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【一日目③】ルール説明、そして・・・

〈 皆さんお静かにー お気持ちはよーく分かります! これから力を合わせて一緒に生き残ろうって時に衝撃的な話でしたよねー 〉


「どの口が…」


〈 で・す・が、今は説明のお時間ですので霜触くんのお話を聞きましょー ささ、説明をどうぞー 〉


「ハァ…いいですよ…さっさと済ませ」

溜め息をついた霜触が話しを始めようとしていたところで、無精髭をはやした中年の男がスタスタと歩きだす。

皆が黙って行動を見ているとスピーカーから声がかかる。


〈 んー?どこいくんですかー? 〉


「あ?」


〈 あ?じゃないですよー まだ説明終わってないですー。 話は最後まで聞きましょー 〉


足を止めスピーカーを少し眺めた男は「飽きた」とだけ言うと再び歩き出す。


〈 またまたー 六林《ろくばやし》さんにとってはそそられる状況じゃないですかー? 〉


六林と呼ばれた名前よりも《《そそられる》》という単語の方が気になるとばかりに皆は彼を見つめている。


「お前が決めることじゃないだろ。俺はそっちが見ている小さな世界にはそそられない。…それにお前らもそうだ」そう言いながら皆を一瞥《いちべつ》する。


「お前らがどんなゲームをしたのかは知らんが、話を聞く限りいずれも最初の一人以外には手を汚していない。俺達に殺り合わせるのが目的なんだから当たり前だ」


〈 ・・・ 〉


「まぁ何を考えているかまでは分からんが、最後まで生き残れと言った。 そして《《前にされていたような異常》》も身体にない。 お前らが起きる前に少し辺りを見て回ったが、鍵はかかっているが建物に罠があるとも感じなかった」


「あ、そうか、じゃあ普通に出れるんじゃ…」


〈 はぁ・・・嘆かわしい…あなたも参加したことがあるんですから分かっているんじゃないですか? そんなに甘くはない、と言うことくらい 〉


「・・・」


〈 仕方ないかぁ…本当はやりたくなかったけど、最後まで話を聞けない、勝手なことばかり言っているなら仕方ないかぁ… 〉


「なんだ、今になって結局こっちに手を出す…」


〈 黙って見てろっ! 〉


静まり返る広場で、見てろと言われついついモニターに目を向ける者、何か腑に落ちないような顔をしている者、考え込む者がいる。


〈 えーっと……ど・こ・に・し・よ・う・か・なっと…! 〉

モニターの映像はテレビに切り替わりニュース番組が映される。


〈「…⚪⚪さん、ありがとうございました。昨日に続き今日も1日天気が良いみたいで」〉

流れるニュースの天気予報が終わるタイミングで、緊急を報せる音と共にテロップが表れた。


[⚪⚪総合事務局/⚪⚪県 総戸数103万9,197戸→全域中約8割(最大83万1360万戸)が停電]


「停電?…全域って」

「え、これって」

「…こんなことまで出来るのか?」

「・・・遊びやがって」


〈 おー、流石に流れるの早いね~リアルタイムはこれくらいレスポンスよくないとね~ 〉


「おい、誰も殺したくないんだろ!?」

「そうか…停電だと事故とかも…」

「あと病院とかも」


〈 私が言ったのはここに集められた人殺し共が生き残れって話しただけで、外の人間はどうでもいいんですよー? 〉


「用があるのは俺達になんだろ!」

「話聞くから関係ない人達を巻き込まないでよ!」


〈 ハァ…最初からそうやって従順にしてれば、罪のない…ま、今更かー。 では素直になれて、そして…すこーしだけ勘違いしている皆さんには、特別に今回のルールの一つを教えてあげましょう! 〉


〈 最終日までに誰か一人でも死んだら… 〉


〈 その時点で全員を殺しまーすっ! 〉


「・・・」

「無茶苦茶だな…」

「全員生きるか、全員死ぬか…」

「なるほど、だから賞金…」

「え?」

「そういえばさっき言ってたな、今回の賞金はって」


〈 パチパチパチ!流石過去の優勝者達ですねー そうです今回は皆さん全員で優勝者になる、もしくは死者になるかのどちらかでーす 〉


「これが本当の一蓮托生ってやつかい」

「ハハ…」


「う~ん…」

「どうした悠?」

「流石に少年もおかしいと思ったんだろ」

霜触、真中、六林が話をしている。


「いえ、これだけが目的とは思えなくて」

「まだ何かあると?」

「まぁあるだろうな。でなければ」


「そうだね、私達は今更命なんて惜しくない」

三人に割って入ったのは先程うんざりして横になると話した女。


「そっちの少年と六林のオッチャンにはしなくてもいいだろうけど、あんたにはしとくわ。 あたしは早瀬《はやせ》愛《あい》、26齢」

上下セットの赤ジャージの女は真中にだけ自己紹介をする。


「お、覚えていないことは…」

「ははは、いいよいいよ、あんたは絶対に覚えられるタイプじゃないだろ」


「それよりさ、あんた達二人…いやまだ他にもいたか…」

「何か言ったか?」


「ん、あ、いや何も。というか真中には話してない」

「あの…失礼ですけど、真中さんの直感…というか閃きみたいなのはスゴいと思いますよ?それに…」

真中を庇うように言う霜触の真剣さを感じ取ったのか、早瀬も少し態度が変わった。

「真中、悪かったね。別に邪険にしようとかじゃないから」

「ん?何の話だ?そんなことより二人の気になってること教えろよ!」


霜触はフフと微笑み女に言う。

「あの人のような人は必ず必要です」

「だね…」


「それじゃあ気を取り直して聞かせてよ、二人が思っていることをさ」


では自分から先に、と霜触が話を始める。

「六林さんと考えが同じかは分かりませんが…」


「・・・」

「・・・・」

「・・・・・」


ほぼ同時に「そんなこと…」と同じ言葉を口にする真中と早瀬とは逆に六林は腕を組み考えている。


「…あれがこうなれば…そうか…そうすれば……まだ全てのピースは埋まらないが、少年の言ったことの可能性は大いにあるな」

「オッチャンまで!?」


「……この場にいる二人が同じ結論になる、しかも悠と六林さんが言うなら俺は信じるぞ」

「まぁ可能性って話だ…とりあえずしばらくは大人しく様子見しなければな」


〈 ・・・そちらの4人はそろそろいいですかー? 〉

「わざわざ待っていたのか…」


「ふんっ、あーもういいよ」

早瀬は睨み付けるように声に応える。


〈 では軌道修正して…話を戻しましょうかー。 さて、霜触くん、初めのモニターの画像から何が分かったのかの説明をお願いしまーす 〉


「さっき画像に出てた過去のゲーム名の下に書いてあった《《日数》》、例えば最初に出た【手枷足枷《てかせあしかせ》】の下には3日と書いてあった。それは…これから始まるゲーム内に追加で適用される日数…」


〈 パチパチパチ 〉


「どういうことだ?日数が増えていくってことか?」

「いえ…人狼ゲームをやりながら指定日数分、過去のゲームを併せてやっていくってことだと思います」


「いやいや…」

「無理だろ、そんなの…」

「それで誰も死なないとか不可能でしょ」


「…とりあえず最後まで話しますね」

「まだ何かあるんですか?」


「今回のゲーム…終わりまでに最低でも1ヶ月はあります」


〈 パチパチパチパチパチパチ! 〉


「いっかげつ…だと…」

「最低日数ってことはそれ以上もある…のか」

「何でそんなこと分かったの?」

「表示されたゲームの数は5…それらゲームの指定日数の合計は15日」


「ハァ……分かったわ…」

「なるほどね、わたしもわかった」


「はい、まだここにいる全員の過去のゲームは表示されてません。未発表の残りゲーム数と、現在分かっている指定日数の平均値は3」


「…確かに1ヶ月はかかるな」

「というか、人狼ゲームとは他に別のゲームもやる方がきつくない?」

「そうだね、そもそもその人狼ゲームも普通じゃないんでしょ、どうせ」


〈 いやー 流石霜触くんだねー 100点満点の回答でしたー。 ではこれからが本題… 〉


〈 ジンロウゲームの説明をおこないまーす! まずは大事な役割からの発表でーっす 〉


〈 ・・・・・・・・・・・・・・・ 〉


「何だよそれ」

「知ってるのと全然…」

「聞いたことないんだけど…」


〈 まだ役割名しか話してないのに何で暗くなってるんですかー? 〉


〈 ここからですよ、絶望するのは 〉


皆の表情を曇らせたゲームの役割。

【旅行者、狼少年、探偵、農家、清掃人、インフルエンサー、小説家、賭博者、ジンロウ、ジンロウ】


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