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10話
ーーー地方都市 ビックツリー
薄暗い大通りに一人の少年がたたずんでいた
カメはそんな少年を見上げていた
そしてそれを見守る青年が声をかけた
「ロック様」
「ああ」
「それでは行きますか」
「ああ」
現在彼らには問題があった
彼らは宿代を持ち合わせていなかったのだ
彼らは慣れた足取りであの場所へと再び向かった
そこは貧民街にあるゴミ捨て場であった
かれらは今日もここに泊まるのだ
野宿であった
ホームレスであった
浮浪者であった
「ロック様」
「ああ」
「雨です」
「ああ」
「今晩は冷えそうです」
「ああ」
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
「クイー」
こうして二人と一匹はゴミをクッションにしながら眠りについた
少年の服の中に潜り込んでいるカメだけは幸せそうな寝息をたてていた
旅はまだ始まったばかりだ




