4章-6
「——と、とにかくまだはっきりと風属性では無いと言われたわけではありませんわ。」
転げ落ちそうになっているカグヤをメイドが支えている。
「でも、ほとんど違うと言ってるようなものでは……?」
と半泣きのフウタが問いかける。
「そんなことはありませんわ。」
メイドに礼を言いつつ椅子に座り直すと
「80%も使えてるのです。
確かにこの数字だと、風属性の上級技は無理でしょう。」
「やっぱり〜。」
「でも、初級の技は詠唱無しでも出来ます。中級の技は、多少長い詠唱を必要としますが使えなくはありませんわ。」
「そうなんですね。」
フウタの中で納得できたのか、頭をまた上下させている。
「そして、エルの言った二重属性のことですが、これに関しては出来る人と出来ない人があるので、はっきりは分かりません。」
「なにしろ前例がありませんから。」
「そう……ですか。」
何やらこちらは逆に不納得のようだ。
「そして、ホムラの言ったことですが……。
論外ですわ。」
「名前と属性には関係性ありません。」
キッパリと言われた。
「二重属性と同じことかも知れませんが、自分が成長していくにつれて、違う使い方をされる方もいますわ。」
「例えば……、あなたの義姉さんのように。」
「え?フェルト義姉さん?」
急にフェルトの話しが出たのでフウタは驚いてしまった。
「えぇ、彼女は多分土属性だったのでしょうね。
土というのは、攻撃も出来ますが、守りに関しては一番強い属性ですから。」
「その守りの魔法を突き詰めていったのでしょうね。
村を丸ごと守る結界を張るのは容易ではなかっ
たでしょう。」
お義姉さんすごい方ですわね。とフウタに向かって、ここには居ないフェルトを褒めた。
不意に義姉を褒められフウタは我が事のように嬉しかった。
「と、まぁこの書類から分かるのはこれくらいなので、とりあえずは、知っていて欲しいと言うことですわ。」
「レベルが上がって、練度も上がれば、また結果も変わってくるかも知れませんから。」
「不安だとは思いますが、今のところ心配することはありませんよ。」
「——はい。」
フウタを安心させるようにカグヤは微笑んでみせた。




