5章-2
エルはランチを終えるとその足でフウタとホムラに伝えた。
コンコンと、扉を叩く音に、
「どうぞ。」とカグヤが答える。
「失礼します。ホムラとフウタを連れてきました。」
そう言われて、エルの後からめんどくさそうな顔のホムラに、少し緊張した面持ちのフウタが続いて部屋に入ってきた。
「いらっしゃい、二人とも。」
とニコニコしていたカグヤだが、
「フウタは分かるが、何で俺まで?」
ホムラの言葉に、カグヤは一瞬だけ「しまった」というように真顔になったが、すぐに笑みを取り繕った。
「そうね、今からの話しはフウタさんにするからホムラは良いんだけど、でも、その後の話もあるから、ちょっと待っててください。」
「……分かった。」
そういうとホムラは一直線にソファに向かってどかっと腰を下ろした。
「では、フウタさん、これを利き手と反対の手首に付けてください。」
そう言われて箱から取り出されたのは、小さめのオーブが付いたブレスレットだった。
言われた通り利き手の逆にブレスレットを装着する。
オーブの色は緑。
両側に金色の留め具が付いていて、後の装飾はそこまで華美では無い。
ブレスレットは最初からあつらえたようにピッタリだった。
フウタはブレスレットを指差し
「コレは?」
と尋ねた。
「コレは、旅に必要な道具や武器を収納するものですわ。」
「私とホムラは指輪型だがな。」
と、エルも自分の中指に付けている青いオーブの付いた指輪を見せてくれた。
「そんなのあったんですね。知らなかったです。」
自分のブレスレットを何度も何度も観察した。
私が欲しいくらいです。
「オーブを1回指で叩くと武器が、2回で回復アイテムなんかを。3回で、旅に必要な道具が出せますわ。」
「へぇ〜。」
目を大きくして感心している。
「ただ、最初はその叩く動作が必要なりますが、そのうち叩かなくても出てくるようになりますわ。」
もう、フウタは驚きのあまり、口を開けたまま固まっていた。
「私も最初はそうだったが、何回か使ううちにオーブが今、必要なものを出してくれるから。」
「便利ですねぇ。」
「これも、先人の知恵の結晶ですわ。」




