4章-2
文句を垂れているフウタにエルが近寄り水とタオルを渡す。
「お疲れ様。」
「あ、エルさんも、この練習したことあるんですか?」
一瞬目を丸くしたエルは、考える仕草をしたあと
「確かにあの練習はしたが、最後のは流石に無かったな。」
フウタはショックを受け、
「やっぱり酷い……。」
と漏らした。
「お話の途中ですが、よろしいですか?」
エルとフウタが話している時、急にカグラが冷たいオーラをまといながら割り込んできた。
いつもならカグヤは話に割り込むことをしない。
「……フウタさん?」
「……お聞きしたいことがあるのですが。」
顔に貼り付けたような笑顔で聞いてくるため、フウタも表情は固い。
「……はい?」
「あのバカどこにいますの?」
「……あ、えっと……。声はかけたんですが。」
「その、興味ないと言われて……。」
フウタは言ったあと「あ!」という顔をし、エルは、額に手を当て、『あちゃー』という顔をしていた。
「——そう……、分かりましたわ。」
カグヤは徐に右手を差し出し、
「サーチアイ!」
そう言うと、右手には一つの眼球が現れた。
「ホムラを探しなさい!」
命令を聞くと眼球は消えた。
そして、メイドに
「ホムラを見つけたら私のところへ連れてきてちょうだい。」
「リョウカイシマシタ」
「では、私達は朝食にしましょうか。」
と、いつものような柔らかい笑顔で食堂へ行こうと促した。
フウタは心に刻みつけた。
(カグヤ様は怒らせないようにしよう)
と……。




