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3章-1
「あのぅ……。」
おずおずとした声で、フウタは前を歩くエルに声をかけた。
「どうした? 少年?」
「村を出てすぐ森に入って……もう、だいぶ歩きましたけど……
カグヤ様のいる場所って、この辺なんですか?」
不安そうに見上げるフウタに、エルは一瞬だけ言葉を止める。
「あ〜、そうだな。そろそろいいんじゃないか? エル。」
隣を歩くホムラが、周囲の気配を探るように視線を巡らせながら言った。
「そうだな。そろそろ良いだろう。」
そう言いながらエルは、どこからともなく――
少し錆びついた、古びた鍵を取り出した。
「鍵……?」
フウタが目を丸くする。
エルは何もない空間へと、その鍵を差し込んだ。
当然、鍵穴など見当たらない。
――だが。
カチリ、と小さな音が確かに響いた。
「え……?」
フウタが息を呑む。
エルは構わず、そこに“扉”があるかのように手をかけて――
ゆっくりと、開いた。




