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11話

ーーー地方都市 ビックツリー


朝日が降り注ぎ鳥の声がさえずるこの朝の街に少年と青年の姿がある


しかし二人の様子からはさわやかさは微塵も感じられない



二人は体を動かし水を口に含み、黙々と出発の準備を始めた


そう、この住み慣れたゴミ捨て場でだ




「うー、今日こそはモンスターをぶっ倒して大金を稼いでやる」


「全く同感ですねロック様、今日こそはベッドで寝たいものです」



少年の服は昨晩の雨でまた湿ったままだ



「ロック様、生活魔法のクリーンを使って体を清潔にしましょう」


「!!!アルバートお前、クリーンを使えるのか」


「ロック様、その通りでございます」


「先に言えよーそういうことはさー」



さっぱりした少年と青年は決意をみなぎらせゴミ捨て場を後にした



「よし、今日はゴブリンを討伐するぞ」


「しかしながらロック様、まだスライムを相手に経験値を稼いだほうが

 良くはないですか」


「大丈夫だ、俺ならできる」


「たしかに昨日の後半の動きは素晴らしいものでしたが・・・・」


「そうだろ!なら大丈夫だ。よし、行くぞ」



一行が門を目指して歩いていると大きな声が響き渡った



「あーーーー串焼きのにいちゃんだーーー」

「ほんとだー」



目を向けるとそこには昨日の子供がいた



「おう、お前らなにやってんだ。こんな所で」


「僕たちの家そこにあるんだよー」



子供が指さした先には大きな建物があった



「ロック様、どうやら孤児院のようですね」


「へー、行ってみるか」



そこで見たものは庭で遊ぶ10人ほどの子供だった


子供に促されて建物の中に入ってみるとさらに15人ほどの子供たちと椅子に座る

老人がいた



「昨日このにいちゃんが串焼きくれたんだよ」

「えーいいないいなー」

「僕も食べたいよー」

「私も私もー」



大騒ぎする子供たちに囲まれ少年はすっかり困り果てていた



(うーむ、この数の子供たちに串焼きを買うと結構な金になってしまうぞ)



次第に大合唱が大きくなっていき、少年は覚悟を決めたようだった



「よーし!今日大金を稼いできて全員に腹いっぱい食わせてやる!!」



「やったー」

「わーーーーーー」

「やったーー」

「たのしみーーー」

「クイー」



子供たちに囲まれていたカメパルトもなぜか歓声を上げていた



するとおもむろに椅子に座っていた老人が口を開いた



「ふぇふぇふぇふぇえ、わかっていましたよ。わかっていましたよ。

 君がそういうことは前から分かっていましたとも・・・ふふぇふぇふぇ」


「誰だこの人は?」


「院長先生だよー」


「うーむ・・・」


「しかしながらロック様、大金を手に入れるには危険を伴うことになりますが」


「大丈夫だ、俺ならできる」


「クイー」



一行は老人と子供たちに見送られながら決意を新たに討伐へと向かった





旅はまだ始まったばかりだ



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