琴音はそう言われ、373系の加速を思い出した。これからは、373系よりも速い車両とも立ち向かうことになるだろう。そう考えて琴音は、

「じゃあ、お願いします!」チューニングを決意した。

 川瀬が0系の代わりにしようとしているのは知らない様だ。

第3章は、チューニングするところまでです!名古屋のチューン屋は、どんな人なんでしょうか?

川瀬の0系の波動砲は、まあまあの威力になっているので、いつか発射する時をご期待ください!


静岡、ロングストレート…。…富士スピードウェイ⁉︎(めちゃ長いストレートがあるサーキット)

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