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2章-1

「ここ……どこだろう。」

薄桃色の綿のような、ふわふわとした空間。

その中を、少年は一人、警戒しながら歩いていた。

「ぼく……さっきまで、お姉ちゃんのところにいたよね。

トカゲみたいなのに襲われて、お姉ちゃんが助けてくれて……。でも、やられちゃって……。」

ぽつり、ぽつりと。

思い出すように言葉をこぼす。

そこにいるのは、フウタだった。

「お姉ちゃん……大丈夫かな。血、いっぱい出てて……。」

自分の右手が血まみれになっていたことを思い出したのか、

フウタの顔色が、すっと悪くなる。

「でも、その後って……どうしたんだっけ?」

歩みを止める。

あたりを見回すが、誰もいない。

「……」

返事は、なかった。

「もしかして、ここって……。天国、とかいう……?」

一瞬の間。

「えぇっ!? ぼく、死んじゃったの!?」

ショックのあまり、今にも泣き出しそうな顔になる。

目には涙が溜まり、今にもこぼれそうだった。

「きっと、あのトカゲにやられて……ぼくも、お姉ちゃんも……。

ど、どうしよう……。」

おろおろと周りを見渡す。

――誰もいない。

「も、もしかしたら……お姉ちゃんも、ここにいるのかな……。」

かすかな希望を抱き、フウタは一歩、踏み出そうとした。

その時だった。

「君はまた、一人百面相をしているんですか」


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